基本情報
- 所属
- 日本獣医生命科学大学 獣医学部獣医保健看護学科 講師
- 学位
- 博士(農学)(岩手大学大学院連合農学研究科)
- J-GLOBAL ID
- 201801011090225030
- researchmap会員ID
- B000292303
研究分野
4経歴
3-
2021年7月 - 現在
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2018年4月 - 2021年6月
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2016年4月 - 2018年3月
学歴
2-
2013年4月 - 2016年3月
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2007年4月 - 2013年3月
委員歴
6-
2019年4月 - 現在
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2019年4月 - 現在
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2018年 - 現在
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2018年 - 2023年12月
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2013年 - 2020年4月
受賞
3論文
32-
Journal of Zoology 2024年8月30日 査読有り筆頭著者責任著者Abstract Hair hormone analysis has received increasing attention in the fields of wildlife management and conservation over the last decade. However, few studies focused on sex steroid hormones, even though hair sex steroid hormone analysis has the potential to provide information on an individual's reproductive health, leading to a better understanding of animal reproductive biology and the assessment of individual and population health. Here, we tested the assay validation and examined whether hair progesterone concentration (HPC) differs between different sexes and age classes in the Asian black bear, Ursus thibetanus. We also investigated the effects of reproductive condition, age, and body condition index (BCI) on HPC to determine the utility of hair progesterone analysis in bears. The assay validation was reported in our study. We found a significantly higher HPC in adult females than in juvenile females and juvenile and adult males. In addition, we found no effects of age and BCI on HPC but a significant positive effect of reproductive condition, as the HPC in breeding adult females was significantly higher than in nonbreeding adult females. These results suggest that hair progesterone analysis has the potential to evaluate the reproductive condition of Asian black bears.
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Conservation Genetics 2024年8月13日 査読有りAbstract Human activities often induce maladaptive effects in urban wildlife, such as increased inbreeding and decreased gene flow, consequently leading to a loss of biodiversity. Although maladaptive effects are commonly reported in urban wildlife, some wildlife species are not affected. Understanding the conditions and factors that affect the genetic structure of wildlife is crucial for its conservation in urban environments. Eurasian red squirrels Sciurus vulgaris in Obihiro City, Hokkaido, Japan, have settled in large residential lots with a high risk of vehicle collisions for approximately 30 years, raising the possibility that the urban population would be genetically isolated from nearby rural populations and may experience a rapid decrease in genetic diversity. In this study, we analysed the population structure, genetic distance, and nucleotide diversity of squirrels in the Obihiro area using genome-wide single nucleotide polymorphisms (SNPs). Principal component analysis and ADMIXTURE showed that urban and rural squirrel populations formed distinct clusters with intermediate urban and rural boundary populations. Genetic distances between the urban populations were greater than that of other pairs. Nucleotide diversities were lower in urban populations than in other populations, suggesting limited gene flow between urban and other populations, possibly due to urbanisation. The change in the genetic characteristics of urban squirrel populations during this short period demonstrates the strong impact of urbanisation. Our findings suggest that a genome-wide approach to the genetic structure of wildlife contributes to its conservation in urban environments.
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Rapid Communications in Mass Spectrometry 2024年 査読有り責任著者
MISC
11-
霊長類研究 Supplement 29 112 2013年餌動物の捕食者認識能力は,彼らが持つ生態的特徴によって様々に変化する.本研究ではこれまで研究されてこなかった夜行性,樹上性および滑空性という生態的特徴を持つタイリクモモンガ Pteromys volansの捕食者認識能力を,視覚と聴覚に注目して調べた.捕食者の存在が本種の出巣に要する時間を変化させると考え,33個のねぐらで以下の 5実験を行い,出巣に要する時間の変化を調べた.1) 視覚実験: 本種の営巣樹洞木から約1m の距離に,捕食者であるフクロウの剥製を置いた ( N=19)2)視覚実験対照区 : フクロウの剥製の代わりにプラスチックケースを同様の方法で置いた ( N=7).3)聴.覚実験 : 本種が巣から顔を出した際にフクロウの声を聞かせた ( N=18).4)聴覚実験対照区 : フクロウの声の代わりに本調査地に普通に生息するカッコウの声を同様の方法で聞かせた ( N=7)5) 通常行動 : 剥製やプラスチックケースを置かず,いずれの声も聴かせなかった ( N=22).出巣に要し.た時間に影響を与える要因を調べるために,一般線形混合モデルよって解析し,多重比較検定によって群間の差をみた.その結果,本種が出巣に要した時間は,フクロウの声を聞かせた時 (平均 1446秒)に,他の実験に比べて長くなった.それに対し,通常行動 (55秒),カッコウの声を聞かせた時 (275秒),フクロウの剥製(58秒)やプラスチックケース (108秒)を置いた時の 4実験の間で時間に違いはみられなかった.つまり本種は聴覚によって捕食者認識を行い,捕食者と非捕食者の区別も可能であった.それに対し,視覚はほとんど役立っていないことがわかった.本種の様な滑空性リスは樹上性リスから進化し,現存する樹上性リスは視覚および聴覚の両方で捕食者を認識できる.夜行性になったことや滑空能力の獲得に必要な立体視に伴って視野が狭くなったことが,滑空性哺乳類の視覚による捕食者認識能力を低下させるのかもしれない.
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霊長類研究 Supplement 29 214 2013年哺乳類のいくつかの種は複数の巣を持ち,しばしば他の巣へ移動する.巣移動の理由の 1つとして,巣内の外部寄生虫の増加が原因といわれているが,捕食者に巣の位置が見つかることも巣移動の理由として考えられる.そこで,本研究では複数の巣を持つことが知られているタイリクモモンガ Pteromys volans について,巣移動に対する捕食者の影響を調べた.捕食者の存在によって本種が巣を移動するか検証するために 32個のねぐらで以下の 4実験を行い,本種の巣移動の頻度を調べた.1)本種の営巣樹洞木から約 1mの距離に,捕食者であるフクロウの剥製を置いた ( N=19).2)本種が巣から顔を出した時にフクロウの剥製を飛ばし樹洞木に衝突させた ( N=7).3)本種が巣から顔を出した時にフクロウの声を聞かせた ( N=18).4)対照区として剥製を置かず,剥製を飛ばさず,声も聞かせなかった ( N=22)それぞれの引っ越し頻度は,1)フクロウの剥製を設置した場合は10.5% (2/19)2)剥製を衝突させた場合.は71.4% (5/7)3)声を聞かせた場合は22.2% (4/18),4)対照区は18.2% (4/22),となった.このことから,フクロウの剥,製を営巣木に衝突させるとタイリクモモンガが巣を移動する割合が高くなるといえる.つまり捕食者が巣に気づき,襲ってきたときに本種は巣を移動するのだろう.したがって複数の巣を持つことは,捕食者を回避する手段の1つになるだろう.
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霊長類研究 Supplement 29 199 2013年気温が低い冬季にひとつの巣場所に複数の個体が営巣する集団営巣という行動はタイリクモモンガ Pteromys volansやアメリカハタネズミ Microtus pennsylvanicusといった齧歯類の仲間で知られている.これまでヒメネズミ Apodemus argenteusも巣箱で 3頭から 9頭の集団営巣が観察されているが,その詳しい生態は調べられていない.また,タイリクモモンガとヒメネズミは両種とも樹洞を繁殖や休息の場として利用する.しかし樹洞は数少ない資源であるため,これら 2種間で樹洞をめぐる競合が生じる可能性がある.本発表ではヒメネズミの集団営巣とタイリクモモンガとの樹洞を介した干渉について,ビデオカメラによる撮影で確認した事例を報告する.2013年 4月上旬に北海道十勝地方にある6林分(合計 26.3 ha)でヒメネズミの営巣が 3個の樹洞で確認された.それらの樹洞ではそれぞれ,10頭と 5頭の集団営巣と単独営巣が確認された.ヒメネズミの出巣開始時刻は平均で日没後 53分だった.出巣開始時刻が最も早いもので日没前 4分,もっとも遅いもので日没後 93分だった.統計解析の結果,集団営巣を行っている樹洞では,遅くに出巣する個体のほうが出巣前に顔を出して外の様子をうかがっている時間が長かった.出巣順番が臆病さや慎重さに関わっているのかもしれない.4月の間は出巣開始時刻は日没時刻が遅くなるのに同調して遅くなっていたが,5月以降はその傾向が弱まり出巣開始時刻が日没時刻に近づく傾向が見られた.本発表では,さらに出巣開始時刻に関わる環境要因について調べた内容を報告する.また,ヒメネズミが営巣している樹洞を 47回観察した結果,タイリクモモンガによる樹洞への接近が 13回,そのうち樹洞を覗き込む様子が 8回観察された.しかし撮影時間内では樹洞の中に入り込んでヒメネズミを追い出す直接的な排除行動は観察されなかった.
書籍等出版物
3講演・口頭発表等
45-
International Society of Wildlife Endocrinology 8th Conference 2023年10月
担当経験のある科目(授業)
10共同研究・競争的資金等の研究課題
2-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 2021年4月 - 2026年3月
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 2021年4月 - 2025年3月
学術貢献活動
1メディア報道
3その他
5-
General and Comparative Endocrinology, Basic and Applied Ecology, Urban Ecosystems, Journal of Ethology, Mammal Study, 日本野生動物医学会誌、哺乳類科学