森林の種類や管理形態が流域全体の水・物質循環にもたらす影響と,その結果としての河川の水量・水質の変化に興味があります.日本には多くの人工林が存在しますが,それらの大部分は十分な管理が行われていません.私は,そのような森林の土地利用が下流の河川の水量や栄養塩濃度の変化にどのタイミングでどのくらい寄与しているのかということを気象・水文・水質観測を基礎に,安定同位体解析や超高分解能質量分析法を用いて明らかにしていきたいと考えています.
さらに,水文学の知見やツールを森林の地下水涵養機能の評価や遠隔地域における小水力発電の持続的な運用等,地域の自立的発展に貢献できるような実践的な研究に活用していきたいと考えています.