高山良子, 徳岡良恵, 根岸 恵, 吉田智美, 笠谷美保, 岩崎多津代, 奥 朋子, 細田志衣, 田代真理, 田中結美, 吉田こずえ, 宇野さつき, 二宮由紀恵, 渡壁晃子, 成松 恵, 中 滉子
木村看護教育振興財団看護研究集録 23(23) 54-67 2016年6月
多施設間で複数のがん看護専門看護師(OCNS)が同時に前向き調査を行うことで、がん看護外来に対する社会のニーズや成果を明らかにすることを試みた。OCNS 11名から基本情報に関する回答と185件のがん看護外来の活動記録を回収した。また、患者・家族からの成果評価調査96件、多職種医療従事者からの成果評価調査71件の回答が得られた。がん看護外来では、広範ながん種、病期、治療状況にあるがん患者と家族のニーズに対応していた。また、がん看護外来を利用した患者と家族の満足度は高く、患者と家族が主体的にがんとともに生きていくことができるようにセルフケア支援を行い、患者自身がエンパワメントされていた。さらに、多職種医療従事者、特に医師からのニーズや評価が多い傾向にあることが明らかになった。進行がんや再発のリスクを抱えた患者への精神的ケアや、意思決定支援など、外来という限られた医療条件でのOCNSによる質の高い介入が期待されていた。