幸田 美沙, 井上 加寿子, Kohda Misa, Inoue Kazuko, コウダ ミサ, イノウエ カズコ
大阪大学高等教育研究 = Osaka University higher education studies (8) 41-50 2020年
教育実践レポート本稿では,教育環境をめぐる変化を背景に,高等教育における映画を活用した英語科目の授業実践に着目し,1 ~2年次必修の英語科目を2例取り上げ,実践的な英語運用能力の育成の試みについて報告する.実践報告を通し明らかにする特徴は,次の3点である.1点目に,映画の授業への活用は,学生の学部・学科や関心に合わせて,学習のターゲットを絞って授業をデザインできるという点,2点目に,映画の映像を通しオーセンティックな英語にふれることで,多様性理解や文化的背景の学びにつなげることが可能であるという点,3点目に,そこからさらに応用し,英語の発音・アクセントの導入教材として活用する等の専門的な学習へ発展させることも可能であるという点である.そして,英語教育における映画の応用可能性を指摘し,映画を活用した実践的な英語運用能力の育成へ向けた今後の課題と展望を述べる.