堀口 明彦, 古澤 浩一, 花井 恒一, 水野 謙司, 石原 慎, 伊東 昌広, 岩瀬 祐司, 浅野 之夫, 清水 朋宏, 宮川 秀一
消化器科 35(3) 288-293 2002年9月
膵頭切除術施行患者を,胃切除を伴う膵頭十二指腸切除術12例(男6例,女6例,平均65.8歳;A群),幽門輪温存膵頭十二指腸切除術56例(男30例,女26例,平均65歳;B群),十二指腸温存膵頭切除術15例(男10例,女5例,平均65.2歳;C群)に分け,13Cトリオクタノイン呼気試験の結果を比較した.13Cトリオクタノイン値はB群,C群で健常対照群との有意差を認めず,A群は対照群に比較して有意に低値であった.C群はA群及びB群に,B群はA群に比較して有意に高値であった.即ちC群,B群,A群の順に脂肪吸収能が良好であった.摘出標本の組織学的所見による膵線維化度でみると,Grade 0,1ではC群がA群及びB群に,B群はA群に比較して有意に高値であった.Grade 2ではC群がA群に比較して有意に高値であったが,B群とは有意差を認めなかった