中島 秀真, 満上 育久, 山添 大丈, 波部 斉, 槇原 靖, 八木 康史
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 111(379) 321-328 2012年1月12日
従来のカラー画像に対する背景差分ベースの前景領域抽出は,前景色と背景色が類似している場合や背景に変動が起こった場合に失敗するが,Kinectのように対象シーンに対するカラー画像とデプスマップを取得できるセンサを用いると,それぞれの背景差分を統合することにより,より安定に前景領域を取得できると考えられる.しかし,Kinectでは,この2種類のセンサが非同期で動作しており,前景が動物体の場合に,両者を単純に統合することができない.そこで本論文では,Kinectの二種類のセンサの撮影挙動に関する調査について報告するとともに,その結果を踏まえ,背景差分結果のモーフィングによって擬似的に同期のとれた画像を生成し,それらを統合する手法を提案する.実環境で歩行者を対象とした領域抽出を行い,提案手法の有効性を確認した.