中島 陽一, 岡本 薫, 水谷 公美, 森 雄司, 川井 学, 大久保 悠里子, 近藤 康人
日本小児アレルギー学会誌 33(1) 47-54 2019年3月
食物アレルギーの診断として、一般論としては、問診が重要であり、何を、どれくらいの量を食べて、いつ、どんな症状が出たのかなどを聴取することが第一歩である。診断の補助として特異的IgE抗体価の測定や皮膚試験を行う。最終的な確定診断のためには食物経口負荷試験がゴールドスタンダードである。摂取により客観症状があった食品において、感作を証明できればアレルギーとして診断できる。摂取したことのない食品に関して血液検査で感作を認めたときには判断に迷う場合がある。粗抗原の特異的IgE抗体価の結果だけでアレルギーとはいえないため、コンポーネントに対するIgEや皮膚試験を活用しつつ、必要に応じ食物経口負荷試験で確認せざるを得ないのが現状である。卵、乳、小麦のアレルギーについての診断に関してはすでによく取り上げられているので、そのほかのアレルゲンの診断について注意すべき点など解説する。(著者抄録)