研究者業績

松田 文浩

マツダ フミヒロ  (matsuda fumihiro)

基本情報

所属
藤田医科大学 保健衛生学部 リハビリテーション学科 理学療法評価学 講師
学位
博士(医学)(藤田保健衛生大学)

J-GLOBAL ID
201501002032359905
researchmap会員ID
7000013050

学歴

 4

論文

 48
  • Kei Ohtsuka, Masahiko Mukaino, Junya Yamada, Matsuda Fumihiro, Hiroki Tanikawa, Kazuhiro Tsuchiyama, Toshio Teranishi, Eiichi Saitoh, Yohei Otaka
    International journal of rehabilitation research. Internationale Zeitschrift fur Rehabilitationsforschung. Revue internationale de recherches de readaptation 46(4) 316-324 2023年12月1日  
    Ankle-foot orthosis (AFO) is known to correct abnormal gait patterns and improve walking stability and speed in patients with hemiparesis. To quantify these benefits in post-stroke gait, a three-dimensional motion analysis of gait pattern was conducted. Forty patients with hemiparesis were enrolled. A three-dimensional motion analysis system was used to analyze patients' treadmill walking with/without an AFO. Outcome measures were 12 abnormal gait indices (forefoot contact, knee extensor thrust, retropulsion of the hip, flexed-knee gait, medial whip in the stance phase, circumduction gait, hip hiking, insufficient knee flexion during the swing phase, excessive lateral shifting of the trunk, contralateral vaulting, excessive hip external rotation, and posterior pelvic tilt), calculated using kinematic data and spatiotemporal indices, and the symmetry index of double-stance and single-stance time and step length. Forefoot contact (without AFO vs. with AFO: 71.0 vs. 65.8, P < 0.001), circumduction gait (65.0 vs. 57.9, P < 0.001), and contralateral vaulting (78.2 vs. 72.2, P = 0.003) were significantly reduced, whereas excessive hip external rotation (53.7 vs. 62.8, P = 0.003) significantly increased during walking with an AFO. Hip hiking (77.1 vs. 71.7) showed marginal reduction with the use of AFO ( P = 0.096). The absolute symmetry index of double-stance time (21.9 vs. 16.1, P = 0.014) significantly decreased during walking with an AFO. AFO effectively mitigates abnormal gait patterns typical of hemiparetic gait. A 3D motion analysis system with clinically oriented indices can help assess intervention efficacy for gait abnormalities.
  • Tetsuro Watari, Kei Ohtsuka, Yukari Suzuki, Fumihiro Matsuda, Soichiro Koyama, Naoki Aizu, Yoshikiyo Kanada, Hiroaki Sakurai
    Fujita medical journal 9(4) 288-294 2023年11月  
    OBJECTIVES: This study investigates how online frame-of-reference (FOR) training of raters of the objective structured clinical examination (OSCE) for physical therapy students affects assessment accuracy. METHODS: The research was conducted in a 1-month-long randomized controlled trial. PARTICIPANTS: The participants were 36 physical therapists without experience assessing clinical skills using the OSCE. The training group completed the FOR training online, which was conducted once a week in two 90-minute sessions. The control group self-studied the rubric rating chart used in the assessment. As a measure of accuracy, weighted kappa coefficients were used to check the agreement between correct score and those assessment by the participant in the OSCE. RESULTS: The scores of the training group were higher than those of the control group in both post- and follow-up assessments, showing significant differences. No significant difference was found based on the assessment time and group for the high-agreement groups. Furthermore, scores of the low-accuracy training group were higher in the post- and follow-up assessments than those in the pre-assessment, showing significant differences. CONCLUSIONS: Online FOR training of the raters of the OSCE for physical therapists improved the assessment accuracy of the raters who had low accuracy in the pre-assessment; this improvement was maintained.
  • 小桑 隆, 大塚 圭, 向野 雅彦, 土山 和大, 山田 純也, 松田 文浩, 谷川 広樹, 寺西 利生, 大高 洋平
    運動器理学療法学 3(Suppl.) O-97 2023年6月  
  • 稲森 遥, 大塚 圭, 向野 雅彦, 山田 純也, 林 弘規, 松田 文浩, 谷川 広樹, 土山 和大, 村上 涼, 才藤 栄一, 大高 洋平
    The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine 59(特別号) S110-S110 2022年5月  
  • 和田 義敬, 向野 雅彦, 小笠原 隆行, 鈴木 卓弥, 青嶋 保志, 古澤 章太郎, 松田 文浩, 大高 洋平, 才藤 栄一
    The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (特別号) S439-S439 2022年5月  

MISC

 25
  • 和田義敬, 向野雅彦, 小笠原隆行, 松田文浩, 才藤栄一, 大高洋平
    Japanese Journal of Rehabilitation Medicine 58(Autumn) 2021年  
  • 古澤章太郎, 向野雅彦, 小笠原隆行, 鈴木卓弥, 山田ゆりえ, 犬飼絢香, 松田文浩, 塚田信吾, 中島寛, 加藤正樹, 松浦広昂, 才藤栄一, 大高洋平
    Japanese Journal of Rehabilitation Medicine 57(Autumn) 2020年  
  • 村上 涼, 大塚 圭, 向野 雅彦, 山田 純也, 松田 文浩, 土山 和大, 才藤 栄一
    愛知県理学療法学会誌 31(特別号) 38-38 2019年3月  
  • 松田文浩, 大塚圭, 向野雅彦, 山田純也, 谷川広樹, 土山和大, 才藤栄一
    日本ニューロリハビリテーション学会学術集会プログラム・抄録集 10th 2019年  
  • 青嶋保志, 向野雅彦, 松浦広昴, 松田文浩, 大河内由紀, 鈴木卓弥, 山田ゆりえ, 加藤正樹, 小笠原隆行, 才藤栄一
    東海北陸理学療法学術大会誌 35th 2019年  
  • 山田 純也, 向野 雅彦, 大塚 圭, 松田 文浩, 谷川 広樹, 土山 和大, 日高 雅大, 伊東 慶, 安藤 大智, 王 裕香, 才藤 栄一
    The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine 55(特別号) 4-KP 2018年5月  
  • 谷川 広樹, 向野 雅彦, 松田 文浩, 稲垣 圭亮, 大塚 圭, 加賀谷 斉, 才藤 栄一, 金田 嘉清
    Japanese Journal of Comprehensive Rehabilitation Science 6(2015) 137-142 2016年1月  
    【目的】Hand-held dynamometerによる股関節外転筋力測定において,非測定下肢機能が測定値に与える影響を明らかにすること.【方法】健常者30名と片麻痺患者59名を対象とし,背臥位で両側股関節外転筋力を,非測定下肢を固定する方法(固定法)としない方法(非固定法)で測定した.同一法における左右および麻痺側・非麻痺側,固定法と非固定法での測定値を比較し,片麻痺患者では麻痺側筋力を従属変数,非麻痺側筋力と麻痺の程度を独立変数として重回帰分析を行った.【結果】非固定法の計測値が固定法よりも有意に小さかった.健常者では非測定下肢の固定によらず左右の相関が高かったが,片麻痺患者では非固定法において相関が低かった.重回帰分析の結果,固定法における麻痺側筋力は非麻痺側下肢機能の影響を強く受けていた.【考察】固定法では非測定下肢機能の影響を受け,測定下肢の筋力を正確に反映していないと考えられた.(著者抄録)
  • 向野 雅彦, 松田 文浩, 大塚 圭, 加賀谷 斉, 米田 千賀子, 今井 幸恵, 山村 怜子, 田中 ともみ, 河村 美穂, 八谷 カナン, 才藤 栄一
    The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine 52(Suppl.) S402-S402 2015年5月  
  • 稲垣 圭亮, 谷川 広樹, 大塚 圭, 伊藤 慎英, 松田 文浩, 山田 純也, 加賀谷 斉, 才藤 栄一
    理学療法学 42(Suppl.2) O-0338 2015年4月  
    【はじめに,目的】リハビリテーション医療において,歩行分析は歩行障害の重症度診断,治療方針の決定,治療の効果判定を行ううえで重要である。現在,臨床における主な歩行分析方法は視診である。しかし,視診による歩行分析は主観的であり,評価基準が順序尺度であるため信頼性は低い。我々は,臨床で三次元動作分析装置を用いて定量的な歩行分析をするため,トレッドミル歩行分析を行っている。これまでに分回し歩行をはじめとする脳卒中片麻痺患者に特徴的な8種類の異常歩行の定量的評価を試み,その臨床的有用性を報告した。今回は新たに外旋歩行と非麻痺側への体幹の過度な側方移動の重症度を示す指標を作成し,その妥当性を検討した。【方法】対象は,健常者44名(60.0±6.0歳)と片麻痺患者50名とした。対象の身体の計12カ所にマーカを貼付け,三次元動作分析装置KinemaTracer&lt;sup&gt;®&lt;/sup&gt;(キッセイコムテック株式会社)を用いて4台のCCDカメラを同期させ,トレッドミル歩行を60Hzで20秒間記録した。トレッドミル速度は,健常者が5.0km/h,片麻痺患者は平地快適歩行速度またはその70%とし,片麻痺患者には必要に応じて手すりと装具の使用を許可した。外旋歩行の指標は,麻痺側遊脚期における足関節マーカのX座標(側方成分)と第5中足骨骨頭マーカのX座標の差の平均値を,安静立位時の両マーカ間距離で除した値とした。非麻痺側への体幹の過度な側方移動の指標は,麻痺側後の両脚支持期~麻痺側遊脚期における,両側肩関節マーカの中点の最外側X座標と,麻痺側後の両脚支持期における両側足関節マーカの中点のX座標の平均値との差とした。片麻痺患者において,各歩行周期で異常歩行の出現頻度および程度のばらつきが大きいと考えられるため,1歩毎に指標値を算出し,その上位1/3の平均値を各対象の指標値として採用した。また,健常者の指標値の平均値±標準偏差×2を正常範囲とした。指標値の妥当性を検討するため,算出した指標値と視診による重症度判定結果を,Spearman順位相関係数を用いて比較した。視診による歩行分析は,理学療法士3名(臨床経験年数13.3±1.2年)を評価者とし,各異常歩行の定義を示して観察時期と現象の統一を図った後,片麻痺患者のトレッドミル歩行のビデオ画像を観察させ,異常歩行の重症度を5段階で判定させた。【結果】視診で異常と判定された対象の指標値は,健常者の正常範囲外に概ね存在した。また,3名の評価者の視診による重症度判定結果の中央値と指標値のSpearman順位相関係数は,外旋歩行がr&lt;sub&gt;s&lt;/sub&gt;=-0.56(p<0.01),非麻痺側への体幹の過度な側方移動がr&lt;sub&gt;s&lt;/sub&gt;=-0.74(p<0.01)であった。【考察】三次元トレッドミル歩行分析により,片麻痺患者に特徴的な異常歩行パターンである外旋歩行と非麻痺側への体幹の過度な側方移動の重症度を示す指標を作成し,その妥当性を検討した。作成した指標の妥当性を検討する場合,標準化された信頼性の高い基準と比較する必要があるが,臨床では視診による歩行分析が主流であり,また視診による歩行分析方法は標準化されていない。そこで今回,臨床経験年数が高く歩行分析に成熟した理学療法士が視診により評価した歩行分析結果と指標値を比較し,両者が概ね一致することで,作成した指標が臨床での有用性が高い指標となり得ると考えた。視診で異常と判定された対象の指標値は,正常範囲外に概ね存在し,視診による重症度判定結果の中央値と指標値の比較において有意な高い相関を認めたことより,今回作成した指標は臨床での有用性が高い指標であると考えた。本研究により,計10種類の異常歩行パターンの重症度の判定が一度の計測で可能となった。これらの指標は,明確な判断基準としても活用できるため,視診による歩行分析の精度向上にも役立つと考えられる。【理学療法学研究としての意義】現在,標準化された歩行分析方法はない。三次元動作分析装置による歩行分析は客観的であり信頼性が高いが,経済的・空間的・時間的コストの面から臨床応用されておらず,臨床では信頼性が低い視診による歩行分析が主流である。我々は信頼性が高い三次元動作分析を臨床で実施するため,三次元トレッドミル歩行分析を行っている。本研究では,一般的な機器による歩行分析で得られる時間・距離因子に加え,脳卒中片麻痺患者に特徴的な異常歩行の重症度を表す指標を作成した。これにより,一度の計測で計10種類の異常歩行パターンの重症度を判定することができ,治療への示唆や治療の効果判定につながると考えている。
  • 松田文浩, 向野雅彦, 大塚圭, 土山和大, 貝沼啓昭, 日高雅大, 加賀谷斉, 才藤栄一
    日本ニューロリハビリテーション学会学術集会プログラム・抄録集 6th 2015年  
  • 大塚 圭, 才藤 栄一, 向野 雅彦, 松田 文浩, 谷川 広樹
    臨床歩行分析研究会誌 = The Clinical Gait Analysis Forum of Japan 2(1) 11-15 2015年  
  • 本谷 竜太郎, 松田 文浩, 大塚 圭, 伊藤 慎英, 加賀谷 斉, 才藤 栄一
    臨床歩行分析研究会定例会抄録集 35回 46-47 2013年11月  
  • 篠原 史都, 伊藤 慎英, 加藤 喜隆, 宇佐見 和也, 鈴木 早帆, 松田 文浩, 尾崎 健一, 才藤 栄一
    理学療法学 40(大会特別号3) O-171 2013年5月  
  • 松田 文浩, 伊藤 慎英, 加賀谷 斉, 渡辺 章由, 加藤 洋平, 田口 勇次郎, 田辺 茂雄, 才藤 栄一
    臨床神経生理学 38(5) 327-327 2010年10月  
  • 加藤 洋平, 伊藤 慎英, 加賀谷 斉, 渡辺 章由, 松田 文浩, 田口 勇次郎, 田辺 茂雄, 才藤 栄一
    臨床神経生理学 38(5) 327-327 2010年10月  
  • 加藤 洋平, 伊藤 慎英, 加賀谷 斉, 渡辺 章由, 松田 文浩, 田口 勇次郎, 田辺 茂雄, 才藤 栄一
    理学療法学 37(Suppl.2) 588-588 2010年3月  
    【目的】&lt;BR&gt; 失調症患者の歩行能力は、一般にInternational Cooperative Ataxia Rating Scale やScale for the Assessment and Rating of Ataxia (以下:SARA)などを用いて評価されている。しかし、これらの評価は順序尺度であり、微小な変化のある運動失調の症状を正確に捉えることは困難である。そこで、我々は、トレッドミル、三次元動作解析装置、2台のCCDカメラを用いて、失調症歩行の簡便な定量的運動学的評価法を考案した。今回、この評価法の信頼性、妥当性について検討したので報告する。&lt;BR&gt;&lt;BR&gt;【方法】&lt;BR&gt; 対象は、健常成人16名 (男性9名、女性7名、年齢29±5歳、以下:健常群)と、失調症状を呈した27名 (男性20名、女性7名、年齢56±17歳、以下:失調群)とした。計測機器は、ADAL 3D Treadmill(Tecmachine社製)と三次元動作解析装置KinemaTracer(キッセイコムテック株式会社製)を用いた。計測は、トレッドミル歩行時に、後方2か所に設置したCCDカメラから、両側外果に装着したカラーマーカを撮影し、サンプリング周波数60HzにてKinemaTracerに20秒間記録した。両群ともに手すりは使用させた。速度設定は、平地快適歩行速度の70%とした。運動学的指標として、各歩行周期のinitial contact(以下:IC)時の外果マーカ位置のばらつき(指標A)と、一歩行周期の外果軌跡長のばらつき(指標B)を用いた。信頼性の検討では、再テスト法を採用し、患者群で同日に休憩を挟んで2回の計測を実施した。2施行分の両指標値の一致度を検討するために、級内相関係数(intraclass correlation 以下:ICC)を算出した。基準連関妥当性の検討では、指標A、BをSARAの歩行能力と比較した。SARAの歩行能力は0点(正常)から8点(最重度)までの9段階で、同一日に評価を行った。両指標値とSARAの相関を検討するために、有意水準5%でのSpearmanの順位相関係数を算出した。また、失調群において経時的に指標A、BとSARAを比較した。両指標値とSARAの経時的変化の相関を検討するために、有意水準5%でのSpearmanの順位相関係数を算出した。&lt;BR&gt;&lt;BR&gt;【説明と同意】&lt;BR&gt; 本研究は当大学倫理委員会の承認を得て実施した。被験者には本研究の主旨を口頭および文章にて十分に説明し、研究参加の同意を得た。&lt;BR&gt;&lt;BR&gt;【結果】&lt;BR&gt; 患者群での2施行分における両指標値のICCは、指標Aが0.92、指標Bが0.93であり、両指標ともに高値であった。両指標値とSARAの相関係数は、指標Aが0.68、指標Bが0.81であり、両指標ともに中等度から強い相関関係を認めた。両指標値とSARAの経時的変化量の相関係数は、指標Aが0.82、指標Bが0.67であり、両指標ともに中等度から強い相関関係を認めた。&lt;BR&gt;&lt;BR&gt;【考察】&lt;BR&gt; 本評価法は、2つの運動学的指標を用いることで再現性、妥当性の良い評価法であることが示唆された。指標AはIC時の接地点が前後左右に不規則に変化すること、指標Bは足部の運動軌跡が不規則で一定しないという失調症歩行の運動学的特徴をそれぞれ捉えられていると考えられた。本評価法で得られる結果は間隔尺度であるため、微小な変化を捉えられる可能性があり、従来法と比較して有用であると考えられた。今後は症例数を増やすことでどちらがより適切な指標であるか、患者の症状によって指標を使い分ける必要があるかを検討していきたいと考える。&lt;BR&gt;&lt;BR&gt;【理学療法学研究としての意義】&lt;BR&gt; 理学療法の場面に求められている科学的根拠に基づく医療(Evidence Based Medicine:EBM)の確立には、その治療効果を客観的に判定できる評価法が必要不可欠である。本研究によって信頼性、妥当性が保障された失調症歩行の定量的運動学的評価が可能となれば、運動失調に対する理学療法の訓練効果判定に活用でき、効果的な訓練方法の確立が可能となると考える。&lt;BR&gt;
  • 松田 文浩, 伊藤 慎英, 加賀谷 斉, 渡辺 章由, 加藤 洋平, 田口 勇次郎, 田辺 茂雄, 才藤 栄一
    理学療法学 37(Suppl.2) 587-587 2010年3月  
    【目的】&lt;BR&gt; 運動失調の評価には,International Cooperative Ataxia Rating Scale(ICARS),Scale for the Assessment and Rating of Ataxia(SARA)を用いることが一般的である.しかし,これらの評価スケールは順序尺度であり,評価者の主観に結果が左右される,微小な変化をとらえにくい,という欠点がある.運動失調患者の立位動揺の定量的評価としては,重心動揺計による測定があるが,これは足圧中心の動きを指標としてとらえるため,直接的に空間における身体の動揺を計測するものではない.そこで我々は,より臨床的な視点から立位動揺を定量的に評価するため,三次元動作解析装置を用いた簡便な評価法を考案した.本研究では,その信頼性と妥当性を検討することを目的とした.&lt;BR&gt;&lt;BR&gt;【方法】&lt;BR&gt; 対象は,健常者20名(年齢28±5歳,身長165±10cm)と運動失調を呈する患者25名(年齢55±17歳,身長164±9cm)とした.被験者の第7頸椎棘突起にカラーマーカ(直径18mm)を貼付して静止立位をとらせ,2台のCCDカメラを用いて後方から撮影し,三次元動作解析装置KinemaTracer(キッセイコムテック株式会社製)に記録した.サンプリング周波数は60Hz,計測時間は30秒とした.被験者には足を肩幅に開いた立位姿勢をとらせた.また,開眼し前方の目印を注視するよう指示した.計測によって得られたマーカの軌跡から,水平面上の平均速度を算出し,動揺の指標値とした.信頼性の検討には,再テスト法を採用した.健常者20名を対象とし,同日に休憩を挟んで2回計測した.一致度の指標には級内相関係数(Intraclass correlation , ICC(1,1))を用いた.妥当性の検討には,患者25名を対象とし,同日に採点したSARA立位項目(0点:正常~6点:最重度)の得点を外的基準として用いた.指標にはSpearmanの順位相関係数を用い,有意水準は5%とした.&lt;BR&gt;&lt;BR&gt;【説明と同意】&lt;BR&gt; 研究計画については,当大学倫理委員会の承認を得た.また,被験者には研究の主旨を口頭および文書で十分に説明し,参加への同意を得た.&lt;BR&gt;&lt;BR&gt;【結果】&lt;BR&gt; 健常者における動揺の指標値の級内相関係数は,ICC=0.72となり,高い一致度が得られた.SARA立位項目得点と動揺の指標値とのSpearmanの順位相関係数は0.65(p<0.05)となり,中等度の関連性が認められた.SARA立位項目得点における患者25名の内訳は,0点3名,1点5名,2点7名,3点10名であり,4~6点の者はなかった.&lt;BR&gt;&lt;BR&gt;【考察】&lt;BR&gt; 三次元動作解析装置を用いた立位動揺の定量的評価法について,健常者を対象とした検討から,計測の信頼性が示された.また,SARA立位項目との関連性から,運動失調患者に対する評価としての妥当性が確認された.しかし,対象とした患者の中には,SARA立位項目が2点あるいは3点であるにもかかわらず,0点の患者と同等の低い指標値を示す例が存在した.SARA立位項目の0~3点は,つぎ足もしくは閉足姿勢での立位保持能力を考慮して判定されるが,今回使用した動揺の指標値は,肩幅に足を開いた立位姿勢の動揺のみを表したものである.このことから,単一の立位姿勢による評価では,一部の症例において重症度の判別が困難となる可能性がある.今後は,計測時の立位条件について再度検討するとともに,指標の反応性について検証し,この評価方法を臨床での使用に耐え得る有用なものとしていきたい.&lt;BR&gt;&lt;BR&gt;【理学療法学研究としての意義】&lt;BR&gt; 我々が考案した定量的評価法により,運動失調患者の立位動揺に対する客観的な評価が可能となれば,患者の重症度や,理学療法効果についてより正確な判定が行えることとなる.このような客観的な評価方法の確立は「根拠に基づく理学療法」構築の一助になると考える.
  • 加賀谷斉, 渡辺章由, 松田文浩, 加藤洋平
    The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine 47(9) 612-614 2010年  
  • 渡辺 章由, 加賀谷 斉, 才藤 栄一, 伊藤 慎英, 松田 文浩, 加藤 洋平, 大塚 圭, 宮下 忠之
    臨床神経生理学 37(5) 354-354 2009年10月  
  • 加藤 洋平, 伊藤 慎英, 松田 文浩, 加賀谷 斉, 才藤 栄一, 田辺 茂雄, 渡辺 章由, 小野田 康孝, 田口 勇次郎
    愛知県理学療法学会誌 21(1) 40-41 2009年6月  
  • 松田 文浩, 伊藤 慎英, 加藤 洋平, 加賀谷 斉, 才藤 栄一, 田辺 茂雄, 小野田 康孝, 田口 勇次郎
    理学療法学 36(Suppl.2) 683-683 2009年3月  
    【はじめに】&lt;BR&gt; 機器を用いた身体動揺の評価では,重心動揺計で足圧中心(以下:COP)軌跡を計測する手法が一般的である.しかし,臨床的に重要である頭部や上部体幹の動きをCOP軌跡のみで評価することは困難である.そこで,我々は三次元動作解析装置を用いた立位動揺性検査手法の検討を行っている.本研究では,重心動揺計と三次元動作解析装置を用いた立位動揺性検査を行い,その有用性について検討した.&lt;BR&gt;【対象・方法】&lt;BR&gt; 対象は,健常者12名(年齢29±5歳,身長165±11cm,以下:健常群)と運動失調を呈する患者4名(年齢37±12歳,身長166±5cm,以下:患者群)とした.被験者には研究の主旨を口頭および文章にて説明し参加への同意を得た.また,研究計画については当大学倫理委員会の承認を得た.計測は,被験者を計測プレート上に裸足で起立させ重心動揺計(アニマ株式会社製G7100)を用いてCOP軌跡を20Hzで30秒間記録した.同時に,第7頸椎棘突起(以下:C7)と身長の55%の高さ(以下:55%)のマーカ(18mm)を2台のCCDカメラを用いて後方から撮影し,三次元動作解析装置KinemaTracer(キッセイコムテック株式会社製)に60Hzで30秒間記録した.条件は,健常群,患者群ともに,開眼肩幅開足,閉眼肩幅開足,開眼閉足,閉眼閉足とした.解析はCOP,C7マーカ,55%マーカそれぞれの軌跡の相関係数算出と高速フーリエ変換(以下FFT)によるパワースペクトル解析を行った.統計にはピアソンの相関係数を用い,有意水準は5%とした.&lt;BR&gt;【結果】&lt;BR&gt; 健常群と患者群の年齢,身長,体重に有意差はみられなかった.健常群ではCOP,C7マーカ,55%マーカの軌跡は開足条件における左右方向以外で強い相関を示した.FFTではCOP軌跡,C7マーカ,55%マーカ軌跡ともに2Hz以上の領域に明らかなピークを認めなかった.一方,患者群では2例においてCOP,C7マーカ,55%マーカの軌跡にそれぞれ強い相関を認めなかった(相関係数0.7未満). FFTでは1例でCOP軌跡の2Hz以上の領域にピークを認めたが,C7マーカ,55%マーカ軌跡では認めなかった. &lt;BR&gt;【考察】&lt;BR&gt; 健常群ではCOP,C7マーカ,55%マーカの軌跡は近似したが,患者群では強い相関を認めない症例がみられた.COPは微細な足部運動をとらえるのに対し,55%マーカでは股関節や下部体幹,さらにC7マーカでは頭部や上部体幹動揺の影響を受けることが原因と考えられた.今後は,計測精度を向上させるとともに,三次元動作解析装置を用いた立位動揺性検査を臨床上有用な検査法にしていきたい.
  • 日高 慶美, 鈴木 由佳理, 沢田 光思郎, 水野 元実, 西尾 美和子, 川合 麻里, 松田 文浩, 小野田 康孝, 才藤 栄一
    東海北陸理学療法学術大会誌 24回 76-76 2008年10月  
  • 伊藤 慎英, 加賀谷 斉, 才藤 栄一, 渡辺 章由, 小野田 康孝, 松田 文浩, 村岡 慶裕, 大塚 圭, 宮下 忠之
    臨床神経生理学 36(5) 592-592 2008年10月  
  • 鈴木 由佳理, 才藤 栄一, 沢田 光恵郎, 横山 通夫, 尾関 恩, 水野 元実, 西尾 美和子, 余語 孝子, 松田 文浩, 日高 慶美, 尾崎 健一
    理学療法学 35(2) 587-587 2008年4月20日  
  • 鳥居 昭久, 木山 喬博, 戸田 秀彦, 松田 文浩, 戸田 香, 山田 和政, 佐野 忍
    理学療法学 28(2) 225-225 2001年4月20日  

講演・口頭発表等

 15

共同研究・競争的資金等の研究課題

 5

教育内容・方法の工夫(授業評価等を含む)

 1
  • 件名
    -
    終了年月日
    2014/04/01
    概要
    講義科目においても,デモンストレーションや体験を踏まえ分かりやすく授業を展開する。