研究者業績

長谷 あゆす

Ayusu Hase

基本情報

所属
大阪樟蔭女子大学 学芸学部国文学科 准教授
学位
博士(文学)(関西大学大学院)

J-GLOBAL ID
201901017111131690
researchmap会員ID
B000354487

受賞

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論文

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  • 長谷あゆす
    国文学 (102) 101-108 2018年3月  査読有り
    西鶴作『好色一代女』巻三の二は、一代女が武家に奉公する話である。先学では本話に武家の内情暴露的性質があると言及するものが多い。しかし、その文中には巻三の四と同様『源氏物語』若菜巻をパロディにした設定が散見し、その翻案にも見るべきところが多い。本稿ではその点について具体的に検証を行い、当該章が「現実世界の武家」のみならず、『源氏物語』世界との繋がりにおいても深い興趣を見出せる構造になっていることを明らかにした。
  • 長谷あゆす
    国語国文 84(10) 19-37 2015年10月  査読有り
    西鶴作『好色一代女』巻三の四は一代女が武家の奥方からいじめを受け、その復讐として猫を用いて奥方の薄毛を暴露する話である。先学によれば、この「猫」は『源氏物語』若菜巻に着想を得たものというが、典拠を詳細に見ていくと、若菜巻をふまえた趣向が他にも多数あったことが判明する。本稿では、当該章に隠された構想を若菜巻との関係に着目して読み解き、西鶴が『好色一代男』で用いた『源氏物語』の翻案手法を『一代女』でさらに発展させていることを明らかにした。
  • 長谷あゆす
    国語国文 81(7) 40-54 2012年7月  査読有り
    西鶴作『懐硯』巻五の三については、江戸で発生した「水野だまし討ち事件」が典拠であることが既に指摘されている。しかし、『池田家履歴略記』の調査により、備前岡山で発生した別の「水野だまし討ち事件」までもが素材とされていたことが明らかとなった。本稿では、2つの事件がどのように翻案されているかを考察し、その結果、西鶴が「勇敢な孝行娘」の姿を描き出す背景に凄惨な事件の「凶悪性」を透かし見せ、「仁政」を謳う幕府や岡山藩への風刺を意図していたとの解釈を示した。<br /> <br /> ※平成22年度科学研究費補助金(特別研究員奨励費「井原西鶴の浮世草子と大名家の諸伝に関する研究―岡山藩とのかかわりを軸に―」:課題番号21・6392)の成果として発表。
  • 長谷あゆす
    国語国文 79(8) 1-10 2010年8月  査読有り
    半井金陵作『世間化物質気』から歌舞伎の女形を主人公とする巻三の二を取り上げ、そのモデルが初代尾上菊五郎であること、作中には初代菊吾郎の当り狂言を下敷きとした趣向が多数存在することを指摘した。また、それをもとに劇界の情報がどのようにストーリー構築に関わっていたのかを解明し、金陵が後年に執筆する『当世芝居気質』と本作の関係性についても言及した。<br /> <br /> ※平成21年度科学研究費補助金(特別研究員奨励費「井原西鶴の浮世草子と大名家の諸伝に関する研究―岡山藩とのかかわりを軸に―」:課題番号21・6392)の成果として発表。
  • 長谷あゆす
    歌舞伎―研究と批評― 39(39) 59-82 2007年11月  査読有り
    半井金陵作『当世芝居気質』から歌舞伎の立役を主人公とする巻三の二を取り上げ、そのモデルが初代中村十蔵(中村吉右衛門)であること、作中には初代十蔵の当り狂言を下敷きとした趣向が多数存在することを指摘した。また、作者金陵が浮世草子作者のみならず歌舞伎作者としても活動していたことをふまえ、劇界における交流圏についても着目しながら本話の創作方法を明らかにした。<br /> <br /> ※平成18年度科学研究費補助金〈奨励研究「歌舞伎役者初世中村十蔵の研究―浮世草子と役者のかかわりを軸に―」:課題番号18902019)の成果として発表。

書籍等出版物

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  • 日本近世文學會 (担当:分担執筆, 範囲:第二部 研究のバックヤード「篠原進氏に聞く 入念な調査と独自の推論で導く「答え」 西鶴の創意工夫をどう解き明かすのか」(pp. 143-150))
    文学通信 2023年11月 (ISBN: 9784867660256)
  • 近衞, 典子, 福田, 安典, 宮本, 祐規子 (担当:分担執筆, 範囲:第一章第一節「3 子猫の命を救った犬」(pp. 25‐28)「6 その軍犬、有能につき。」(pp. 34‐36))
    ぺりかん社 2023年6月 (ISBN: 9784831516411)
  • 江戸吉原叢刊刊行会 (担当:分担執筆, 範囲:「なよせ色竹」翻刻(pp. 121-161)「なよせ色竹」解題(pp. 510-511))
    八木書店古書出版部,八木書店 (発売) 2017年8月 (ISBN: 9784840636421)
  • 長谷 あゆす
    清文堂出版 2007年9月20日 (ISBN: 4792414016)
    『西鶴名残の友』にまつわる著者の研究を集成したもの。第一部では、『名残の友』の執筆時期にまつわる通説の問題点を指摘し、作品の成立状況について新たな見解を提示した。第二部では、西鶴作品の中で「最も低調な部類に属する」とされてきた諸編に、実は俳諧師西鶴ならではの巧妙な趣向が隠されていたことを明らかにした。その考察結果に基づき、『名残の友』に「読み解かれる咄」としての意義があることを指摘した。 ※平成19年度科学研究費補助金(研究成果公開促進費・学術図書:課題番号195025)の採択を受け出版。
  • 一日会 (担当:分担執筆, 範囲:第八書簡の翻刻・注釈(pp. 212-219)解題(pp. 264-265)※山本卓・長谷あゆすで共同執筆)
    中尾松泉堂書店 2000年3月

講演・口頭発表等

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  • 旭堂南海, 長谷あゆす
    大阪文化再発見講座 2011年3月
    「平成22年度大阪文化再発見講座 なにわ人物劇場」「大阪の偉人たち」第1回の講師として、井原西鶴の創作活動に関する講演および、上方講談師旭堂南海氏との対談を行った。
  • 長谷あゆす
    平成22年度関西大学国文学会 2010年12月
    井原西鶴作『懐硯』巻五の三に関する新たな典拠を指摘し、西鶴が類似性のある二つの事件―水野十郎左衛門の幡随院長兵衛殺害事件(江戸)と水野定之進の安宅彦一郎殺害事件(岡山)を組み合わせて話を創作していたことを明らかにした。また、西鶴が作中でそれらの事件の凶悪性を巧みに暗示し、「仁政」を謳う幕府や岡山藩への風刺を織り込んでいたことを指摘した。 ※平成22年度科学研究費補助金(特別研究員奨励費「井原西鶴の浮世草子と大名家の諸伝に関する研究―岡山藩とのかかわりを軸に―」:課題番号21・6392)の成果として発表。
  • 長谷あゆす
    平成21年度日本近世文学会秋季大会 2009年11月
    半井金陵作『世間化物質気』から美貌の女形を主人公とする巻三の二を取り上げ、主人公「佐渡島松之丞」のモデルが初代尾上菊五郎であることを指摘し、モデルの情報がどのようにストーリー構築に関わっていたのかを解明した。また、その結果をふまえ、金陵の後続作品である『当世芝居気質』における創作手法の違いについても言及した。 ※平成21年度科学研究費補助金(特別研究員奨励費「井原西鶴の浮世草子と大名家の諸伝に関する研究―岡山藩とのかかわりを軸に―」:課題番号21・6392)の成果として発表。
  • 長谷あゆす
    平成18年度歌舞伎学会秋季大会 2006年12月
    半井金陵作『当世芝居気質』から歌舞伎の立役を主人公とする巻三の二を取り上げ、主人公「長村甚蔵」が中村十蔵をモデルとしていたとの先学の指摘をふまえつつ、「老人」「理詰め」「故事引用」等のモチーフは初代(初代中村吉右衛門)、「江戸下り」は二代目を意識した設定であることを指摘した。また、作中に初代十蔵の当り狂言にもとづく趣向が多数存在していることを指摘し、金陵が劇界の情報を巧みに織り込んで本話を造形していたことを明らかにした。 ※平成18年度科学研究費補助金〈奨励研究「歌舞伎役者初世中村十蔵の研究―浮世草子と役者のかかわりを軸に―」:課題番号18902019)の成果として発表。
  • 長谷あゆす
    平成17年度日本近世文学会秋季大会 2005年11月
    『西鶴名残の友』巻四の五は西鶴と才麿が「明石御亭主」のもとを訪れ酒にちなんだ談義を交わす咄であるが、そこには明石藩主松平信之が祟りを恐れて人丸社を庇護したという情報に基づく幾多の趣向を見出すことが可能である。この点を当時の史料にもとづいて検証し「松寿軒西鶴」は〈鶴が舞う明石城に住む松平信之の寿命を祝う人物〉として、「椎本才麿」は信之が庇護した「柿本人麿」のパロディとして登場することを述べた。
  • 長谷あゆす
    平成14年度関西大学国文学会 2002年7月
    『西鶴名残の友』巻五の三に隠された俳諧的暗号を指摘し、本話の後半部に登場する幽霊咄の中に大名俳人「内藤風虎」にまつわる噂をパロディとした趣向が多数組み込まれていることを指摘した。また、西鶴が本話を創作する上で意図していた構想について論じるとともに、本話が談林俳諧における「ぬけ」の手法を応用して創作されていることを明らかにした。
  • 長谷あゆす
    平成13年度日本近世文学会秋季大会 2001年11月
    『西鶴名残の友』巻五の四、四の四における西鶴の創作手法について考察した。 『名残の友』の諸編は、日記的な描写に始まり、一話の途中から虚構性の強い咄へと進展するものが多いが、従来の研究では後半部の咄のみに着目するケースが多く、前半部に描かれる俳人たちの動向は看過されがちであった。しかし、俳人たちの伝記資料と俳諧的発想をふまえて各章を検討した結果、西鶴が俳友に関する諸情報をもとに〈咄の趣向〉を決定づけていたことが判明した。
  • 長谷あゆす
    平成12年度関西大学国文学会 2000年7月
    『西鶴名残の友』の中で西鶴と俳友の交流を描いた記事の事実性を再検討した。 これらの記事には、先学による年次推定が備わるが、そこでは「素材となった事実に改変が加えられうる」という点が考慮されておらず、事実考証に際しての誤りが散見した。そこで従来の考証を再検討し、その結果『名残の友』の諸編が元禄四年中にまとめて執筆されたとの定説が妥当性を欠くことを明らかにした。

担当経験のある科目(授業)

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Works(作品等)

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  • 2007年5月 その他
    関西大学蔵中村幸彦文庫およびその実録体小説に関する概要を解説した「関西大学図書館蔵中村幸彦文庫およびその実録について」を執筆した。また、長谷あゆす(平成17年4月~18年3月、関西大学科研費研究員)、中尾和昇(研究協力者)で中村幸彦文庫所収の実録体小説二百余点の書誌情報を整理し、目録の翻刻を行った結果をまとめ「関西大学図書館蔵中村幸彦文庫実録――書誌と目録一覧」を執筆した。 全265頁 担当箇所:「関西大学図書館蔵中村幸彦文庫およびその実録について」(p33)「関西大学図書館蔵中村幸彦文庫実録――書誌と目録一覧」(pp.34-258)を長谷あゆす、中尾和昇で共同執筆した。 監修:山本卓 分担執筆:山本卓、高橋圭一、菊池庸介、長谷あゆす、中尾和昇、本村康哲 ※平成16~18年度科学研究費補助金(基盤研究C「実録体小説の基礎的研究」:課題番号16520120)における研究成果報告書の一部。

共同研究・競争的資金等の研究課題

 3

資格・免許

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  • 件名
    高等学校教諭第一種免許状(国語科)取得
    年月日
    1998/03
    概要
     
  • 件名
    高等学校教諭専修免許状(国語科)取得
    年月日
    2000/03
    概要
     
  • 件名
    中学校教諭専修免許状(国語科)取得
    年月日
    2003/03
    概要