才藤 栄一, 馬場 尊, 小野木 啓子, 武田 斉子, 水野 元実, 寺西 利生, 岩田 絵美, 稲垣 孝好, 織田 幸男
リハビリテーション医学 : 日本リハビリテーション医学会誌 40(3) 222-222 2003年3月18日
我々は下肢麻痺者における短下肢装具(AFO)の機能的意義を自由度制約機能として捉えている.その上で臨床上重要な要点を内外反抑制,可動性調整,コンパクトさと考えている.これら要点を満たすべく,下肢後面に1枚のカーボン製平板と単軸継手を有する調整機能付き後方平板支柱型AFOを開発した.1)本装具は足関節部後面に小継手が存在するだけでコンパクトさの要件を満たしていた.2)本装具,両側支柱付きAFO,シューホーンAFOにおける底屈内外反方向への偏位に対する抵抗測定結果から,本装具は両側支柱付きAFO同様の抵抗特性があり,優れた内外反抑制機能を持つと思われた.片麻痺患者1例における3次元歩行分析から立脚期の下腿の進行方向の直進性が確認できた.3)単軸関節により底背屈20度の調整機能を確保できた.4)回転軸の乖離による運動時の下腿カフ部でのずれは,下腿カフにtilt機構を付与することで解決できた.