中井 滋, 花房 規男, 政金 生人, 谷口 正智, 濱野 高行, 庄司 哲雄, 長谷川 毅, 伊丹 儀友, 山縣 邦弘, 篠田 俊雄, 風間 順一郎, 渡邊 有三, 重松 隆, 丸林 誠二, 守田 治, 和田 篤志, 橋本 整司, 鈴木 一之, 中元 秀友, 木全 直樹, 若井 建志, 藤井 直彦, 尾形 聡, 土田 健司, 西 裕志, 井関 邦敏, 椿原 美治, 日本透析医学会統計調査委員会統計解析小委員会
日本透析医学会雑誌 47(1) 1-56 2014年1月
2012年末の統計調査は全国の4,279施設を対象に実施され, 4,238施設 (99.0%) から回答を得た. 2012年1年間の年間導入患者数は38,055人であった. 年間導入患者数は2008年以降大きな増減なく推移している. 2012年1年間に死亡した患者は30,710人であり, 2011年の死亡数30,743人よりも僅かに減少し, 透析人口は依然増加し続け, 2012年末の透析人口は310,007人と31万人を超えた. 人口百万人あたりの患者数は2,431.2人である. 2011年末から2012年末までの年間粗死亡率は10.0%であり, 2011年の粗死亡率10.2%からわずかに減少した. 透析導入症例の平均年齢は68.5歳, 透析人口全体の平均年齢は66.9歳であった. 年間導入患者腎不全原疾患では糖尿病性腎症が最も多かった (44.2%). 糖尿病性腎症による年間導入実数は, ここ数年16,000人前後で横ばいである. 透析人口全体で最も多い腎不全原疾患は糖尿病性腎症であり (37.1%), 次いで慢性糸球体腎炎が多かった (33.6%). 糖尿病性腎症は増加し続けているが, 慢性糸球体腎炎は実数も減っている. 2012年末に血液透析濾過 (HDF) を施行されていた患者は21,725人であり, 2011年末の14,115人から大幅に増加した. 特にon-line HDFは2011年末4,890人から2012年末14,069人へと約3倍に増加した. 施設調査結果によれば腹膜透析 (PD) 患者数は9,514人, PDは行っていないがPDカテーテルを腹腔に留置している患者は347人であった. 患者調査によれば1,932人がPDとともに血液透析 (HD) やHDFなど体外循環を使用した透析療法を併用していた. 2012年末の在宅HD患者は393人であり, 2011年末の327人から大きく増加した.