太田 英利

日本近海で採集されたアオマダラウミヘビにおける体鱗列数の変動を調べ,そのパタンについて検討した。雌では鱗列数は体の前部で1回増加し,後部で3回にわたり滅少した。これに対し雄では,体の後部で雌と共通の2回の滅少のみが見られた。これらの滅少は雌では雄に比べて,より後方で認められた。

海南島と雲南省から採集したH.garnotii-vietnamensis種群に属する標本の6形質について,お互い同志,および台湾,ハワイ,ベトナムのものとの間で比較した。その結果,海南島の標本と雲南省の標本との間には有意差はなかったが,これら2産地の標本と台湾,ハワイ,ベトナム産の標本との間には各々3,4,5形質について有意な差が認められた。海南島と雲南省の個体群の分類学的な位置づけは,核型を検討した後,行いたい。

Hemidactylus garnotii-vietnamensis種群に属すると思われるヤモリ5個体が,台湾から新たに採集された。台湾産Cosymbotus platyurusのこれまでの記載の中には今回の標本の形態的特徴とよく一致するものがあり,今回発見されたタイプのヤモリがC.platyurusと誤って同定されていたと考えられる。また,今回の標本と上述の種群に属する3種(H.garnotii,H.vietnamensis,H.karenorum)の外部形態を比較したところ,そのいずれとも異なる組み合せの形質状態を示した。従ってこれらの標本が未記載種に属する可能性もあり,核型等の確認が待たれる。

1984年10月10日,台湾の花蓮県大禹嶺(標高2,500m)でタイワンヤマカガシ,Rhabdophis tigrinus formosanusの第4番目の標本を採集し,本亜種が台湾北部にも分布することを再確認した。<br>本亜種は基亜種に比べて尾下板数の多いことが標徴とされてきたが,この形質は基亜種のそれと重複する部分があり,鑑別点としては,背面の黒斑列が5列あること(基亜種では3～4列)がより有効と考えられる。

Six species of reptiles and amphibians were collected on Hateruma Island, Ryukyu Archipelago, in March and in August 1981. They are: Microhyla ornata, Rana limnocharis, Hemidactylus frenatus, Eumeces stimpsoni, Scincella boettgeri, and Rhamphotyphlops braminus. Of these, the record of E. stimpsoni was the first one for this island. The specimens of this species, collected in March, included two yearlings both of which were already sexually mature.