林 亮佑, 小林 昌義, 柳澤 力, 小林 明裕, 野田 美香, 天野 健太郎, 櫻井 祐補, 樋口 義郎, 秋田 淳年, 石田 理子, 石川 寛, 佐藤 俊充, 高味 良行, 高木 靖
血管外科 37(1) 61-67 2018年11月
腹部大動脈狭窄病変に対して、ステントグラフト脚を用いた血管内治療を2例経験したので文献的考察を加えて報告する。症例Iは79歳女性。下肢間歇性跛行と左足外側の有痛性潰瘍が認められ来院。CT検査にて腹部大動脈石灰化による高度狭窄と診断され、局所麻酔下にステントグラフト脚を留置した。術直後より症状軽快し歩行も可能となった。術後3ヵ月目には潰瘍の治癒も認めた。症例IIは74歳女性。62歳時に腹部大動脈閉塞病変に対するI型人工血管を用いた血行再建の手術歴がある。術後経過良好であったが、両下肢間歇性跛行が出現し来院。CT検査にてグラフト中枢側、末梢側吻合部の石灰化による高度狭窄を認めた。局所麻酔下にステントグラフト脚を留置し術直後より、症状の改善を認めた。(著者抄録)