加賀谷 斉, 馬場 尊, 才藤 栄一, 横山 通夫, 尾関 保則, 三串 伸哉, 岡田 澄子, 村岡 慶裕, 肥田 岳彦
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 9(2) 195-198 2005年8月
嚥下障害の中で喉頭挙上が不十分な咽頭期嚥下障害に対して機能的電気刺激による喉頭挙上再建が提唱され始めているが,舌骨上筋群のモーターポイントについて詳述した報告はみられない.われわれはオトガイ舌骨筋,顎二腹筋前腹,顎舌骨筋のモーターポイントの検索を解剖学的に行った.藤田保健衛生大学2004年度解剖学実習遺体4体の舌骨上筋群への神経筋枝が筋膜を貫通する部位と筋枝長を測定した.オトガイ舌骨筋枝が筋膜を貫通する部位は舌骨上縁から平均2.1cm頭側,正中から平均0.8cm外側であり,筋枝長は平均2.8cmであった.顎二腹筋前腹筋枝は舌骨上縁から平均2.3cm頭側,正中から平均2.2cm外側で筋膜を貫通し,筋枝長は平均2.7cmであった.顎舌骨筋枝は顎二腹筋前腹と同じ部位で筋膜を貫通し,筋枝長は平均2.2cmであった.機能的電気刺激に用いる埋め込み電極には筋内電極,筋膜上電極,神経周囲電極,神経内電極の4種類があるが,現時点では電極としては筋内電極が第一選択と思われた(著者抄録)