研究対象の範囲は、日本語の意味論・文体論・文法論にまたがっていますが、そのなかでもレトリックのメカニズムを認知言語学の手法を使って探ることがメインテーマです。一例をあげると、提喩(シネクドキー)というレトリックを研究対象にしています。「花見」では、「花」という上位カテゴリー(類)を用いて、下位カテゴリー(種)である「桜」を表していますが、このようなカテゴリーの階層間で起こる意味の変化や対象の呼び換えが提喩です。「花見」のような単純なものだけでなく、いろいろと複雑な言語現象が含まれていますので分析しがいのあるレトリックだと考えています。私のレトリック論を平易に解説したものとして『学びのエクササイズ レトリック』(ひつじ書房)という本を執筆しました。興味を持たれた方には、この小さな本を読んでいただければ嬉しく思います。
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