服部 峻, 湯本 高行, 田中 克己
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 105(172) 221-226 2005年7月7日
WWWやモバイル端末の普及に伴い, いつでも, どこからでも, 様々な種類の地域情報にアクセスすることが可能になって来た.また, 測位機能付きのモバイル端末を用いれば, ユーザの現在位置に依存した情報を取得することもできる.しかし, 実空間を特徴付ける要素として, 従来研究のように, 地理的位置だけを用いていたのでは, 地理情報データベースに登録されている地理語の粒度に限界があるため, ユーザの現在いる実空間により相応しい情報を呈示することは困難である.この問題に対して, 本研究では, 実空間内に在る展示物や建物の名称や説明, ポスターの内容, デバイスの出力情報などの実世界コンテンツが発信している情報を取得し活用することで, ユーザの現在いる実空間により相応しい情報を検索することを可能にする.本稿では, ユーザの現在いる実空間を地理語と特徴キーワードとで表現する.そして, これらの検索クエリーに対して情報がどのくらい相応しいかを測る尺度として, 情報の実空間相応度を定義し, この評価値に基づく情報ランキング手法を提案する.