研究者業績

筒井 孝子

ツツイ タカコ  (Takako Tsutsui)

基本情報

所属
兵庫県立大学 社会科学研究科 教授
学位
教育学修士
社会学修士
工学博士
医学博士

J-GLOBAL ID
200901037401810470
researchmap会員ID
5000014353

研究キーワード

 1

論文

 207
  • 筒井 孝子, 大夛賀 政昭
    保健医療科学 72(5) 395-409 2023年12月28日  査読有り
  • 筒井 孝子, 熊岡 穣, 香取 幹
    ジェネラリスト教育コンソーシアム 19 132-144 2023年8月20日  査読有り
    本研究では,住み慣れた地域で3年間,介護サービスを利用しながら,生活を継続していた要介護高齢者に着目し,彼らが利用していたサービス(サービスの組み合わせ)と要介護状態の変化との関係を分析した.要介護度の変化としては,改善及び悪化に着目し,悪化群と改善群に特徴的なサービス(サービスの組み合わせ)モデルについて検討した.分析には,2015年6月以降に利用を開始し,2018年6月までに利用を終了した居宅の介護サービス利用者12,003名のうち,6ヵ月以上継続して,介護サービスを利用していた要介護1-4の利用者8,029名を対象とし,利用期間によって,短期利用群,長期利用群の2群に分けた.この2群別に,AIの一分野として,1980年代から研究されてきたベイジアンネットワークを用い,要介護度の変動と利用サービスの関係を示すモデルを作成した.研究の結果,要介護度の改善に資するサービスや,悪化と関連するサービスが示された.さらに,利用期間の長さによって,同一の利用サービスであっても,要介護の変動への影響が異なることが明らかにされた.ただし,本分析には,利用者の年齢,傷病の有無,手段的日常生活動作項目などの基本情報,医療サービスの種類や量,環境因子などの情報は反映されていない.このため,今後の課題としては,因果を説明できる要素を含めた分析をさらに行い,これを踏まえたモデルの構築を検討すべきと考えられた.(著者抄録)
  • 筒井 孝子
    ジェネラリスト教育コンソーシアム 19 145-155 2023年8月20日  査読有り
    COVID-19によるパンデミックは,人々の生活に大きな変化をもたらしただけでなく,自殺や孤立死,家族内のDV,虐待等といった深刻な社会問題を顕在化させた.とくに自殺や孤立死の背景には,加速化する単独世帯の増加があると考えられる.本稿では,単独世帯の増加と,これを背景とした「孤立死」や孤独に関する課題について,実証データを基に取り上げる.また日本では,孤独や孤立に関しては,データが不足していたため,実効性のある対応が不十分であったことを述べる.しかしながら,これらの課題は,血縁,地縁が希薄化した現代社会の中で必然的に発生したものであり,我々の社会は,これらの解決に際し,社会生活を送るためのスキルをRe-skillingするための新たな社会サービスを必要としていること,これを学校教育だけでなく,生活の場で学習できる環境を構築することが喫緊の課題であることを論じる.(著者抄録)
  • 筒井孝子, 松本将八
    商大論集 74(3) 231-248 2023年3月  査読有り
  • 山口崇臣, 筒井孝子
    ジェネラリスト教育コンソーシアム 18 96-101 2023年3月  
  • 筒井孝子, 松本将八
    ジェネラリスト教育コンソーシアム 18 23-31 2023年3月  
    目的:生活介護,就労継続支援B型サービスを利用していた障害者群別に,それぞれのサービス利用開始前のWHO-DAS得点と基本属性等の生活状況等の差異を明らかにすることを目的とした.方法:WHO-DAS 2.0の36項目版(代理人評価)による調査を生活介護の利用者68名,就労継続支援B型の利用者31名に実施した.また,この2種類のサービス利用者群別の基本属性,WHO-DASの得点を比較分析した.さらに,各サービス利用の有無を目的変数とし,対象者の属性及び6領域7種類のWHO-DAS領域別得点を説明変数とした多重ロジスティック回帰分析を実施した.結果:利用サービスによる性別や知的障害の有無には有意差はなかったが,生活介護の利用者群の年齢は,就労継続支援B型サービス利用群よりも30歳未満の割合が高かった.また,生活介護利用群は,特別支援学校出身者が有意に多かった.さらに,生活介護利用群は,親との同居率が高く,交際・婚姻経験がないものが多かった.障害等級は,生活介護利用群のほうが,重度(A,1級)の者が多く,障害支援区分も3以上の者が多かった.考察:WHO-DASの領域別得点は,すべての領域で生活介護利用群のほうが,就労支援B型利用群よりも有意に高く,支援を要する状態となっていた.現行の利用サービスの選定には,一定のルールがあることが示唆された.結論:WHO-DASは,ICFの中の「参加と活動」に関する生活機能を評価するアセスメントツールである.本研究の結果からは,これまで臨床的知見により決定されていたサービスを利用者の開始前のWHO-DASの得点値を利用することで当該障害者にとって,より適切なサービスを選択できる可能性が示された.(著者抄録)
  • 筒井孝子
    ジェネラリスト教育コンソーシアム 18 6-22 2023年3月  
    看護必要度による患者の評価情報は,患者が罹患している多くの疾患名からの情報ではなく,医師以外の臨床家が直観的に患者像を想定できる情報を得ることができるものとして,有用とされている.看護必要度はすでに87万床以上の病床で評価されて続けていることから,項目の一部を使い,病院から地域への情報連携に活用しようという動きも始まっている.これは,多くの地域の臨床家にとって,看護必要度による患者把握の利便性が高いことが認識されてきたことによる.本稿では,まず,看護必要度の活用にあたり,理解しておくべき基本的な考え方を述べながら,看護必要度の開発経緯から今日までの診療報酬制度における活用実態を示す.次に,多職種連携に際して提供されている疾病に係る情報に加え,看護必要度による情報を活用することで,患者にとって,より適切なケアを継続的に提供できる,新たなケアシステムを構築できる可能性があることを論じた.(著者抄録)
  • 河田 津也, 倉橋 利成, 西井 穗, 筒井 孝子
    日本臨床看護マネジメント学会誌 4 12-24 2023年2月  査読有り
    看護必要度は,主に看護師が患者評価のために使用してきた尺度であるだけでなく,多職種協働の推進に活用できる有効なマネジメントツールである.本研究では,看護師の属性及び職位別の看護必要度データの活用意向を明らかにし,この結果から,今後の研修プログラムのあり方を考察することを目的とした.方法として,一般社団法人日本臨床看護マネジメント学会が実施した「2020年度ステップアップ研修」参加者の1,975名に対し,協力が得られた1,265名のデータ(回収率64.1%)を用い,病床,職位別等の分析を行った.職位による活用意向に有意差が示されたのは,入院患者の受入れ病棟の決定,看護師の要員算定,傾斜配置,病棟の再編成・病棟の増減で,いずれも看護部長,看護師長等の看護管理者の活用意向が有意に高かった.一方,業務分析・業務改善,多職種連携,退院調整に関しては,看護管理者とスタッフレベルとの有意差は無く,どの職位でも活用意向が高いことがわかった.以上の様な活用意向が示されたことは,従来の職位に連動した看護管理だけではなく,職位に関わらず,全ての職位のマネジメントスキルを向上させる必要を示唆している.加えて,新たなテーマとして多職種連携や退院調整のスキル向上が求められていると考えられた.今後は,スタッフレベルと地域の多職種との看護必要度データの利用による連携スキルに資する教育を推進し,地域連携へ寄与することが期待されている.(著者抄録)
  • 西井 穗, 田邊 和史, 筒井 孝子
    日本臨床看護マネジメント学会誌 4 1-11 2023年  査読有り
    目的:多職種連携が看護必要度のデータを価値あるケア情報やサービスへと変化させ,有効的に利用できるかを検証することを目的とした先行研究を系統的にレビューし,看護必要度の活用に際しての課題を整理した.方法:医学中央雑誌Webを使用し2022年8月検索)「看護必要度」と「多職種」及び看護必要度の評価に関わる職種である,「理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,医師,事務職員,薬剤師,ソーシャルワーカー,介護福祉士,管理栄養士,歯科衛生士,放射線技師,検査技師,臨床工学技士,ケアマネジャー」の各職種名称を検索語として組み合わせた.結果と考察:検索の結果,解説,会議録,座談会等を扱った文献を除外すると,原著論文は57件となった.これらから看護必要度を用いた多職種連携の推進に関する研究動向として相応しいと考えられた12件をもとに,以下の知見を得た.看護必要度が診療報酬に導入された2002年当初から看護必要度と多職種に関する研究は報告されていたが,2016年の診療報酬改定を契機に看護必要度を用いた多職種連携を図るための評価システムが試行されていた.また,看護必要度は多職種において既に業務量評価,看護必要度評価における精度改善チーム医療等に活用されていた.結論:看護必要度は,これまで看護職員が主となった研究が多数,報告されてきたが,多職種が看護必要度のデータやシステムを業務に活用している事例が示されつつあることが明らかになった.(著者抄録)
  • Keiko Nakamura, Kathryn Lizbeth L Siongco, T J Robinson T Moncatar, Lourdes Marie S Tejero, Shelley Ann F De La Vega, Sheila R Bonito, Richard Javier, Takako Tsutsui, Tran Dai Tri Han, Man Thi Hue Vo, Yuri Tashiro, Saber Al-Sobaihi, Kaoruko Seino, Thang Van Vo, Fely Marilyn E Lorenzo, Carmelita C Canila
    Health research policy and systems 20(Suppl 1) 111-111 2022年11月29日  査読有り
    BACKGROUND: A growing number of older adults require complex care, but coordination among professionals to provide comprehensive and high-quality care is perceived to be inadequate. Opportunities to gain the knowledge and skills important for interprofessional collaboration in the context of geriatric care are limited, particularly for those already in the workforce. A short-term training programme in interprofessional collaboration for health and social care workers in the Philippines was designed and pilot tested. The programme was devised following a review of the literature about geriatric care education and group interviews about training needs. The objectives of this paper are to introduce the training programme and to evaluate its influence on attitudes and readiness to collaborate among participants using both quantitative and qualitative methodologies. METHODS: A total of 42 community health workers and 40 health institution workers participated in the training in July 2019. Quantitative indicators were used to evaluate attitudes towards and readiness for collaboration before and after the training. Content analysis was performed of responses to open-ended questions asking participants to evaluate the training. A convergent parallel mixed-methods design was applied to determine the patterns of similarities or differences between the quantitative and qualitative data. RESULTS: Significant improvements were seen in scores on the Attitudes Towards Health Care Teams Scale among community health (P < 0.001) and health institution (P < 0.001) staff after the training. Scenario-based case studies allowed participants to work in groups to practise collaboration across professional and institutional boundaries; the case studies fostered greater collaboration and continuity of care. Exposure to other professionals during the training led to a deeper understanding of current practices among health and social care workers. Use of the scenario-based case studies followed by task-based discussion in groups was successful in engaging care professionals to provide patient-centred care. CONCLUSIONS: This pilot test of in-service training in interprofessional collaboration in geriatric care improved community and health institution workers' attitudes towards such collaboration. A 3-day training attended by health and social care workers from diverse healthcare settings resulted in recommendations to enhance collaboration when caring for older adults in their current work settings.
  • 筒井 孝子, 東野 定律, 木下 隆志
    日本公衆衛生学会総会抄録集 81回 369-369 2022年9月  
  • 西井穂, 筒井孝子, 木下隆志
    商大ビジネスレビュー 12(2) 274-288 2022年9月  査読有り
  • 松本将八, 筒井孝子
    星陵台論集 55(1) 1-15 2022年6月  査読有り
  • 筒井 孝子, 木下 隆志
    日本公衆衛生学会総会抄録集 80回 408-408 2021年11月  
  • Takako Tsutsui
    NACIC2021 1st North American Conference on Integrated care, BOOK OF ABSTRACTS 24 2021年10月  査読有り
  • Kathryn Lizbeth L Siongco, Keiko Nakamura, Kaoruko Seino, T J Robinson T Moncatar, Lourdes Marie S Tejero, Shelley Ann F De La Vega, Sheila R Bonito, Richard Javier, Takako Tsutsui, Yuri Tashiro, Saber Al-Sobaihi, Fely Marilyn E Lorenzo, Carmelita C Canila
    International journal of environmental research and public health 18(19) 2021年9月23日  査読有り
    The objective of this study was to evaluate the efficacy of an in-service, short-term training program in improving the attitudes toward, and readiness and activities for collaboration among community health workers (CHWs) in a primary care setting in the Philippines. A randomized controlled trial was adopted dividing participants into an intervention (n = 42) and a control group (n = 39). Attitudes toward, and readiness and activities for collaboration were measured using three standardized scales before and at 6 months after the training. A significant difference (p < 0.001) was observed in the Attitudes Toward Health Care Teams Scale (ATHCTS) scores between pre- and post-test in the intervention (6.3 ± 8.3 [Mean ± SD]) and control groups (0.7 ± 8.2). Multivariate linear regression analysis showed an independent positive association between the intervention and greater improvement in the ATHCTS score (Coefficient β = 6.17; 95% CI = 0.82, 11.53; p = 0.03) at follow-up, after adjustment for age, years in current occupation, and social support role of participants. The results demonstrated the efficacy of the intervention for improving the attitudes of CHWs toward collaborative practice in the care of older adults.
  • 宮本知典, 筒井孝子, 東野定律
    経営情報イノベーション研究 9 43-53 2020年10月  査読有り
  • 伊藤雅俊, 筒井孝子, 東野定律
    経営情報イノベーション研究 9 29-41 2020年10月  査読有り
  • 西井 穗, 大夛賀 政昭, 筒井 孝子
    日本臨床看護マネジメント学会誌 1 26-34 2019年11月  
    本研究は,管理栄養士による看護必要度項目の認知や,その活用に関わる現状を明らかにし,多職種連携の推進に資する方策を検討することを目的とする.方法は,4施設の急性期病院に勤務する33名の管理栄養士を対象とし,自記式質問紙調査を実施した.この結果,25名から回答を得た(回収率は75.8%).結果は看護必要度の院内研修受講経験は,25名全員が「なし」であった.栄養に関わる業務上で看護必要度の項目やそれに関わる情報を確認したことが「ある」は15名,「ない」は10名であった.また,入院患者の栄養ケアを実践する際に「一般病棟用の重症度,医療・看護必要度Iに係る評価票」の項目を用いたことがあるかについて,その利用頻度をリッカート5点尺度で測定した.この結果,栄養ケアの実践にて活用する患者情報として,「食事摂取の介助状況」,「抗悪性腫瘍剤の有無」,「褥瘡の有無」,「放射線治療の有無」,「診療・療養上の指示が通じるか,通じないか」等が示された.これは看護必要度の情報が栄養管理業務にも利用できうる可能性を示したものと考えられた.ただし,看護必要度の情報を栄養士が利用し,多職種チームとして,院内でのケアを具体的に実践するためには,連携が進んでいない職種への看護必要度に関わる教育,研修が必要となると考えられた.(著者抄録)
  • 西井 穗, 大夛賀 政昭, 筒井 孝子
    日本臨床看護マネジメント学会誌 1 26-34 2019年11月  査読有り
  • 木下 隆志, 筒井 孝子, 東野 定律
    経営情報イノベーション研究 8 59-73 2019年10月  査読有り
    国立病院機構の目的は、 独立行政法人通則法 (1999年) によると、 「公共上の見地から確実に実施されることが必要なものであり、 民間の主体に委ねた場合には、 採算上の問題などから実施されない恐れのあるものについて、 効果的かつ効率的に事業を行うこと」 とされ、 この目的に沿った機構における運営が求められている。 これに従い、 国立病院機構は、 全体としての収益減少を改善すべく、 平成29年度中間目標の課題を地域連携の推進、 給与費、 材料費を抑制する効率性の実施などといった6つの課題をまとめ、 経営改善の目標と定めてきた。 これにより、 すでに厚生労働省は重症心身障害病床を含む、 19分野の 「政策医療」 を主とした独立行政法人 (国立病院・診療所) について政策医療機能を適切に遂行できない施設は統廃合または経営移譲対象施設として整理、 再編を推進するとした。 このような方針は、 この領域では、 すでに民間医療法人が大きな機能を果たしており、 必ずしも重症心身障害への医療は国のみが提供しなければならないとは考えられていないことを示唆している。 本研究では、 平成22年~28年度時点における財務データを用いて、 一般急性期病床を80%以上有する病院 (以下、 一般病院と略す) と重症心身障害病床を有する病院 (以下、 重症心身障害有床病院と略す) に分類し、 比較分析を行った。 その結果、 収益構造、 費用構造、 病床規模の特徴分析からは、 経常収支比率において、 一般病院は赤字であるのに対し、 重症心身障害有床病院は黒字であった。 これは、 2群間には顕著に流動資産比率の差があり、 とくに費用構造においては、 一般病院の給与費率が低く、 材料費が高い傾向にあるのに対し、 重症心身障害有床病院の給与費は高く、 材料費は低い傾向であることや、 病床規模の特徴としては、 一般病院は小規模になるほど収益率が悪くなるのに対し、 重症心身障害有床病院では、 小規模になるほど収益率が高くなるなど、 両群には財務上、 明らかに違う傾向が示された。 以上のように国立病院機構において重症心身障害病床を50%以上有する病院は、 一般急性期病床を有する病院よりも経常利益率は常に高く、 経営は安定していることがわかった。 公が担う医療の在り方は、 地域ごとに高齢化、 障害への需要、 医療及び介護資源の多寡等、 地域の実情に応じて大きく異なる。 さらに経営状況は、 単に重症心身障害病床があるからといった単純な理由によっては決定されない。 このため国立病院機構は、 経営状況だけでなく当該地域において機構病院がいかなる役割を果たすべきかを慎重に議論し、 その方向性を決定すべきと考えられた。
  • 筒井 孝子
    日本臨床看護マネジメント学会誌 1 2-2 2019年  査読有り
    本稿では,医療提供体制において,国際的に主要なテーマとなってきた「患者分類システム」に係わる国外の研究動向をレビューし,患者の価値向上のために必要とされる日本における新たな患者分類システムと,この運用にあたって求められる臨床看護マネジメントの在り方について検討することを目的とした.方法として,先行研究の探索については,主にPubMedとCinahl-databaseで患者分類に関するキーワードを用いて検索した.また,Journal of Advanced Nursing,Journal of Nursing Managementの2つのジャーナルについては,直接キーワードに係わる論文を探して補完した.研究の結果,患者分類システムは,当初の適正な看護師人員配置のみを目的とした第1世代から,現在は,サービスの経費や医療資材等のコスト管理等,多くの病院経営の要素を含めた第4世代へのシステムへと移行していることがわかった.また,日本では,看護必要度が全国レベルで導入されて10年以上が経過し,第4世代のシステム構築とその維持に必要とされる患者の病態に関する評価データを収集する仕組みや,この情報収集に関する研修訓練,提供側のモチベーションの保持は諸外国に比して,優位な状況にあることが確認された.今後は,この優位性を生かした第4世代の患者の病態分類システムを開発し,このシステムを基盤とした患者の価値を高めるための臨床看護マネジメントの手法を検討することが喫緊の課題と考えられた.
  • 松本 将八, 筒井 孝子, 大夛賀 政昭
    日本公衆衛生学会総会抄録集 77回 591-591 2018年10月  
  • 筒井孝子
    日本補綴歯科学会誌(Web) 10 108 (WEB ONLY) 2018年  
  • Masakazu Okada, Masaaki Otaga, Takako Tsutsui, Hisateru Tachimori, Shingo Kitamura, Shigekazu Higuchi, Kazuo Mishima
    PloS one 13(6) e0198123 2018年  査読有り
    BACKGROUND: The psychological care of abused children in the child protection system is an urgent issue in Japan. Child abuse has a serious impact on children's emotion and behavior, but there is virtually no evidence about how child abuse affects sleep, which is closely related to behavioral and emotional control. In this study, we sought to identify sleep habits and suspected sleep disorders among abused children and adolescents admitted to residential care facilities in Japan and to investigate their association with emotional and behavioral problems. METHODS: The study targeted 273 abused children and adolescents (age range: 4 to 15 years) who had been admitted to a residential care facility in Japan. They were assessed by physicians and other personnel at facilities with expertise in childcare and abuse. Respondents completed a brief sleep questionnaire on the incidence of problematic sleep habits and suspected sleep disorders as well as a questionnaire on emotional and behavioral issues. RESULTS: Approximately 40% of the abused children and adolescents had some sleep-related symptoms at bedtime and waking, and 19% had suspected sleep disorder. Abused children with emotional and behavioral problems had a significantly higher incidence of suspected sleep disorders than abused children without such problems, and this incidence was particularly high among those with antisocial behavior and depressive behavior. Our predictive model also showed that antisocial behavior and depressive behavior were significant predictors of suspected sleep disorders. CONCLUSION: Careful assessment and appropriate therapeutic intervention for sleep disorders are required in abused children and adolescents with emotional and behavioral problems.
  • 筒井 孝子, 大夛賀 政昭, 東野 定律
    日本公衆衛生学会総会抄録集 76回 520-520 2017年10月  
  • 大夛賀 政昭, 東野 定律, 木下 隆志, 筒井 孝子
    日本医療・病院管理学会誌 54(Suppl.) 149-149 2017年9月  
  • Yu Hatano, Masatoshi Matsumoto, Mitsuaki Okita, Kazuo Inoue, Keisuke Takeuchi, Takako Tsutsui, Shuhei Nishimura, Takuo Hayashi
    INTERNATIONAL JOURNAL OF INTEGRATED CARE 17(2) 2 2017年4月  査読有り
    Introduction: Japan has the largest percentage of elderly people in the world. In 2012 the government implemented a community-based integrated care system which provides seamless community healthcare resources for elderly people with chronic diseases and disabilities. Methods: This paper describes the challenges of establishing a community-based integrated care system in 1974 in Mitsugi, a rural town of Japan. This system has influenced the government and become the model for the nationwide system. Results: In the 1970s, Mitsugi's aging population was growing faster than Japan's, but elder care was fragmented among a variety of service sections. A community-based integrated care system evolved because of the small but aging population size and the initiative of some local leaders of medical care and politics. After the system took effect, the proportion of bedridden people and medical care costs for the elderly dropped in Mitsugi while it continued to rise everywhere else in Japan. Mitsugi's community-based integrated care system is now shaping national policy. Conclusion: Mitsugi is in the vanguard of Japan's community-based integrated care system. The case showed the community-based integrated care system can diffuse from rural to urban areas.
  • 筒井孝子
    日本リハビリテーション病院・施設協会誌 160 2017年4月  
  • 筒井孝子
    Review and Research 10 20-23 2017年3月  
  • 筒井孝子
    老年歯科医学 32(3) 330‐335(J‐STAGE) 2017年  
  • Sadanori Higashino, Takako Tsutsui, Masaaki Otaga
    INTERNATIONAL JOURNAL OF INTEGRATED CARE 17 2017年  査読有り
  • Takako Tsutsui, Sadanori Higashino, Masaaki Otaga
    INTERNATIONAL JOURNAL OF INTEGRATED CARE 17 2017年  査読有り
  • 筒井孝子, 東野定律, 大夛賀政昭
    経営と情報 29(1) 1‐10-10 2016年12月21日  査読有り
    研究目的 平成27年1月27日に策定された認知症施策推進総合戦略 (新オレンジプラン) においては、 「2. 認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供」 という項目があげられ、 「認知症の容態の変化に応じて適時・適切に切れ目なく、 そのときの容態にもっともふさわしい場所で提供される仕組みを実現する。」 と示されている。 だが、 国内の研究において、 こうした仕組みの前提となる認知症の疾患別の生活機能障害の特徴を詳細に把握するアセスメントを用いて、 その進行状況を示した知見は、 ほとんどない。 そこで、 本研究では DASC による認知症に係わる生活機能障害のアセスメント調査データを経時的に収集したデータを用いて、 認知症に係わる生活機能障害の経年変化を詳細に把握することを目的とした。 研究方法 分析にあたって、 1回目調査から4回目調査すべてにデータの有った1,096件のデータを抽出し、 4回分のデータを結合した分析ファイルを作成した。 分析対象とした1,096名の基本属性を明らかにした後、 各調査時における DASC のアセスメントおよびスコア、 そして介護サービスの使用状況について分析を行った。 DASC の各調査項目および DASC スコアを変化量については、 1回目と4回目の評価を用いて、 Wilcoxon の符号付順位和検定を実施した。 研究結果と考察 DASC スコアは調査対象全体でみると、 経時的に悪化傾向がみられた。 これを DASC 評価項目ごとにみると、 生年月日に関する記憶、 家庭外の IADL、 食事の準備、 入浴については、 6か月という調査期間においては、 変化がなかったが、 その他の見当識障害、 問題解決能力、 電話のかけ方、 薬の管理、 着替えやトイレといった ADL 能力は6カ月の間に悪化する傾向が示された。 また、 2か月ごとの DASC スコアの経年的な変化をみると、 変化なしの割合が時間が経過するごとに上昇していた。 このことから、 介入早期の方が生活機能の変化が起こりやすいことが推察された。 一方で、 属性ごとの DASC スコアの経年的な変化について、 要介護度別の変化を分析した結果、 要介護1以上は有意にスコアの上昇が見られるが、 要支援2については、 有意にスコアの減少が見られた。 これは比較的要介護度が低い高齢者においては、 居宅介護サービスを利用することで生活機能障害が改善されているものと推察された。 結論 本研究では、 2か月ごとに4回調査した DASC によるアセスメントの経年的データを用いて、 認知症に係わる生活機能障害の経年変化の状況を詳細に把握した。 この変化に介護サービスの利用状況等がどのように影響を与えたかについて等の複合的な分析は引き続き実施すべき、 今後の課題と考えられた。
  • 阪口 昌弘, 筒井 孝子, 大夛賀 政昭
    日本公衆衛生学会総会抄録集 75回 482-482 2016年10月  
  • 木下 隆志, 筒井 孝子, 東野 定律, 大夛賀 政昭
    日本公衆衛生学会総会抄録集 75回 514-514 2016年10月  
  • 大夛賀 政昭, 筒井 孝子, 東野 定律, 木下 隆志
    日本公衆衛生学会総会抄録集 75回 515-515 2016年10月  
  • 筒井 孝子, 東野 定律, 大夛賀 政昭, 木下 隆志
    日本公衆衛生学会総会抄録集 75回 518-518 2016年10月  
  • 瀧本 稚子, 筒井 孝子, 大夛賀 政昭
    日本公衆衛生学会総会抄録集 75回 600-600 2016年10月  
  • 筒井 孝子
    医療福祉経営マーケティング研究 11(1) 78-78 2016年10月  
  • 筒井孝子
    厚生の指標 63(8) 1‐8-8 2016年8月15日  査読有り
  • 筒井孝子
    社会保障研究 1(1) 129‐147-147 2016年6月25日  
  • 大夛賀 政昭, 筒井 孝子
    保健医療科学 65(2) 127-135 2016年  
    2013年8 月の社会保障制度改革国民会議の報告書に示された日本における地域包括ケアシステムは,国際的にはintegrated care理論に基づくものとして捉えられる.ここで示されるintegrated careとは,すべての人々が自立してQOLを維持しながら生活することの支援を指すが,コストのかかる急性期医療や不適切な治療に対する要求を抑制することを目的とするケア提供システムのひとつのデザインと考えられている. 前述の報告書で示された地域包括ケアシステムは,在宅等の住み慣れた地域で患者や高齢者の生活を支えるために,自助,互助だけでなく,共助としての医療や介護サービスを含んだシステムとして構築するというものであることから,integrated careに加えて,地域を基盤とするというcommunity based careをも含むものとして位置づけられるものといえる. 本稿では,国際的に示されてきたintegrated careの概念整理を通して,日本の地域包括ケアシステムの位置付けを示すと共に,この概念に基づくサービス提供モデルや機能の紹介を通して,今後の日本における医療介護連携の推進に向けた示唆を得ることを目的とした. 研究の結果,integrated careに係わる研究のレビューからは,医療介護連携は,国際的にも,いずれの先進諸国においても大きな課題であることが示された.また,日本における医療介護連携の推進には,integrated careのフレームワーク(水平/垂直,linkage/coordination/full integration)を使って,日本の各地域の特性に合致したサービス提供モデルや機能を創発していくこと,そして,その評価による検証を通した方法論の成熟が求められることが示唆された. また,日本では入院医療体制における機能分化が,今後一層進むことを鑑みると,要介護者に対する切れ目のないケアのマネジメントを実現するためには,患者の入退院の経過を踏まえたケアマネジメントプロセスを明らかにし,このマネジメント機能を強化するために,医療のみならず,地域における介護の両面を踏まえた情報共有を支援するための具体的なツールの開発や,市町村が中心となって総合的にこれらを支援する取り組みが重要となってくると考えられた.
  • 筒井 孝子
    リハビリテーション医学 53(9) 694-700 2016年  
    諸外国では,ICFを用いて,多くの社会実験や臨床適応のための研究がなされており,国際的なスタンダードとなるための過程を経つつあると言われている.しかし,このICFを用いた評価は,総コード数が膨大であることや,分類する際の評価の基準が曖昧であるという,きわめて大きな問題があることも指摘されてきた.そこで日本の政策あるいは臨床でICFを活用するためには,どのような方策が必要となるかを考察し,筆者が開発した日本語版ICFコアセットマニュアルの活用可能性とその課題を述べることを目的とした.また本稿では,多様な人々の中から特定の問題を共有する状態像をもった集団を焦点化し,これらの人々の問題解決を図ることを目的として開発されてきたツール「ICFコアセット」に着目し,2013年に日本版ICFコアセットを開発すると共に試行評価を実施した経過を述べた.研究結果からは,ICF利用における検者間信頼性は低く,現時点の状況からは日本国内での実用化を進めるのは困難であることが明らかとなった.今後,わが国で臨床実践のレベルで個別事例の評価ツールとして活用するには,ICFの正確な理解を深めるための研修が必須であると考えられる.またICFによる分類は人の機能や健康や障害の状態や,その社会的自立の状況を分類しつくすという革新的アプローチといえるが,まずはこの分類を利用した具体的なシステムが,開発されることが期待される.
  • 筒井 孝子, 東野 定律, 大夛賀 政昭
    日本公衆衛生学会総会抄録集 74回 394-394 2015年10月  
  • 大夛賀 政昭, 筒井 孝子, 木下 隆志, 東野 定律
    日本公衆衛生学会総会抄録集 74回 422-422 2015年10月  
  • 杉山 美香, 大口 達也, 宮前 史子, 鷲見 幸彦, 筒井 孝子, 粟田 主一
    老年精神医学雑誌 26(増刊II) 219-219 2015年5月  
  • 筒井 孝子, 園田 茂, 中川原 譲二, 東野 定律, 髙橋 勇二, 大夛賀 政昭
    経営と情報 : 静岡県立大学・経営情報学部研究紀要 27(2) 37-48 2015年3月  査読有り
    本研究の目的は、 保健、 医療、 介護、 看護、 福祉分野等で共通に利用するために開発されてきた国際生活機能分類 (以下、 「ICF」 という。) を日本において簡便に、 普遍的に利用できるための方策を検討することである。 この目的を達成するため、 近年、 開発されたICFのコアセットのうち一般セット (以下、 ICF一般コアセット) を日本の医療現場で初めて試行し、 これらの結果を分析し、 さらに、 この調査に関わった医師、 看護師等の専門職の臨床的知見を収集した。 \\n 研究方法は、 ICFコアセット及びこれを利用するためのマニュアルを日本語化し、 これを用いて一般急性期病院、 回復期リハ病院の医師、 看護師、 理学療法士、 作業療法士、 社会福祉士等を対象にのべ285名の患者の状態を評価した。 同時に、 すでに各病院で用いていた既存のアセスメントツールで評価した。 さらに、 5種類の専門職別の評価の結果を比較した。 \\n 研究の結果、 ICF一般コアセットの 「報酬を伴う仕事_実行状況」 項目は非該当が180名 (81.1%)、 「報酬を伴う仕事_能力」 で非該当が169名 (77.2%) と 「非該当」 が概ね8割となり、 評価項目としては妥当でないことがわかった。 \\n 一方、 ICF一般コアセットの結果と従来、 用いてきた他アセスメントツールの結果との関連性は高く、 併存的妥当性があることが示唆された。 ただし、 ICF一般コアセットの評価結果は多職種間で大きく異なり、 検者間信頼性は一致係数κ= 0.10~0.56とかなり低かった。 \\n 本研究の結果から、 ICF一般コアセットから非該当が多かった 「d 850報酬を伴う仕事能力」 を除外した6項目 (評点は9項目) は 「日本版ICFコアセット」 の雛型となるが、 現行のまま、 日本国内での実用化を進めることは困難であると考えられた。 ICF導入・普及にあたっては、 先ず、 日本の臨床状況に適合できるように評価項目を精選し、 評価項目は操作的定義や評価例の追加を行ったうえで一般化をすすめていく必要があると考えられた。

MISC

 148
  • 坂田薫, 田辺和史, 齋藤実, 筒井孝子
    ジェネラリスト教育コンソーシアム 18 118-122 2023年3月  
  • 筒井孝子, 松田晋哉
    病院 82(3) 185-191 2023年3月  
    <文献概要>科学的な研究を経て開発された看護必要度.重症度,医療・看護必要度という名称で診療報酬で評価されてからの変化とは.看護必要度の開発者である筒井氏から,本質的かつ先進的な活用方法をご紹介いただき,今後の方向性について展望する.
  • 筒井孝子
    病院 82(3) 200-205 2023年3月  
    <文献概要>はじめに:「看護必要度」と「重症度,医療・看護必要度」 看護必要度は,患者へ提供されるべき看護量の推定と,提供されている看護サービスの量的・質的評価との連動を目指し,1996(平成8)年から研究が開始された.一方,看護必要度が診療報酬の算定要件として利用された際の呼称は,「一般病棟用の重症度・看護必要度」「特定集中治療室用の重症度」「ハイケアユニット用の重症度・看護必要度」,回復期リハビリテーション病棟入院料1では「重症度・看護必要度」,回復期リハビリテーション病棟入院料2および3では「日常生活機能評価」注1であった.このように看護必要度が20年近く,患者の重症度を評価し,看護要員数を規定する役割を担ってきたことは,歴史的事実として重要と考える.また,「看護必要度」の考え方を基盤とした評価や,算定における基準は,日本の臨床データの分析結果をエビデンスとして用いていることは,大きな特徴と言える.なお,本稿における「看護必要度」は,狭義には,筆者が1997年から研究し,開発してきた看護必要度を指すが,広義には,開発された看護必要度の項目を利用した「重症度基準」「重症度,看護必要度基準」「一般病棟用の重症度・看護必要度」も含むものとする.昨今の診療報酬改定の度に話題となり,項目や評価方法が2年ごとに変更されている「重症度,医療・看護必要度」は,前述した「重症度,看護必要度」という呼称に「医療」がついたものとして,2014(平成26)年度に導入され,さらに2016(平成28)年度に侵襲性の高い治療を評価するものとしてC項目が新設され追加された.これらのC項目は,手術,検査等を評価する項目であるが,各医療系学会や団体が意見を出し,厚生労働省(厚労省)が意見をとりまとめた評価項目群であり,臨床における看護量や医療サービス量との関連性についての検証はなされていない.このことは,「重症度,医療・看護必要度」と看護必要度とが,出自は同じであるが,似て非なるものであることを示している.本稿では,前述した広義の看護必要度の開発研究の概略とその背景を説明し,次に,変容してきた患者の疾病やその病態によって,断続化されている医療システムに看護必要度がいかなる役割を果たせるかについて述べることとした.
  • 筒井孝子
    社会保険旬報 2851 28-28 2022年4月  

書籍等出版物

 85

講演・口頭発表等

 239

所属学協会

 5

共同研究・競争的資金等の研究課題

 16

学術貢献活動

 8

社会貢献活動

 39