牛島 仁, 吉岡 裕樹, 江崎 律子, ほか4名
The Journal of reproduction and development 50(4) 481-486 2004年8月
ブタ桑実胚のガラス化法の開発を目的に、冷却速度が異なる3種類のガラス化法を比較した(実験1)。また、胚の細胞質内脂肪顆粒除去処理がガラス化保存後の生存性に及ぼす影響を調べた(実験2)。実験1では、0.25mlプラスチックストロー(S)法、ゲルローディングチップ(GL)法ならびにクライオトップによる最少容量冷却(MVC)法を用いて桑実胚をガラス化保存後、シュクロース液を用いて段階的に耐凍剤を除去した。実験2では、7.5μg/mlサイトカラシンB液に浸漬した胚を12000×gで20分間の遠心分離することにより、細胞質内脂肪顆粒を局在化させ、顕微操作によってこれらの脂肪顆粒を除去した。これらの脂肪除去胚、無処置の桑実胚ならびに胚盤胞をMVC法でガラス化保存した。ガラス化保存胚の加温後の胚盤胞への発生率は、S法が20%(6/30)、GL法が39%(18/46)、MVC法が60%(26/43)であった。脂肪除去処置により、ガラス化桑実胚の加温後の生存性(95%、35/37)は、無処置のガラス化桑実胚(24/42、57%、P