三澤健治, 石川隆志, 山内章弘, 秋山泰一, 海江田章, 小野正人, 三船博子, 伊藤康宏, 日比谷信, 服部良信
体外循環技術 26(2) 74-78 1999年10月 査読有り
IL-1β,IL-2,IL-3,IL-6,IL-8について,麻酔導入後から体外循環離脱まで経時的に測定し,IL-6,IL-8については,血液温度による影響を比較検討した。対象は,当院にて1997年6月から1998年5月までに開心術を施行した25症例で,中等度低体温体外循環群11例(A群)と軽度低体温体外循環群14例(B群)に分類した。A群のみで検討したIL-1β,IL-2,IL-3では,IL-1β は検出されず,IL-2,IL-3はわずかの上昇のみが認められた。IL-6,IL-8は,A群,B群で体外循環開始とともに急激に増加し,ポンプ終了直前で最高値を認めた。IL-6は復温直前,ポンプ終了直前,硫酸プロタミン投与後15分において,B群のほうが有意な高値を示した。軽度低体温体外循環では,IL-6の放出が亢進しているものと考えられた。