加賀谷 斉
日本整形外科学会雑誌 68(9) 751-762 1994年9月
対麻痺患者が治療的電気刺激で得られた筋力を,電気刺激開始時と開始後約6ヵ月に測定した。また,機能的電気刺激により,5名の対麻痺患者の起立動作を再建した。治療的電気刺激により筋断面積,CT値,筋トルク,筋力の増加が得られたが,筋力の増加は数倍であり,機能的に有用であるためには電極刺入時に徒手筋テストでP-,できればF以上の筋力が必要と考えられた麻痺後できるだけ早期からの治療的電気刺激が必要と考えられた。平行棒内起立時の動作筋電図から得た刺激パターンにより,対麻痺患者の合理的な起立動作再建が可能となったが,対麻痺患者では起立時に膝が一時屈曲し,健常人よりも上肢にかかる荷重が大きかった