岡田 誠, 才藤 栄一, 岩田 絵美, 水野 元実, 藤野 宏紀, 伊藤 三貴, 西尾 美和子, 余語 孝子, 伊藤 実和, 林 正康, 織田 幸男
日本義肢装具学会誌 = Bulletin of the Japanese Society of Prosthetic and Orthotic Education, Research and Development 23(4) 284-291 2007年10月1日
本研究の目的は, 調整機能付き後方平板支柱型短下肢装具 (adjustable posterior strut AFO: ASP-AFO) と従来型装具の, 歩行機能性能と外観性を比較することである. 片麻痺者7例と不全脊髄障害者3例の10例を対象にASP-AFO, 従来型装具の両装具を使用し快適平地10m歩行速度を計測した. また, ASP-AFOの主観的評価のためにアンケートを実施した. 一部症例にはトレッドミル歩行分析も行った. 歩行機能性は, 平地歩行分析, トレッドミル歩行分析ともにASP-AFOの方が良好な結果であった. 外観性は, 主観的アンケートで「外観」「歩行感」「重量感」「装着しやすさ」の項目でASP-AFOの方が良好な結果であった. これらのことから, ASP-AFOは歩行機能性能のみでなく, 外観性についても従来型装具よりも良好であるといえた. 装具は, 装具使用者にとって, 服装と同様に身体表現の一部となることから, 装具の機能性を維持しつつ, 外観もコンパクトかつシンプルにする必要があると思われる.