研究者業績

内藤 準

ナイトウ ジユン  (Jun Naito)

基本情報

所属
成蹊大学 文学部 現代社会学科 准教授
学位
修士(社会学)(東京大学)

J-GLOBAL ID
201601014620275233
researchmap会員ID
B000255125

外部リンク

論文

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  • 内藤 準
    社会学年報 48 5-18 2019年8月  招待有り
  • 内藤 準
    2015年SSM調査報告書8 意識I 205-226 2018年3月  
  • 内藤 準
    理論と方法 32(1) 64-79 2017年3月  査読有り
    <p> 社会階層研究において,社会的資源は人びとのライフチャンス,選択の自由を拡大するものだとされる.他方,社会的ネットワーク研究では,社会的サポートネットワークが行為者にとっての社会関係的資源になるとされてきた.そこで本稿では,サポートネットワークが人びとに自由を与える資源となるための条件と,社会階層との関わりを検討する.分析は「主観的自由」とサポートネットワークの指標を使用しておこなう.主観的自由は,行為者の選択の自由に関する自己評定指標であり,主観的ウェルビーイングの一つとしても解釈できる.全国調査データ(SSP2015)を用いた分析の結果,以下のことが明らかになった.①サポートネットワークは,行為者に「生き方を自由に選べる」といえる状況をもたらす資源として機能する.②しかし,サポートネットワークが自由をもたらす効果は,個人収入が少ない層では大幅に低下する.この結果は,サポートネットワークを利用するには「他者の協力」が必要であるが,他者とのサポート関係が「相互性に基づく交換」に基づくため,低収入層はそれを利用しづらいという,社会的相互行為のメカニズムによって理論的に説明できる.それゆえ,サポートネットワークが社会的排除に対する実効的な安全網となるには,社会経済的資源の適切な再分配が必要であると示唆される.</p>
  • 内藤 準, 高橋 康二, 脇田 彩
    社会と調査 = Advances in social research (13) 94-100 2014年9月  
  • 内藤 準
    人文学報 = The Journal of social sciences and humanities (482) 31-58 2014年3月  
  • 内藤 準
    人文学報 = The Journal of social sciences and humanities (482) 1-30 2014年3月  
  • 内藤 準
    社会学評論 65(3) 390-408 2014年  査読有り
    「機会の平等」は現代社会の最重要な規範的原理の1つであり, 階層研究では「完全移動」 (親子の地位の独立) として解釈されてきた. しかし近年この考え方に対しては「親子の地位の関連は平等な機会のもとで本人たちが形成した選好に基づく選択の結果でありうる」という強力な理論的批判が提示されている (個人選択説). そこで本稿では, 階層研究における機会の平等概念の理論的分析をおこない, 完全移動や結果の平等との関係を再検討する. そして, 完全移動を機会の平等の指標とする伝統的なアイデアを個人選択説の批判から救い出すことを試みる.&lt;br&gt;先行研究の検討とシンプルな理論モデルを用いた分析から以下のことが明らかになる. 第1に, 階層の再生産に関するいくつかの社会のタイプのうち, 機会が平等な社会は, 本人の地位が親の地位によってではなく本人に責任のある個人的要因によって規定されることを条件とする. 第2に, 機会の平等は完全移動を含意するが, 完全移動は「個人の責任」を考慮しないため機会の平等を含意せず, 両者はこの点で異なる. 第3に, 機会の平等を完全移動とする従来の考え方は個人選択説の批判を避けられない. だが分析対象である「社会階層」を適切に定義する分析枠組みをおけば, 選好形成に関する個人選択説の仮定が成立しなくなり批判は解除される. 最後に, 本稿の知見がもたらす今後の研究への方法論的含意と規範理論的課題への社会学的アプローチを示す.
  • 内藤 準
    人文学報 社会学 46(437) 25-58 2011年3月  
  • 内藤 準
    理論と方法 24(2) 155-175 2009年9月  
    リベラリズムの制度的秩序の基礎である「自由と責任のルール」は,われわれの社会的世界を構成する日常言語に組み込まれている.そのルールに依拠するわれわれの社会は,いかなる秩序のあり方を示すのか.本稿ではまず,リベラル・パラドクスの枠組みを応用して,自由と責任のルールおよび契約の自由からなる制度が,相互行為を規範的に秩序づける仕組みをまとめる.そのうえで,(1)リベラリズムに立脚する「近代市民社会の秩序」の基本的性格を検討する.そして,(2)貧困や格差の文脈における自由と責任のルールの意味と,いわゆる「自己責任論」の問題点を,社会の規範的な秩序形成という観点から,全国調査データの知見もふまえて検討する.分析の結果,(1)近代市民社会の秩序は人びとの十分な自由を前提とすること,その秩序は排除的な性格を持つことが明らかになる.さらに,(2)社会の規範的な秩序形成という観点からみると,拡大する貧困や格差の文脈において自己責任を理由に弱者支援や再分配政策を拒絶することが,むしろ秩序の基礎である自由と責任のルールそのものを掘り崩す可能性があることが分かる.
  • Jun Naito
    International Journal of Japanese Sociology 16(1) 80-99 2007年  査読有り
    Abstract: Individual freedom has been regarded as one of the most important criteria for a desirable society and life. Recently, the theories of liberalism and distributive justice have received increasing attention as a theoretical basis for tackling problems pertaining to socioeconomic inequality and poverty. However, few quantitative analyses focus on the meaning of freedom in the context of socioeconomic inequality and political order in an existing liberal-democratic society. In this paper, I construct a self-rated measure of freedom—the overall perceived freedom scale—and examine (1) whether socioeconomic inequality is related to inequality of freedom, (2) whether freedom is related to subjective well-being, and (3) whether freedom affects people's political attitude toward inequalities. Analyses using data from a 2005 Japanese national survey (N = 1320) reveal the following results: (1) people with higher personal income (not household income), higher education, and better health tend to perceive greater freedom, (2) people with higher perceived freedom are more likely to be satisfied with their life, and (3) individuals with higher perceived freedom are more likely to oppose the government's egalitarian policy, and their opposition is based on the liberal principle of freedom and self-responsibility. On the basis of these findings, the double-edged possibility of individual freedom and liberalism as an “enhancer” and “moderator” of socioeconomic inequalities and political conflicts is suggested. © 2007 The Author.
  • 内藤 準
    理論と方法 20(2) 211-226 2005年  査読有り
    本稿の目的は, 「パレート派リベラルの不可能性」を解消させうる「リベラルな」社会的仕組みを明らかにし, さらにその問題点を示すことである. 具体的には, 選択の自由を保証するリベラリズムの自然な含意として認められてきた「高階の判断」および「選択の責任」という考え方を組み込んで「契約の自由」を適切に再定式化すれば, 従来の解決法にはない制度としての強さを持った解決が可能なことを示す. 最後に, この「自由と責任の制度」の仕組みを社会学的に簡潔に説明し, その現実的問題点も指摘する.
  • 内藤 準
    ソシオロゴス (27) 32-53 2003年  

MISC

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書籍等出版物

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  • 内藤 準 (担当:共著, 範囲:第12章 家族と自由:交際・結婚・出産育児の社会経済的不平等)
    新曜社 2019年4月
  • 内藤 準 (担当:分担執筆, 範囲:第4章 人びとのつながりと自由:地域に埋め込まれたサポート関係がもたらす「資源」と「しがらみ」)
    勁草書房 2018年2月
  • 内藤 準 (担当:共編者(共編著者), 範囲:第9章 ジェンダー なぜ男女差別があるのか―予言の自己成就)
    朝倉書店 2014年11月
  • 内藤 準 (担当:分担執筆, 範囲:第7章 自由の規定要因とジェンダー不平等:階層測定の単位に関する論争から)
    東京大学出版会 2012年4月
  • 内藤 準 (担当:分担執筆, 範囲:第3章 Excel による社会調査データの操作・加工,第4章 1 つの質的変数を記述する:単純集計)
    オーム社 2010年7月

共同研究・競争的資金等の研究課題

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