伊藤 慎英, 大塚 圭, 才藤 栄一, 村岡 慶裕, 青木 健光, 宮坂 裕之, 大木 理咲子, 吉村 洋輔, 平塚 智康, 寺西 利生, 冨田 昌夫
臨床歩行分析研究会定例会抄録集 27回 30-31 2005年12月 査読有り
省スペースの定常環境下にて多数歩採取が容易となるトレッドミルを用いて三次元動作解析を行い,歩行中の足部内外反運動の計測を試み,その計測方法と分析結果について検討した.整形および中枢疾患の既往歴のない健常成人男性5例を対象とした.平均歩数は,12.2歩であった.歩行周期の内外反運動は,踵接地では内反位を呈し,立脚中期に正中および軽度外反位,立脚中期から遊脚期にかけて内反になる運動パターンの傾向を示し,5例ともほぼ同じ傾向であった.トレッドミル歩行分析では,多数歩にて正規化後加算平均処理が容易となるため,歩行周期の足部内外反運動を明確に示すことが可能になった.また,標準偏差,変動係数といった統計学的検討も可能となるため,臨床の歩行分析において非常に有用な指標になると思われた