CHEN Hui, 柴田斉子, 加賀谷斉, 青柳陽一郎, 山岸宏江, 山岸宏江, 布施郁子, 赤堀遼子, 岩田義弘, 才藤栄一
Journal of Clinical Rehabilitation 27(8) 819‐822-822 2018年7月15日
症例は52歳男性で、右ワレンベルグ症候群と診断され、発症2週間後に誤嚥性肺炎を併発した。人工呼吸管理の後、気管切開を施行されたが、経口摂取が困難なため、発症5ヵ月後に胃瘻造設された。その後、本人が経口摂取を強く希望し、発症1年2ヵ月後に当科紹介となった。本症例の摂食嚥下障害は、咽頭への食塊送り込み不良、舌骨挙上不良、食道入口部通過不良が原因と考えられ、さらに高解像度マノメトリーと筋電図検査から食道入口部通過不良は咽頭圧低下と食道入口部の弛緩不全に起因すると推測した。保存加療では経口摂取の実現は困難と判断し、手術療法について検討した。入院71日目に喉頭挙上術(甲状軟骨舌骨下顎骨固定術)および両側輪状咽頭筋切断術を行った。術後1ヵ月で摂食嚥下障害臨床的重症度分類は4(機会誤嚥)となり自宅退院し、常食とnectar thickの経口摂取を継続した。