西城 卓也, 村岡 千種, 川上 ちひろ, 今福 輪太郎, 恒川 幸司, 丹羽 雅之, 鈴木 康之, 藤崎 和彦
新しい医学教育の流れ 15(1) 1-5 2015年7月
医学教育共同利用拠点として、岐阜大学医学教育開発研究センターがこれまで実施してきた医学教育セミナーとワークショップや新たな事業として構想しているフェローシップ、そして近年アジア含めた海外で設立が相次いでいる修士課程による認定取得等に関するニーズ調査を実施した。具体的にはどのような資格にニードが高いか、またそのニードは職種やこれまでの取得学位によって相違があるのか検討することとした。フェローシップ・修士号・博士号に対するニードを中心に調査するアンケートを作成して、医療教育関係者を対象としたオンライン調査を実施した。結果、医療教育に関する資格として、まずフェローシップ、次いで修士号に関する強い取得希望が示された。またそれは職種や取得学位によって異なるものであった。自由記載コメントの分析からは、多様な発達段階にある医療教育者の多様な学習ニードに対応するプログラム、現在の仕事を続けながら体系的に医療教育を学べる学習方略、段階的に資格を取得できる医療教育の資格制度が求められていた。これらの議論は、医療教育者のための継続的能力開発を開発するうえで、グランドデザインを描くのに有用である。(著者抄録)