研究者業績

藤井 多久磨

フジイ タクマ  (Takuma Fujii)

基本情報

所属
藤田医科大学 医学部 婦人科学 講座教授
学位
医学博士(慶應義塾大学)

J-GLOBAL ID
200901003765483759
researchmap会員ID
5000065794

学歴

 2

論文

 109

MISC

 223
  • 藤井多久磨
    よぼう医学 554 4-9 2024年10月15日  招待有り筆頭著者
  • 藤井 多久磨
    産婦人科の実際 72(12) 1194-1201 2023年11月30日  招待有り筆頭著者責任著者
  • 藤井 多久磨, 西 洋孝, 寺井 義人, 山下 剛, 寺尾 泰久, 豊島 将文, 三上 芳喜, 林 茂徳, 平池 修, 小林 栄仁, 悪性腫瘍手術委員会, 技術認定制度委員会
    日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 39(1) 1-13 2023年9月16日  筆頭著者責任著者
  • 藤井多久磨
    日本産婦人科医会報 76(7) 10-11 2023年7月1日  招待有り
  • 小谷燦璃古, 野村弘行, 金尾世里加, 市川亮子, 川原莉奈, 大脇晶子, 伊藤真友子, 仲村 勝, 西澤春紀, 藤井多久磨
    東海産科婦人科学会雑誌 59 77-82 2023年3月11日  最終著者
  • 中島葉月, 市川亮子, 川原莉奈, 大脇晶子, 伊藤真友子, 野村弘行, 藤井多久磨
    東海産科婦人科学会雑誌 59 71-76 2023年3月11日  最終著者
  • 鍋谷 望, 野村弘行, 市川亮子, 川原莉奈, 髙田恭平, 大脇晶子, 伊藤真友子, 仲村 勝, 西澤春紀, 藤井多久磨
    東海産科婦人科学会雑誌 59 65-70 2023年3月11日  最終著者
  • 藤井多久磨
    愛知県産婦人科医会ニュース 570 1-3 2023年3月  
  • 藤井 多久磨, 石谷 健, 有本 貴英, 五十嵐 敏雄, 石川 哲也, 岩瀬 明, 小川 真里子, 小沢 伸晃, 梶山 弘明, 川崎 薫, 工藤 梨沙, 熊切 順, 甲村 弘子, 駒井 幹, 佐藤 誠也, 篠原 康一, 田中 京子, 高橋 俊文, 種部 恭子, 出口 雅士, 戸澤 晃子, 中島 彰俊, 中塚 幹也, 西尾 永司, 早川 智, 平田 哲也, 福原 理恵, 宮国 泰香, 宮崎 博章, 森定 徹, 湯川 望, 生水 真紀夫, 杉浦 真弓, 前田 津紀夫, 桑原 慶充, 竹中 雅貴, 産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編作成委員会, 診療ガイドライン運営委員会
    日本産科婦人科学会雑誌 74(12) 2419-2618 2022年12月  
  • 利岡 美咲, 戸田 洋子, 肥後 直倫, 平田 宗嗣, 土森 有紗, 浦野 誠, 塚本 徹哉, 伊藤 真友子, 藤井 多久磨, 森山 育実, 喜島 祐子
    乳癌の臨床 37(6) 503-512 2022年12月  
  • 堀内俊孝, 松永利恵, 小林勇毅, 三浦恵, 森田ひろみ, 森下奈美, 倉崎友加里, 佐久間梨央, 磯部佳菜, 宮村浩徳, 前田知子, 藤井多久磨, 越知正憲
    日本受精着床学会雑誌 39(2) 215-221 2022年10月  
  • 藤井多久磨
    細胞診専門医会会報 58 12-13 2022年8月  
  • 藤井 多久磨
    臨床婦人科産科 76(8) 800-806 2022年8月  
    <文献概要>●子宮頸がん検診では,HPV検査のほうが細胞診より感度がよいが特異度が劣る.●細胞診陰性だがHPV陽性例の前がん病変進展のリスクが注目を集めている.●HPVワクチンと検診で子宮頸がん予防の相乗効果が期待できる.●HPV単独検査陽性例のトリアージでは細胞診が活用されているが,細胞診免疫染色法も期待される手法の1つである.
  • 藤井 多久磨
    日本臨床細胞学会雑誌 61(4) 227-237 2022年7月  招待有り
    子宮頸がんはアジア、アフリカに多いことから、これらの地域においてヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの普及が第一に望まれる。HPVワクチンはHPV感染率の減少、コンジローマの減少、CIN2+の減少の報告を踏まえ、浸潤がんの減少が報告された。接種率の上昇とともに集団免疫効果の報告もみられた。世界では3回接種から2回接種へとシフトし、1回接種の検証も始まっている。一方、わが国においては定期接種となったものの、その直後に積極的勧奨の中止が宣言された。HPVワクチンの認知度が接種世代に低いことも問題で、今後のさらなる啓発活動が求められる。(著者抄録)
  • 藤井多久磨
    週刊日本医事新報 5112 52-52 2022年4月16日  筆頭著者
  • 成宮由貴, 市川亮子, 髙田恭平, 宮村浩徳, 野村弘行, 藤井多久磨
    東海産科婦人科学会雑誌 58 2022年3月5日  査読有り最終著者
  • 藤井多久磨
    Medical Technology 50(1) 82-86 2022年1月15日  筆頭著者
  • 齊藤, 英子, 雑賀, 公美子, 森定, 徹, 宮城, 悦子, 藤井, 多久磨, 高橋, 宏和, 八重樫, 伸生, 戸澤, 晃子, 中山, 富雄, 青木, 大輔
    日本がん検診・診断学会誌 29(3) 185-192 2022年1月  査読有り
    子宮頸がん検診の手法の中で死亡率と罹患率の減少効果が直接的に示されたものは細胞診単独法のみで、現在わが国の地域保健・健康増進事業での検診手法としても採用されている。また子宮頸がんの原因とされるハイリスクHPV感染の有無を調べるHPV検査単独法は、研究での罹患率減少効果によって検診の有効性が示されたことから、近年では検診への導入がいろいろな国や地域で検討されている。一方、がん検診事業を実施して実際に対象集団における死亡や罹患の減少という効果を得られるかは、ある程度妥当な検診手法を用いたうえで、検診事業全体を適切に運用する必要がある。検診事業の運用が良好と言えるためには、精度管理体制の整備、検診受診者のモニタリング、診断・治療体制の整備など、運用状況に関する条件を満たす必要があり、それらを満たすものがorganized screening、すなわち組織型検診と言われる。そこで、わが国へのHPV検査単独法を導入するのみならず、それによって効果を上げることを念頭におき、わが国で実施されている住民検診、職域での検診、個人が任意で受ける検診それぞれの体制が、組織型検診の必要条件とされる各項目をどの程度充足しているかの現状を検討した。また、HPV検査単独法での効果を上げるために特に留意すべき条件を、そのアルゴリズムの特性から検討した。その結果、いずれの検診様式でも組織型検診の条件の充足が十分ではなかった。一方、HPV検査単独法での検診で期待される効果を得るにはそれらの条件すべてを準備すべきであり、特に精度管理体制の整備と検診受診者のモニタリング、診断・治療体制の整備に注力する必要があると考えられた。HPV検査単独法導入の検討は、同時に子宮頸がん検診事業の組織型検診の必要条件充足を伴うべきである。(著者抄録)
  • 松永 利恵, 倉崎 友加里, 佐久間 梨央, 森田 ひろみ, 磯部 佳菜, 三浦 恵, 小林 勇毅, 宮村 浩徳, 牧野 弘, 前田 知子, 越知 正憲, 藤井 多久磨, 堀内 俊孝
    日本受精着床学会雑誌 38(2) 228-232 2021年9月  
  • 鳥居 裕, 藤井 多久磨
    産婦人科の実際 70(8) 873-877 2021年8月  最終著者
    <文献概要>子宮頸部明細胞癌は子宮頸部腺癌の4〜9%を占める特殊組織型であり,ジエチルスチルベストロールの母体への投与が出生児の発症に関与するとされる一方,薬剤と無関係な発症例が多く報告されている。発症時に不正性器出血をきたすことが多く,またHPVと関連性がなく,内頸部に腫瘍を形成することが多いため,通常の子宮頸癌検診はスクリーニング検査として不十分である可能性が否めない。治療方法は通常の子宮頸癌と同様,FIGO II期以下は手術,III期以上はCCRTが選択され,その予後に大きな相違はみられないが,術後再発中リスクおよび低リスク群に対する術後補助療法として,放射線治療または化学療法を行うことの意義は乏しいとの報告が多数みられる。
  • 三谷 武司, 鳥居 裕, 芦原 このみ, 溝上 和加, 大谷 清香, 市川 亮子, 野村 弘行, 藤井 多久磨
    東海産科婦人科学会雑誌 57 233-237 2021年3月  最終著者
    薬剤性大動脈炎はG-CSF(granulocyte-colony stimulating factor)製剤や抗悪性腫瘍剤などの投与後に発症することがあるが、その報告は少ない。今回我々はG-CSF製剤またはプラチナ製剤に起因すると思われる薬剤性大動脈炎の一例を経験したので報告する。症例は64歳、2妊2産、特記すべき既往歴なし。子宮体癌FIGO II期の術前診断で腹式拡大子宮全摘出術、両側付属器摘出術、骨盤および傍大動脈リンパ節郭清術、大網部分切除術を行った。術後の病理診断は類内膜癌Grade2、pT2N1M0であったため、術後補助化学療法としてadriamycin+cisplatin療法(G-CSFとしてpegfilgrastim併用)を行った。1サイクル目投与後18日目より感冒症状を伴わない39度台の発熱が持続し、CRPの上昇を認めたため熱源検索として胸腹部造影CT検査を行ったところ、遠位大動脈弓部から右鎖骨下動脈に動脈壁に沿った軟部影を認めた。また血管炎マーカーであるPentraxin3が37ng/ml(0.7-5.4ng/ml)と上昇を認めたことから大動脈炎の発症を疑った。血液検査で血液培養は陰性で結核や梅毒、真菌およびウイルスなどの感染症を積極的に疑う所見は認めず、また特異的な自己抗体の上昇所見なく自己免疫疾患も原因として否定的であり、頭部MRI検査や頸部超音波検査でも血管奇形は認めなかったことから、薬剤性大動脈炎が最も疑われた。化学療法を中止し入院管理で慎重に経過観察を行っていたところ自然に解熱し、ステロイド剤などの治療を行うことなくCRPも徐々に低下、陰性化した。初回化学療法から6週間後の造影CT検査で動脈壁に沿った軟部影は縮小を認め、患者と家族へ相談の上、その後の化学療法は行わず経過観察とした。G-CSF製剤またはcisplatinが原因と考えられる薬剤性大動脈炎の一例を経験した。薬剤性大動脈炎は解離性大動脈瘤などの致死的病態を呈することもあるため、その対応には十分な注意が必要である。(著者抄録)
  • 藤井多久磨
    東海産科婦人科学会雑誌 57 2021年3月  招待有り
  • 高橋 龍之介, 市川 亮子, 川原 莉奈, 金尾 世里香, 鳥居 裕, 三木 通保, 宮村 浩徳, 野村 弘行, 西澤 春紀, 藤井 多久磨
    東海産科婦人科学会雑誌 57 247-252 2021年3月  最終著者
    poly(ADP-ribose)polymerase(PARP)阻害薬であるオラパリブは、プラチナ感受性再発卵巣癌に対して化学療法奏効後の維持療法として用いることで無増悪生存期間の有意な延長が示されている。本研究では、再発時にオラパリブ維持療法の適応となりうる卵巣癌患者の割合および背景を後方視的に検討した。2011年1月から2015年12月に藤田医科大学病院にて標準的な初回治療が施行された上皮性卵巣癌(卵管癌、原発性腹膜癌を含む)患者105例を対象とした。プラチナ感受性再発患者およびオラパリブ維持療法の適応となる患者の割合、背景、治療転帰につき後方視的に解析した。対象とした105例のうち再発を認めた患者は35例(33%)であり、プラチナ抵抗性再発は14例(13%)、プラチナ感受性再発は21例(20%)であった。プラチナ感受性再発患者21例に対する二次化学療法レジメンはパクリタキセル+カルボプラチン(TC)療法が最も多く、ベバシズマブ併用は6例(29%)であった。二次化学療法の奏効は、complete response(CR)が10例(48%)、Partial response(PR)が2例(10%)であった。再発治療でのオラパリブ維持療法の適応となりうる患者は上記の12例であり、再発患者の34%(12/35)、プラチナ感受性再発患者の57%(12/21)であった。プラチナ感受性再発に対する二次化学療法後のdisease-free interval(DFI)中央値は7ヵ月(3-18ヵ月)であった。プラチナ感受性再発患者の半数以上でオラパリブ維持療法の適応となることが示された。現行治療では再増悪時にプラチナ抵抗性となる可能性があり、オラパリブ維持療法によるDFIの延長が期待される。(著者抄録)
  • 等々力 彩, 市川 亮子, 三谷 武司, 成宮 由貴, 山田 芙由美, 川原 莉奈, 三木 通保, 金尾 世里加, 鳥居 裕, 宮村 浩徳, 野村 弘行, 藤井 多久磨
    東海産科婦人科学会雑誌 57 285-289 2021年3月  最終著者
    症例は65歳女性、ネフローゼ症候群の精査加療目的のため当院腎臓内科に入院管理となった。腎生検で膜性腎症と診断されたが、ステロイド治療に抵抗性であったため、二次性膜性腎症が疑われた。原因検索として行ったCT検査で子宮頸部に腫瘤性病変を認めたため、当科に紹介となった。子宮頸部腫瘍の病理診断は扁平上皮癌であり、MRI検査で長径96mmの腫瘍を認め、腟および膀胱への浸潤と坐骨転移を認めた。以上より、二次性膜性腎症を合併した子宮頸癌FIGO stage IV B期(TNM;T4N1M1)と診断し、シスプラチンを用いた同時化学放射線療法(concurrent chemoradiotherapy;以下CCRT)を行った。CCRT施行後、子宮頸部腫瘤は消失し病理学的完全奏効となり、同時に膜性腎症も改善した。現在治療開始後30ヵ月が経過し、再発なく経過観察中である。悪性腫瘍に起因した二次性膜性腎症においては、腎機能を含めた全身状態を考慮した上で積極的な抗腫瘍治療が重要と考えられた。(著者抄録)
  • 溝上 和加, 野田 佳照, 山田 芙由美, 宮村 浩徳, 西澤 春紀, 関谷 隆夫, 藤井 多久磨
    東海産科婦人科学会雑誌 57 349-357 2021年3月  最終著者
    [目的]Retained products of conception(RPOC)とは、妊娠終了後に妊娠に関連する組織が子宮内に残存した状態で、産褥晩期出血の一因となるが、本邦では診断基準や管理方法が確立されていないのが現状である。そこで、本疾患の病態解明と管理指針の確立をめざして、当施設で経験したRPOCとその対応の現状について臨床的検討を行った。[方法]院内倫理審査委員会の承認の下、2012年から2019年の8年間に当院で経験したRPOCの臨床所見と治療について、診療録を用いて後方視的に検討を行った。[成績]対象期間中のRPOCは20例で、平均年齢は34歳(27-40)、先行妊娠の転帰は、流産(人工妊娠中絶含む)が7例、分娩が13例(正期産12例、早産1例)で、分娩様式は、経腟分娩10例、帝王切開分娩3例であった。治療法は、子宮収縮剤投与による保存的治療が4例で、これら全てが自然退縮し、外科的治療を行ったのは16例(子宮内容除去術5例、子宮鏡下経頸管的切除術10例、腹式単純子宮全摘出術1例)であった。超音波ドプラ検査で豊富な腫瘤内血流を認めたのは20例中18例で、このうち15例に外科的治療を行なった。大量出血により緊急対応を必要とした4例中3例に子宮動脈塞栓術(UAE)を実施したが、これら4例の腫瘤最大径は、それ以外の16例に比して有意に大きかった(62.5mm vs 27.2mm)(p<0.05)。[結論]RPOCの病態は多彩であり、保存的治療も選択肢となり得るが、腫瘤の大きさと経腟超音波ドプラ検査による腫瘤内血流所見が外科的治療を考慮するポイントとなる。(著者抄録)
  • 吉澤 ひかり, 関谷 隆夫, 藤井 多久磨
    産婦人科の実際 69(12) 1528-1532 2020年11月  最終著者
  • 宮村浩徳, 西澤春紀, 鳥居 裕, 三木通保, 安江 朗, 西尾永司, 廣田 穰, 藤井多久磨
    東海産婦人科内視鏡手術研究会雑誌 8 37-41 2020年10月  最終著者
  • 宮﨑 純, 宮村浩徳, 塚田和彦, 藤井多久磨, 廣田 穰
    東海産婦人科内視鏡手術研究会雑誌 8 27-36 2020年10月  
  • 関谷 隆夫, 野田 佳照, 藤井 多久磨
    周産期医学 50(8) 1283-1287 2020年8月  最終著者
  • 藤井 多久磨, 川原 莉奈
    産婦人科の実際 69(3) 275-283 2020年3月  筆頭著者
    <文献概要>子宮頸がんは予防可能ながん種として認識されてきた。HPV感染を予防することで発がんのリスクを抑え,感染後の細胞の変化を検診にて捉えることで,前がん状態もしくはがんであっても早期発見であれば,がん死することは避けられる。世界保健機関は今世紀中に子宮頸がんを撲滅するために,この10年ですべきことのロードマップを示している。一番重要なことはワクチン接種率を上げることにあり,次にすべきことは,費用対効果の点で最も効率のよい年齢で検診受診率を上げることである。ワクチン接種率が上がることにより,相対的に細胞診の検査としての精度は下がるので,HPV検査が検診手法の主流となる。検査としての感度が上がれば,当然受診間隔も延長可能となる。HPV検査キットにも種類があり,管理指針を念頭においたキットの選択も考慮する。オーストラリアではワクチン接種をいち早く国家レベルで導入し,HPV検診も導入されてきた。ワクチン接種とHPV検診プログラムの導入により,浸潤がんは著明に減少すると見込まれる。世界規模でみてみると超高所得国では9価ワクチンの接種カバー率が80〜100%で,生涯2回の検診が達成できれば,子宮頸がん撲滅は2055〜69年に可能との数字が示された。今や世界の潮流はワクチン接種率を上げ,それに伴いHPV検査を検診として導入することである。さらに費用対効果を考慮に入れると,生涯においてなるべく少ない検診回数で早期発見に努めることが主流となる。
  • 水野 雄介, 岩崎 慶大, 安江 朗, 関谷 隆夫, 藤井 多久磨, 鈴木 清明
    東海産科婦人科学会雑誌 56 89-94 2020年3月  
    分娩時異常出血への対応は分娩における母体管理の最重要項目の一つであり、我が国の分娩の約半数が1次医療施設で行われている現状の下で、母体の大量出血時における全身状態の評価と高次医療機関への搬送を行う為の適切な判断が求められている。このような背景の下「産科危機的出血への対応指針2017」では、母体出血に対する病態評価指標としてshock index(以下;SI)を用いた対応指針が示されている。今回我々は、当院で経腟分娩した4,932症例のうち、分娩時1,000ml以上の出血をきたした142症例を対象として、Shock index(以下;SI)・背景因子・原因疾患について検討した。さらに輸血例と搬送症例に関してはそれぞれの臨床経過についても検討を行った。全142例の分娩時最大SI値と、分娩時出血量の相関係数は0.419でありSI値と出血量の間には中程度の相関をみとめた。SI:1.0以上、未満でみるとSI:1.0以上の症例は21例、1.0未満の症例は121例であった。SI:1.0以上の群で有意に出血量が多く、分娩後最低ヘモグロビン値も有意に低値で、輸血とバルーンタンポナーデ法の実施率や、高次医療機関への搬送率も有意に高かった。原因疾患別に出血量とSI値を見ると、会陰裂傷・腟壁裂傷ではその他の疾患に比べSI値に対し出血量が少なかった。また、全体のうち輸血を実施した症例は16例、搬送症例は5例であった。1次医療施設においてSI値は分娩後の母体循環の迅速な把握に有用であり、産科危機的出血に対する迅速な評価指標になると考えられた。(著者抄録)
  • 関谷 隆夫, 吉澤 ひかり, 藤井 多久磨
    産科と婦人科 87(Suppl.) 278-283 2020年3月  査読有り最終著者
  • 藤井 多久磨
    日本産科婦人科学会雑誌 71(8) 1580-1585 2019年8月  招待有り
    過去50年間にわたり,コルポスコープ検査は実地臨床に普及したものの,その問題として検査の標準化・統一化がなされていない,教育の質にばらつきがあるなどと指摘されてきた.先進国ではHPV感染予防ワクチンの導入により,将来的にはコルポスコープの検査件数が減少すると見込まれ,コルポスコープ検査の技量の継承や検査の質を担保することが求められている.コルポスコープ検査の質を担保するには,単に検査そのものの方法を標準化するだけではなく,検査前後に実施すべき事項を決め,さらにはプロバイダー(検者)の高い経験値も求められてくる.コルポスコープ検査において必要なことは(1)検査に先立ち,必要な情報は収集しなければならない.検査においては事前の説明と同意は必須である.(2)酢酸加工前にも観察し,異常の有無を確認する,血管所見が認められる場合には青色(緑色)フィルターによる観察も加えること,触診による硬度などの情報収集も必要な項目である.(3)文書による記述のほか,写真や描画による記録は重要である.(4)生検は高位病変とそれに次ぐ病変を合わせ,複数個所の採取をする.上皮の厚さは必ずしも病変の程度と相関せず,1ヶ所のみの生検は過小診断の可能性がある.(5)検査後の処機として,生検を行った場合には検査後の出血に対する処置は重要である.(6)検査後にその結果を適切な時期に受診者に告知するかということも,その後の介入・治療を円滑に行うために重要である.一方,子宮頸部腫瘍の診療においては腟病変の有無を治療前に確認することで,治療方針を確定できることはあまり啓発されてこなかった.子宮頸部腫瘍だけに注意が注がれ,同時に存在する腟病変を見逃すと痛い目にあう.LSILはヒトパピローマウイルス(HPV)感染に伴う疾患ともいえるが,腟にはHPVが存在し,腔上皮内病変を形成していることもしばしばみられ注意を要する.(著者抄録)
  • 浅井 哲, 明樂 重夫, 西澤 春紀, 菊地 盤, 馬場 長, 小林 栄仁, 伊東 史学, 中田 真木, 塩田 充, 藤井 多久磨
    産婦人科手術 (30) 87-92 2019年8月  最終著者
  • 藤井 多久磨
    日本気管食道科学会会報 70(2) 75-76 2019年4月  招待有り
  • 高田 恭平, 宮村 浩徳, 高橋 龍之介, 宮崎 純, 大脇 晶子, 野田 佳照, 河合 智之, 西澤 春紀, 関谷 隆夫, 安江 朗, 鈴木 清明, 藤井 多久磨
    東海産科婦人科学会雑誌 55 135-144 2019年3月  最終著者
    先天性肺気道奇形(Congenital pulmonary airway malformations:CPAM)は、胎児期に気管支系や肺胞の発達異常によって生じる先天性肺腫瘤で、近年では胎児超音波スクリーニングが普及し、出生前に診断される症例が増加している。本症の予後は一般に良好であるが、腫瘤の増大に伴い胎児水腫をきたす場合があり、胎児治療の手段として嚢胞羊水腔シャントや経母体ステロイド投与の有効性が報告されている。今回、出生前にCPAMと診断し、胎児腹水と羊水過多を合併した症例に経母体ステロイド投与を行い、胎児腹水の消失と腫瘍の縮小を認めた症例を経験した。症例は37歳、2妊1産。前医で妊娠20週の胎児超音波検査で左胸腔内に類円形の高輝度腫瘤を認め、本症を疑い経過観察が行われたが、妊娠23週より胎児腹水が出現し、妊娠25週で当院へ紹介となった。初診時の超音波検査で、左胸腔内に類円形の高輝度腫瘤像を認め、心臓が右側に偏位し、さらに胎児腹水と羊水過多(Amniotic fluid index:AFI 25.3cm)を認めた。また、腫瘤内への大血管からの血流はなく、実質性腫瘤像を呈することからCPAMのmicrocystic typeと診断した。胎児水腫の基準は満たさないが、腫瘤の増大に伴う圧迫による影響を考慮して、ステロイド治療の適応と判断した。インフォームド・コンセントを行った上で、妊娠26週0日に母体にbetamethazone 12mgを24時間おきに2回投与した。その後、3D超音波検査によるフォローアップで腫瘤は徐々に縮小し、妊娠32週には検出不能となり、胎児腹水は消失し羊水過多は改善し、妊娠39週1日に自然経腟分娩となった。児は3345gでApgar Score 9/9で出生し、出生時の胸部CTで左肺の過膨張と10mm大の嚢胞像を認めたが、呼吸障害を認めなかった為、待機的管理とした。その後、2歳時に肺炎を繰り返した為、胸腔鏡下左肺上葉切除術が施行されたが、術後経過は良好である。本症例のようなCPAMに対する3D超音波検査による診断は腫瘤の正確な評価を可能とし、経母体的ステロイド療法は、胎児予後の改善に寄与する可能性がある。(著者抄録)
  • 市川 亮子, 吉澤 ひかり, 宮崎 純, 大脇 晶子, 坂部 慶子, 伊藤 真友子, 大谷 清香, 鳥居 裕, 宮村 浩徳, 西尾 永司, 西澤 春紀, 関谷 隆夫, 藤井 多久磨
    東海産科婦人科学会雑誌 55 169-173 2019年3月  査読有り最終著者
    遺伝性乳癌卵巣癌症候群(以下HBOC:hereditary breast and ovarian cancer syndrome)はBRCA遺伝子の変異があり、乳癌や卵巣癌などに罹患するリスクが高い遺伝性腫瘍症候群の一つである。当施設では、HBOC関連癌のうち卵巣癌、卵管癌および腹膜癌の診療にあたり、卵巣癌未発症のBRCA変異保持者に対してサーベイランスおよびリスク低減卵管卵巣摘出術(以下RRSO:risk-reducing salpingo-oophorectomy)を提供している。今回は、HBOCに対してRRSOを施行した一例について考察を加えて報告する。【症例】47歳。2妊2産。子宮筋腫の既往あり。乳癌に罹患した姉にBRCA2遺伝子に変異を認めたことから、BRCA遺伝学的検査目的にカウンセリング室を来談し、検査の結果HBOCと診断され、RRSO施行の是非について相談のため産婦人科に紹介受診となった。患者はRRSO施行推奨年齢に達していたため、RRSOのメリットとデメリットを説明し、RRSOを行う方針となった。手術は腹腔鏡下で両側付属器切除を行い、切除検体については詳細な病理学的検討を行って、STIC(Serous tubal intraepithelial carcinoma)や浸潤癌がないことを確認した。術後は腹膜癌発症の有無を経過観察中である。HBOCは通常の産婦人科患者のうち一定の割合を占める比較的頻度の高い遺伝性腫瘍である。産婦人科医師はBRCA1/2変異保持者に対しては卵巣癌サーベイランスの限界、リスク低減手術の予想される効果と副作用を説明できる知識をもち、RRSOを行うにあたっては、卵巣癌の易罹患者であることを念頭においた手術操作、術後管理が必要である。(著者抄録)
  • 藤井 多久磨
    産婦人科の実際 67(13) 1721-1726 2018年12月  
    <文献概要>わが国では子宮頸癌患者は減少せず,むしろ増加すると予想される。現在のところ,ロボット支援下広汎子宮全摘出術は限定された施設にて施行されている。本手術ではラーニングカーブが存在するといわれているので,執刀医の症例数確保は重要な懸案事項である。今後は病期や腫瘍の大きさに見合った術式についての議論も必要であり,治療成績について議論をする際には,術後の後治療との組み合わせについても考慮する必要がある。
  • 猿田 莉奈, 西澤 春紀, 高橋 龍之介, 塚本 和加, 水野 雄介, 奈倉 裕子, 尾崎 清香, 大脇 晶子, 宮崎 純, 西尾 永司, 廣田 穣, 藤井 多久磨
    東海産婦人科内視鏡手術研究会雑誌 6 60-64 2018年10月  最終著者
    現在、子宮筋腫などの良性腫瘍に対する手術療法としては腹腔鏡手術が広く普及し、そのうち根治的治療として腹腔鏡下子宮全摘出術が最も施行されている術式と思われる。当施設では、腹腔鏡手術を開始して以来、手術手技の習熟と術式の改良を重ねた結果、子宮体部切断後に頸部摘出を行うtwo steptotal laparoscopic hysterectomy(TTLH)を標準術式として実践している。一方、米国では2000年以降子宮亜全摘出術(laparoscopic subtotal hysterectomy;LSH)を施行する施設が増加し、近年は本邦でも一般的に実践されるようになってきている。しかしながら、両術式の優劣については一定の見解が得られていないため、2008年から2013年までに当施設で施行したTTLH群;32例およびLSH群;22例の手術成績や合併症、術後の機能回復などに与える影響について比較検討した。TTLH群とLSH群を比較した結果は、手術時間が258.5±9.6分、221.3±7.8分とLSH群で有意な短縮を認めるとともに(p&lt;0.01)、一方排尿機能は、有意差は認められないものの、8.0±9.1日、5.0±2.5日とLSH群で回復日数が早い傾向にあった(p=0.09)。また、術後合併症については、TTLH群で受診ないしは治療を要する腟断端部出血1例、腟断端部感染1例の計2例(6.3%)を認めたのに対し、LSH群では少量のcyclic bleedingを2例(9.1%)に認めた。子宮筋腫などの良性疾患に対する手術治療にあたっては、両術式における特有の合併症等を考慮し、各患者のニーズに応じた術式を選択することが重要と思われた。(著者抄録)
  • 大脇 晶子, 伊藤 真友子, 西澤 春紀, 尾崎 清香, 宮村 浩徳, 西尾 永司, 藤井 多久磨, 廣田 穰
    東海産婦人科内視鏡手術研究会雑誌 6 99-105 2018年10月  
    子宮筋腫、子宮腺筋症の術後早期に発症し、種々のホルモン治療に抵抗性を示し、かつ閉経後もなお増悪した深部子宮内膜症の1例を経験したので報告する。症例は46歳、G4P3、月経困難症のため当院を受診、子宮筋腫および子宮腺筋症の診断のもとに腹腔鏡下子宮亜全摘術、左付属器切除術を行った。術中所見では子宮後面に左側付属器が強固に癒着していたが、ダグラス窩には癒着を認めなかった(ASRM:8)。術後4ヵ月頃から背部痛、左足のしびれが出現し、尿管狭窄にともなう左水腎症を認めた。腟円蓋部5時方向に母子頭大の暗赤色の腫瘤発現を認め、直腸診では同腫瘤より左骨盤壁にかけて圧痛を伴う硬結を認めた。腟円蓋部腫瘤の生検にて子宮内膜症の所見を得た。そこで尿管ステントの留置の上GnRHアゴニスト製剤の投与を開始した。しかし、尿管狭窄に対する薬物治療の効果が不十分のため尿管新吻合術による尿路変更を行った。年齢が47歳であったため追い込み療法としてGnRHアゴニストに加え、ジエノゲスト、ダナゾール投与を繰り返したが左骨盤側壁の病変は薬物抵抗性を示し、また治療経過中に閉経となったが深部子宮内膜症の病勢は衰えなかった。以上の経過より薬物療法無効および癌化の可能性を考慮し、54歳時に根治を目的に腹腔鏡下深部子宮内膜症病巣切除術ならびに残存子宮頸部切除術、右付属器切除術を行い、その後の経過は良好であった。(著者抄録)
  • 新保 暁子, 長坂 徹郎, 梶山 広明, 吉川 史隆, 藤井 多久磨, 水野 公雄
    日本婦人科腫瘍学会雑誌 36(2) 315-322 2018年4月  
    異型ポリープ状腺筋腫(atypical plypoid adenomyoma:APA)は、子宮内膜に発生し、上皮性・間葉性混合腫瘍に分類され、性成熟期に好発する稀な腫瘍とされる。組織学的には、不整な類内膜腺管の増殖とその間に介在する豊富な線維平滑筋性間質が特徴的である。腺腔を埋めるような桑実様化生moruleも高頻度に認められる。今回我々は、子宮鏡下での経頸管的切除術(transcervical resection:TCR)によって病変を切離し、病理学的にAPAと確定診断を受けた3症例の詳細について報告する。3症例は診断後にそれぞれ病変の残存、再発を疑われて子宮摘出を施行した。症例1はAPAの筋層内への進展を疑う病変を認められ、癌との鑑別診断が困難であった。症例2は診断の約3年後に再発し、子宮内膜異型増殖症の合併を確認した。症例3は診断の約1年後に再発し、最終病理診断は子宮の類内膜癌と左卵巣の類内膜癌となった。本報告で強調すべき新知見は、TCRを用いて病変を切離し、APAと診断した症例の、その後の摘出子宮の詳細な病理学的所見を示したことである。このような報告は過去になく、妊孕性温存を試みる場合は、非常に厳格な管理が必要であることを更に明確にすることができた点で意義深い。(著者抄録)
  • 鳥居 裕, 藤井 多久磨
    日本臨床 76(増刊2 婦人科がん) 659-662 2018年3月  最終著者
  • 奈倉 裕子, 鳥居 裕, 藤井 多久磨, 黒田 誠
    東海産科婦人科学会雑誌 54 135-140 2018年3月  
    子宮頸部の原発性腺癌は子宮頸癌全体の約7-15%と言われており、その中でも明細胞癌は約4%と稀な疾患である。唯一示唆されている危険因子はジエチルスチルベストロール(diethylstilbestrol、以下DESと略す)および関連する非ステロイド剤の子宮内曝露であるが、本邦ではこれらの薬剤が臨床的に使用されておらず、報告例がなく発症機序は不明である。また、その予後は不良とされており、術後補助療法については確立されていないのが現状である。我々は2003年から2017年の間に子宮頸部明細胞癌を2例経験したので報告する。症例1:52歳、3経妊3経産、既往歴は特記すべき事項なし、DESの暴露歴なし。FIGO IB1期の診断で広汎子宮全摘出術および両側付属器切除術を施行した。術後病理では子宮頸部に発生した多発子宮筋腫の表層を覆うように腫瘍を認めた。再発リスク因子を認めなかったため術後補助療法は施行しなかった。現在術後9年を経過したが再発所見なく無病生存中である。症例2:29歳、0経妊0経産、既往歴は特記すべき事項なし、DES暴露歴なし。FIGO IB1期の診断で準広汎子宮全摘出術および右付属器摘出術を施行し左卵巣は温存した。再発リスク因子を認めなかったことから術後補助療法を施行せず経過観察を行い、現在術後4年を経過したが再発なく無病生存中である。子宮頸部明細胞癌の2例を経験した。予後不良とされる中でも術後再発リスク因子を検討し、症例を選択すれば術後補助療法を施行せずとも慎重な経過観察で対応が可能であることが示唆された。(著者抄録)
  • 関谷 隆夫, 野田 佳照, 藤井 多久磨
    周産期医学 47(11) 1433-1442 2017年11月  最終著者
  • 野田 佳照, 廣田 穰, 秋田 絵理, 大脇 晶子, 宮崎 純, 河合 智之, 坂部 慶子, 伊藤 真友子, 大谷 清香, 藤井 多久磨, 小川 千紗, 酒向 隆博
    東海産婦人科内視鏡手術研究会雑誌 5 53-60 2017年10月  
    通常の手技では癒着剥離が困難な高度ダグラス窩癒着20例に対しThree-step total laparoscopic hysterectomy(Tree-step TLH)を施行し、手術成績を検討した。その結果、標準術式であるTwo-step TLH 322例と比較すると、手術時間の延長、出血量の増加を認めたが、Tree-step TLHによる尿管損傷や腸管損傷などは認めず、同種血輸血を要した例もなかった。術中の後腹膜操作に関しては、尿管剥離操作が必要であったものは1例のみであった。術後合併症として術後4日目に腸閉塞を1例で認めたが、保存的治療のみで軽快が得られた。また、退院後の長期予後は全例が良好であった。

書籍等出版物

 50

講演・口頭発表等

 790

Works(作品等)

 1

共同研究・競争的資金等の研究課題

 13

産業財産権

 4

社会貢献活動

 3

メディア報道

 1
  • American Association for the Advancement of Science (AAAS) EurekAlert! https://www.eurekalert.org/news-releases/1053401 2024年8月 インターネットメディア
    Press release introducing the peer-reviewed paper (doi: 10.1111/cas.16214) https://www.eurekalert.org/news-releases/1053401 Reference source: Fujita Health University (https://www.fujita-hu.ac.jp/en/news/kka9ar0000002gqe.html )

その他

 1
  • miRNAの発現レベルを利用した婦人科がんの診断技術(関連知財あり、日本特許出願済)) 本研究シーズに関する産学共同研究の問い合わせは藤田医科大学産学連携推進センター(fuji-san@fujita-hu.ac.jp)まで。