澤 俊二, 磯 博康, 山川 百合子, 千田 直人, 伊佐地 隆, 大仲 功一, 安岡 利一, 園田 茂, 鈴木 めぐみ, 山田 将之, 酒野 直樹, 鈴木 孝治, 壹岐 英正, 片山 脩, 才藤 栄一, 金田 嘉清, 土屋 隆, 岩崎 テル子, 大田 仁史
金城大学紀要 (18) 137-147 2018年3月
茨城県立医療大学附属病院に脳卒中で入院した211名のうち、作業療法士(OT)と理学療法士(PT)の治療を入院中に経験した初発の慢性脳卒中患者41名(男性31名、女性10名、入院時の平均年齢59.2歳)を対象に、身体の自己定位および物品の探索および操作に関与する手部および足部のSIAS(Stroke Impairment Assessment Set)の触覚と位置覚のテスト、Moving-2PDT(Moving 2Point Discrimination test:動的2点鑑別テスト)、手部と足部の感覚・知覚障がいと運動機能の改善、麻痺手の実用度、日常生活動作(ADL)向上との関係になどについて1年迄の経時的推移を調査した。運動機能の回復と比較すると、感覚・知覚機能は、有意な改善は一部にしか認められなかった。PT、OTの治療が、入院期間の短縮の影響から、運動機能回復重視、ADL訓練重視であり、意図した感覚・知覚再教育が行われなかったことが影響していると推測された。