内野 富弥, 鹿野 りえ, 加藤 大介, 竹村 直行, 小山 秀一, 小林 圀仁, 左向 敏紀, 本好 茂一, 福田 久夫, 勝間田 武司, 斉藤 康夫
動物の循環器 20(20) 40-57 1987年
著者らは先に503FB型自動解析心電計を実験動物用として開発した。今回はそれと同様の機能をもつ一素子心電計を作製し犬の自動診断プログラムを組み込むだ自動診断心電計を開発した。そしてその診断精度について検討した。<BR>開発した心電計は,501AXD型(フクダエム・イー工業製)自動診断心電計,診断プログラムは著者らの作成した自動解析診断基準を使用した。<BR>供試犬は何らかの心臓異常が疑えたもの200例を使用し,自動心動計の診断結果と人によるそれを比較した。<BR>200例の診断精度について検討した結果,心室肥大,軸偏位,心房負荷,両室肥大,ST・T異常,低電位,QT延長などについては,満足する結果をえた。しかし不整脈では,洞性不整脈,A-Vブロック,心室性頻拍の診断率が低くかったが,平均診断率は85.8%であった。