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理学療法学 31(Supplement 2) 215-D0429 2004年4月20日【目的】慢性呼吸不全患者の急性増悪は,入院原因の大半を占めるとされている.今回,呼吸リハビリテーション(以下,呼吸リハ)が,慢性呼吸不全患者の急性増悪時の入院回数,入院日数および入院医療費に及ぼす効果について対照群を置いて検討した.<BR>【対象と方法】対象は,平成13年1月から12月までの間に当院において加療された慢性呼吸不全患者81名で,これらの症例を呼吸リハ施行群と非施行群に分けた.呼吸リハ施行群は40例(男性38例,女性2例),非施行群が41名(男性37例,女性4例)で,平均年齢±標準偏差はそれぞれ71.1±6.39歳,73.9±8.84歳であった.年齢や呼吸機能など両群間に有意差は認めなかった.調査方法は,急性増悪をきたして入院となった事例について入院回数,入院日数およびレセプトを基に入院医療費の詳細を調べ,呼吸リハ施行群と非施行群とで比較検討した.当院の呼吸リハプログラムは,1)呼吸介助,2)呼吸練習,3)呼吸筋ストレッチ体操,4)呼吸筋トレーニング,5)上下肢の筋力トレーニング,6)歩行練習,7)ADL指導,8)患者教育で構成され,外来で行われている.2週間毎の通院で1)~7)を施行し,8)は月に1回開催し、2)~6)は家庭でも毎日実施させ,プログラムを継続させている.<BR>【結果】 急性増悪による総入院回数は24件で,呼吸リハ施行群が7件,非施行群が17件であった.呼吸リハ施行群は非施行群に比べて入院回数が有意に少なかった(P<0.05).総入院日数は呼吸リハ施行群190日,非施行群961日で,それぞれの平均±標準偏差は27.1±12.5日,56.5±73.4日とリハ施行群で入院期間が有意に短かった(P<0.05).総入院費用は呼吸リハ施行群4,684,489円,非施行群23,072,473円で,平均±標準偏差はそれぞれ669,212±469,990円,1,538,164±2,006,933円とリハ施行群で医療費が有意に低額であった(P<0.01).<BR>【考察】当院の外来呼吸リハは,慢性呼吸不全患者の急性増悪による入院回数,入院日数を減少させることが可能で,医療費節減に効果があった.慢性呼吸不全患者の急性増悪による医療費を節減するためには,まず入院を回避することが重要で,さらに入院後には入院期間を短縮させる必要がある.慢性呼吸不全患者に対する呼吸リハは,急性増悪の予防に効果があり入院を回避させることができると考えられた.また呼吸リハを施行している症例が急性増悪した場合は,入院時において呼吸リハ非施行群に比べてその症状が重症となっていないために入院日数を短縮できる可能性があると考えられた.<BR>【まとめ】慢性呼吸不全に対する呼吸リハは,急性増悪による入院回数,入院日数を減少させ,医療費節減に効果的であると考えられた.
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理学療法学 31(Supplement 2) 293-D0586 2004年4月20日【目的】呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)が慢性閉塞性肺疾患(COPD)に及ぼす効果を明確にするため対照群を置いて検討した.<BR>【対象と方法】当院呼吸器内科外来に通院中のCOPD患者のうち,呼吸リハを施行した57例を対象とした.呼吸リハを開始して12カ月の経過観察後,呼吸リハプログラムを継続して行えた44例を継続群(男性41例,女性3例),途中で脱落しリハを継続できなかった13例(男性11例,女性2例)を非継続群とした.平均年齢はそれぞれ70歳(55~84歳),71歳(62~80歳)であった.なお,2群間で年齢,身長,体重および呼吸機能に有意差は認めなかった.当院の呼吸リハプログラムは,1)呼吸介助,2)呼吸練習,3)呼吸筋ストレッチ体操,4)呼吸筋トレーニング,5)上下肢の筋力トレーニング,6)歩行練習,7)ADL指導,8)患者教育で構成されている.2週間毎の外来通院で1)~7)を施行し,8)は月に1回開催し,2)~6)は家庭でも毎日実施させ,プログラムの継続を指導している.これらのプログラム施行前と経過観察12カ月後に呼吸機能,呼吸筋力,6分間歩行距離(6MD),健康関連QOL(CRQ)の評価を行い,その変化を両群で比較した.<BR>【結果】呼吸機能の呼吸リハ前後の変化は,継続群ではVC(前2.70±0.76L,後2.91±0.74L),%VC(前88.13±21.56%,後94.08±2.41%),FVC(前2.60±0.76L,後2.76±0.76L),RV(前3.43±1.02L,後3.14±0.94L),およびRV/TLC(前55.1±11.06%,後51.06±10.29%)と全て有意な改善を認めた.非継続群の呼吸機能はいずれの項目でも有意差を認めなかった.呼吸筋力は継続群でPImax(前48.2±25.8cmH<SUB>2</SUB>O,後62.9±32.4cmH<SUB>2</SUB>O),PEmax(前79.9±30.9cmH<SUB>2</SUB>O,後97.95±36.3cmH<SUB>2</SUB>O)と有意に増加し,非継続群ではPEmax(前57.79±27.4cmH<SUB>2</SUB>O,後66.7±33.5cmH<SUB>2</SUB>O)のみ有意に増加した.6MDは継続群(前362.0±123.5m,後396.4±151.3m)のみ有意に改善した.CRQでは継続群(前95.3±21.8,後110.0±19.7),非継続群(前95.5±26.5,後109.8±21.6)と両群で有意に向上した.<BR>【考察とまとめ】当院のCOPDに対する呼吸リハプログラムは,継続群で呼吸機能,呼吸筋力,運動耐容能,およびQOLを有意に改善した.今回の結果は,呼吸機能は改善しないとする欧米の一般的な報告とは異なり,当院の呼吸リハプログラムの有用性を示唆しているものと考える.当院の呼吸リハは継続実施することで呼吸筋力,運動耐容能,QOLのほか呼吸機能の改善にも効果的であると考えられた.
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東北理学療法学 (16) 18-25 2004年3月慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者における前期高齢者(65〜75歳未満)と後期高齢者(75歳以上)の外来呼吸リハビリテーションの長期効果を検討した.対象は,外来呼吸リハプログラムを18ヵ月間継続できたCOPD患者22例(前期群14例:全例男性,平均69.5歳.後期群8例:男性7例,女性1例,平均79.6歳)で,呼吸機能等について6,12,18ヵ月で検討した.その結果,両群間では呼吸機能,胸郭拡張差,呼吸筋力,6分間歩行距離(6MWD),Borg scale,健康関連QOLのいずれの指標でも差を認めなかった.長期効果は前期群で努力性肺活量,肺活量,残気率(RV/TLC),胸郭拡張差,6MWD,最大呼気口腔内圧(PEmax)が6ヵ月目で効果を認め,18ヵ月目でも維持されていた.後期群では機能的残気量(FRC),残気量(RV),RV/TLC,PEmaxが6ヵ月目で有意に改善し,FRCとRVは12ヵ月目でも維持され,胸郭拡張差は6ヵ月目,18ヵ月目に有意な改善を認めた
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日本呼吸管理学会誌 13(2) 351-355 2003年12月慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者25症例(男性24例・女性1例,平均年齢70.2±7.6歳)を対象に外来通院での包括的呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)を6ヵ月間施行し,その前後に身体機能(呼吸機能・運動耐容能),QOLおよび心理面(抑うつ・不安感)から評価し,呼吸リハの効果について検討した.その結果,呼吸機能の一部,運動耐容能の改善によりQOLとともに抑うつ・不安感は有意に改善していた.COPD患者における抑うつ・不安感の軽減と身体機能の改善は直接的な関係は認められなかったが,不安感の軽減に疲労感の改善が深く関与していることが示唆された
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日本呼吸管理学会誌 13(2) 356-364 2003年12月外来呼吸リハビリテーション(外来呼吸リハ)を18ヵ月以上継続している60歳以上の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者25症例を対象に,改善率と長期効果について年代別に比較検討した.年代内訳は60歳代11例(全例男性,平均年齢65.8±3.4歳),70歳代10例(全例男性,73.7±2.4歳),80歳代4例(男性3例・女性1例,81.8±2.1歳)であった.年代別の改善率では80歳代でBorg scaleが外来呼吸リハ施行後6ヵ月に60歳代・70歳代よりも有意に増加した以外では,3群間で呼吸機能・胸郭拡張差・呼吸筋力・6分間歩行距離(6MD)および6MD後のHRQoLの改善率に差を認めなかった.また,長期効果では各年代とも呼吸機能・胸郭拡張差・呼吸筋力・6MDおよびHRQoLともに長期にわたり改善し,その効果を維持することができた.以上より,COPD患者に対する外来呼吸リハは年代をとわず有益であり,改善効果を維持するためには継続する必要性があると考えられた
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日本呼吸管理学会誌 12(3) 339-344 2003年3月31日<p>慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の運動耐容能に,大腿四頭筋筋力が大きく関与していることが知られている.今回,COPD患者の運動耐容能に関する因子について,Shuttle Walking Test を(SWT)用い,大腿四頭筋の最大筋力を体重で除した値である体重支持力指数(Weight-Bearing Index ; WBI)0.6以上の群および0.6未満の群に分け,検討した.その結果,WBI 0.6以上の群ではSWTと最高酸素摂取量(Peak VO<sub>2</sub>),WBI 0.6未満の群ではSWTと大腿四頭筋筋力が最も強く相関した.この結果から,COPD患者における運動処方として,WBI 0.6未満では大腿四頭筋の筋力強化,WBI 0.6以上では酸素摂取量増加を目的とした運動療法が効果的である可能性が示唆された.</p>
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日本呼吸管理学会誌 12(3) 318-325 2003年3月12例のCOPD患者を無作為に2群に分け,プロカテロールとオキシトロピウムを投与し,呼吸機能,運動耐容能,QOL,ADLに及ぼす影響について検討した.急性期の効果では,プロカテロールは,COPD患者の肺活量,1秒量および残気量を有意に改善し,オキシトロピウムは肺活量と1秒量を有意に改善した.3ヵ月間の長期効果では,プロカテロールは肺活量,1秒量,6分間歩行距離,ADLを有意に改善したが,オキシトロピウムでは有意な改善はみられなかった.β2刺激薬の定期的吸入療法は,COPD患者の呼吸機能,運動耐容能を改善し,ADLを向上させる可能性が示唆された
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日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 12(3) 318-325 2003年<p>12例のCOPD患者に対してβ<sub>2</sub>刺激薬であるプロカテロールと抗コリン薬であるオキシトロピウムを投与し,呼吸機能,運動耐容能,QOL,ADLに及ぼす影響について検討した.急性期の効果では,プロカテロールは,COPD患者の肺活量,1秒量および残気量を有意に改善し,オキシトロピウムは肺活量と1秒量を有意に改善した.3ヵ月間の長期効果では,プロカテロールは肺活量,1秒量,6分間歩行距離,ADLを有意に改善したが,オキシトロピウムでは有意な改善はみられなかった.プロカテロール,オキシトロピウムともにQOLの有意な改善はみられなかった.β<sub>2</sub>刺激薬の定期的吸入療法は,COPD患者の呼吸機能,運動耐容能を改善し,ADLを向上させる可能性が示唆された.</p>
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市立秋田総合病院医誌 12(1) 47-49 2002年12月2002年12月までの過去3年6ヵ月間に整形外科手術を施行した1559例における手術前の剃毛施行率について,半年毎の剃毛施行率・剃毛部位および術後感染率について検討した.その結果,剃毛施行率は当初の34.8%から徐々に低下し,2002年1〜6月では4.7%となっていた.剃毛部位では膝関節・足関節・下腿の順で多く,最近では膝関節・足関節および後頭部以外ではほとんど剃毛は行われなくなっていた.術後感染は12例(0.8%)で生じていたが,有意差は認められなかったが,剃毛を行わなかった群で感染率が低く,人工関節・人工骨頭置換術においても,剃毛を行わなかった群で感染率が低かった.以上のことから,整形外科手術における剃毛は原則として不要と考えられた
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市立秋田総合病院医誌 12(1) 51-56 2002年12月外来にて呼吸リハビリテーション(リハ)施行中の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者24症例(男性22例・女性2例,年齢58〜82歳・平均71歳)を対象に,呼吸機能・肺拡散能・呼吸筋力・大腿四頭筋力・運動耐容能・呼吸困難などを横断的に測定・評価して検討した.測定・評価したデータの相関行列の分析およびADLと関連する変数を定量的に探し出して重回帰分析を行った.その結果,1秒率・肺拡散能・大腿四頭筋力・運動耐容能と呼吸困難がADLを含む相関行列を構成し,有意な相関を認めた.また,重回帰分析では呼吸困難と肺拡散能がADLに最も大きく影響を与えることが明らかとなった.以上より,呼吸リハによって肺拡散能を改善させることは困難であるが,呼吸困難を減少させることは可能であり,この呼吸困難の改善がADL向上に大きな影響を与えるものと考えられた
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Progress in Medicine 22(11) 2864-2865 2002年11月肩関節周囲炎と診断され,単純X線像で明らかな骨変化の認められない患者を対象とし,理学療法にヒアルロン酸の関節腔内注射を併用し,その治療効果を検討した.理学療法にヒアルロン酸の関節腔内注射を加えた群では自・他覚所見,日常動作,関節可動域共に有意な改善が多く,中でも運動時痛,圧痛,屈曲角度,外転角度では理学療法群に比べて改善度が有意に大きかった.肩関節周囲炎に対する保存治療として,理学療法単独よりも理学療法にヒアルロン酸の関節腔内注射を加えた方が有用であることが示唆された
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リハビリテーション医学 : 日本リハビリテーション医学会誌 39(9) 535-542 2002年9月18日
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リハビリテーション医学 39(9) 535-542 2002年9月脊髄損傷の歩行再建について研究を行った.健常成人男性30例に対し短下肢装具(AFO)を用いたところ,下腿85°で底屈5°の時に下肢エネルギーの消費量が最小であり,T8完全対麻痺の29歳男性にAFOを用いた結果,円滑な歩行動作が再建できた.更に,T8完全対麻痺の30歳男性に対し,3種類のハイブリッド機能的電気刺激歩行(FES)について,30m歩行させ,歩数,所要時間,歩行速度,歩幅,歩調を測定したところ,膝フリーPrimewalk併用ハイブリッドFESがいずれの検討項目でも優れていた.以上より,完全対麻痺のハイブリッドFES歩行ではPrimewalkを併用し,膝をフリーとしてFESでコントロールし,駆動力に大腰筋,ハムストリングス,大殿筋,大腿直筋などをFESにより得られる筋力を利用する方法が有用であると考えられた.また,電気刺激に同期し電動で駆動する歩行補助装置を完全対麻痺に用いて再建歩行動作を評価したところ,歩容を崩すことなく患者との距離を一定に保つことが可能であり,安定した歩行訓練が可能となった
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日本呼吸管理学会誌 11(3) 420-423 2002年3月31日<p>呼吸リハビリテーションを施行して2ヵ月以上経過したCOPD患者に対して,運動耐容能に大きく影響を及ぼす因子について検討するため,一般生体特性(体重,身長など),スパイロメトリー,肺拡散能力,呼吸筋力,大腿四頭筋筋力などを横断的に測定し検討した.測定したデータを正規変換したうえで相関行列を分析し,6分間歩行距離と関連する変数を定量的に探し出して重回帰分析を行った結果,6分間歩行距離には大腿四頭筋の最大筋力を体重で除した体重支持力指数と肺拡散能力が大きく影響を与えることが明らかにされた.</p>
書籍等出版物
11講演・口頭発表等
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AMED外来がんリハビリテーションプログラムの開発に関する研究班講演会 2017年11月4日
共同研究・競争的資金等の研究課題
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 2024年4月 - 2027年3月
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 2023年4月 - 2026年3月
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 2023年4月 - 2026年3月
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 2022年4月 - 2025年3月
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 2022年4月 - 2025年3月
教育内容・方法の工夫(授業評価等を含む)
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件名-開始年月日2009終了年月日2014概要「リハビリテーション・介護」の講義で音声,動画を使用している.
その他教育活動上特記すべき事項
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件名-開始年月日2012終了年月日2014概要M6学生の指導を行っている