寺尾 道治, 小橋 昌司, 畑 豊, 田中 正道, 時本 康紘, 石川 治, 今脇 節朗, 石川 誠
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 101(580) 43-48 2002年1月16日
脊椎疾患の手術療法において, 術者が脊椎神経を損傷する危険性があるため, 現在はMRやCTによる脊髄造影画像で術前に脊椎内の神経の状態を観察する.しかしこれらの画像は2次元画像で, 医師が関心領域である硬膜嚢の正確な3次元形状を認識するのは困難である.組織間の形状を術前に把握できる支援システムの開発が望まれている.そこで本研究では, 支援システムの基礎となる腰部MR画像からの硬膜嚢の自動抽出法を提案する.本抽出法は硬膜嚢の形状に関する知識からファジィ論理により硬膜嚢らしさを求める.実験では, 被験者5人(健常者4人, 疾患者1人)から得られたMR画像に対して本方法を適用し, 抽出領域の3次元表示と医師による手抽出の結果との一致度から提案法の有効性を確認した.