著者等は,下腿に潰瘍などの皮膚病変を伴った下肢静脈瘤の不全穿通枝に対し,教室で開発した専用装置(one port system)を用いて内視鏡下筋膜下不全穿通枝遮断術(ESDP)を施行している.これまでに,皮膚病変のない症例も含め99例,125肢に対して行ったところ,肺塞栓症など重篤な合併症はなく,1肢の内視鏡下手術時間が平均22.4分と簡便な手技であった.このように,本術式は正常皮膚から内視鏡的に不全穿通枝を遮断でき,又,従来の病的皮膚に切開を加える結紮術にみられた創部合併症がなく,同程度の臨床効果が得られるため,皮膚病変を持つ下肢静脈瘤に対する標準的術式になると期待される