山崎 貴之, 礒川 悌次郎, 松井 伸之, 池野 英利, 神崎 亮平
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング 2005年3月23日
実験データに基づく数理モデルを用いたシミュレーション解析は, 脳をシステムとして解析していくための有効なアプローチの一つと考えられる.この様な方法に対して, 昆虫脳は比較的簡単な構造でありながら, 様々な感覚受容と感覚情報に基づく行動制御機能を備えており, 脳における神経回路の構造およびその情報処理メカニズムの本質を解明するためのモデル動物として極めて有用と考えられる.本研究では, カイコガ触角葉の神経細胞を対象に, 共焦点レーザ顕微鏡画像から神経細胞の3次元形態モデルを再構成する手法を提案し, さらに, そのモデルを用いて電気的応答特性の解析を可能とした.これによって細胞形態の正確なトレースが可能になり, 神経細胞間の結合状態をより詳細に同定できるようになった.さらに, 神経細胞の電気的特性に関するシミュレーション解析を実施することで, 細胞の形態情報に基づく神経回路の構造に加えて, 応答のダイナミクスを考慮した解析が可能となった.