小橋 昌司, 澁谷 浩伸, 野村 保, 石川 智基, 上浦 尚武
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 114(311) 33-38 2014年11月
頭部MRA画像からの脳血管領域抽出は,動脈瘤検出や,脳血管構造理解のため,必要不可欠の処理である.MRA画像はMRI装置での撮影であるため,装置間,画像間でコントラストの違いが大きく,全自動化処理の妨げとなっている.そこで,本研究では,ファジィ連結度を用いた脳血管領域の自動抽出法を提案し,同手法において解析パラメータの全自動設定法を示す.すなわち,本手法では,完全に脳血管領域処理を自動化,パイプライン化することができる.実験では,磁気強度の異なる複数装置で撮影された,様々な症状を有する被験者に本手法を適用した.本手法は,磁気強度の違い,動脈瘤の有無,糖尿病,高血圧,高脂血症などの他疾患の有無に関わらず,良好に脳血管領域を自動抽出できた.