井上 明星, 濱中 訓生, 板橋 健太郎, 井本 勝治, 山崎 道夫, 坂本 力, 小山 哲朗, 中島 敦, 小河 秀郎, 布施 郁子, 田中 敏樹, 渡邊 一良, 北原 均, 井藤 隆太, 村田 喜代史, 高木 健治
公立甲賀病院紀要 15 9-14 2012年
内頸動脈無形成は0.01%にみられる稀な先天異常である。多くは無症状であるが、脳虚血による症状を呈することもある。また脳動脈瘤の合併が問題となる。今回我々は偶然に発見された内頸動脈無形成の2例を経験したので報告する。症例1は80歳代女性。主訴は意識消失。画像検査にて両側内頸動脈は起始部から欠損し、頭蓋底に両側内頸動脈管を同定できなかった。両側椎骨動脈および脳底動脈が拡張しており、側副血行路と考えられた。両側内頸動脈無形成と診断された。症例2は30歳代女性。頭痛を主訴に受診し画像検査で右内頸動脈欠損と右内頸動脈管欠損を認めた。123I-IMP脳血流シンチグラム、arterial spin labeling(ASL)にて脳血流低下を認めなかった。右内頸動脈無形成と診断された。(著者抄録)