石村 康生, 田中 宏明, 坂本 啓, 河内 泰介, 田中 孝治, 山川 宏
スペース・エンジニアリング・コンファレンス講演論文集 2014 _E04-1_-_E04-6_ 2014年
本研究では,機能分化した複数衛星群によるミッション遂行という新しいシステム概念の提案を行う.従来一つの衛星内に搭載されていたバス部とミッション部を,機能分化させて,複数の単機能衛星に分ける.個々の衛星を単純な単機能衛星にすることで,各衛星の開発のコスト・スケジュールの軽減およびシステムのロバスト性の向上が期待される.さらに,バス機能衛星を特定のミッションに特化したものではなく,汎用的なものとすることで,宇宙におけるインフラシステムとして機能させ,新たに開発するミッション衛星の設計制約を小さくする.機能分化による単純化に加えて,複数の同種の単機能バス衛星の運用は,システムの更新を逐次行えるなど,長期運用におけるメンテナンスの可能性を広げる.ここでは,ミッション衛星の例として,天体観測衛星を想定し,発電機能,通信機能,熱制御機能に特化したバス衛星群による宇宙インフラシステムを検討した.これらのシステムのラグランジュポイント周辺のハロ軌道におけるフォーメーションフライトによる運用を想定し,システムの成立性の評価した.