橋岡 亜弥, 小橋 昌司, 倉本 圭, 若田 ゆき, 安藤 久美子, 石藏 礼一, 石川 智基, 廣田 省三, 畑 豊
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 2011年1月12日 一般社団法人電子情報通信学会
脳疾患を超早期に発見・治療を行うため,新生児に対する脳疾患診断法が求められている.従来,MRI(magnetic resonance imaging)を用いた脳疾患診断法の一つとして,VBM(voxel-based morphometry)が用いられる.VBMでは頭部解剖構造を標準脳に正規化することで,統計処理により異常部位を検出する.しかし,標準脳が成人脳由来であるため,正規化法の新生児脳への適用が困難となり,VBMを新生児脳に適用できない.本研究では,新生児脳の正規化法を3種提案する.第1の提案法では新生児の個人脳を標準脳とする.第2の提案法では第1の手法に頭蓋除去を前処理として適用する.第3の提案法では複数の新生児脳を基に標準脳を構築する.実験では,14例の新生児脳(修正齢4週から4週)に対して相互情報量と,前交連(AC)と後交連(PC)の位置と,ACとPCを結ぶ線(AC-PC line)の角度を用いて精度評価を行った.実験結果より,第3の提案法を用いることで,位置誤差が約1.7mm,角度誤差が約1.6°と,従来手法と比較し有意に高精度な結果が得られた.