小坂俊仁, 芳野純治, 乾和郎, 若林貴夫, 小林隆, 三好広尚, 服部信幸, 友松雄一郎, 山本智支, 松浦弘尚, 成田賢生, 鳥井淑敬, 森智子
日本高齢消化器病学会誌 14(2) 7-11 2012年
今回われわれは当院で経験した腸管憩室穿孔13例について検討した。内訳は男性7例、女性6例、平均年齢は65歳であった。このうち70歳以上を高齢者群(7例)、70歳未満を非高齢者群(6例)に分類し、臨床因子について比較検討した。高齢者群で有意に多かった因子は女性、free air、S状結腸穿孔、慢性疾患の合併、薬剤服用歴、便秘であった。また、NSAIDsの内服歴が高齢者で有意に多かった。併存疾患として心血管疾患が高齢者に多い傾向にあった。血液検査所見として高齢者は白血球数が4,000/μl未満の症例が多い傾向にあった。高齢者の腸管憩室穿孔症例における臨床的特徴について文献的考察を加え報告する。(著者抄録)