研究者業績
基本情報
論文
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宇宙航空研究開発機構研究開発報告: 宇宙科学情報解析論文誌 JAXA-RR-22-009(12) 31-40 2023年2月28日 査読有り超伝導の原理に基づく論理回路の一種である,単一磁束量子回路の動作を説明するためのインタラクティブ可視化手法について述べる.宇宙探査に関わる将来構想のひとつとして,単一磁束量子回路を用いたデバイスを宇宙機に搭載することが検討されている.単一磁束量子回路はデバイスの動作に係る電力消費が極めて小さく,また演算速度の高速化も期待されている.一方で単一磁束量子回路はCPU やメモリ等,半導体デバイスの論理回路と動作原理が大きく異なるため,その理解の助けとなるような可視化ツールが有用であると期待される.本稿においては,単一磁束量子回路の動作について,WebGL ベースのAPI 等のJavaScript を用いたインタラクティブ可視化アプリケーションを構築し,その課題や将来展望等について検討した.
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宇宙航空研究開発機構研究開発報告: 宇宙科学情報解析論文誌 JAXA-RR-14-009(4) 105-125 2015年3月31日 査読有りDARTS (http://darts.jaxa.jp/)は, JAXAの様々な科学衛星のデータを研究用に公開するデータアーカイブシステムであり, 宇宙科学研究所科学衛星運用・データ利用センター(C-SODA)が運用している. 我々は, 赤外線天文衛星「あかり」の全天サーベイ観測によって得られた2次元画像(全天マップ)を公開するための検索機能付きウェブインターフェースを開発している. 全天マップは, 多数の画像ファイルがタイル状に並んで全天球面をカバーするように構成されており, それぞれの画像は数度平方程度の天域を占めている. 本検索機能において, ユーザーに指定された領域を一部でも含む画像ファイルは全て検索結果として返されるものとする. そのような検索を実現するため, 各画像内を多数の小さな矩形領域に分割して各領域の中心点を直交座標系で表し, その座標値をデータベースに登録するという方法が採用される. この方法は, HEALPixのような外部の天球分割ライブラリが不要で, 天の両極が特異点にならず, かつ任意の座標系を用いた高速検索が可能という利点を持つ.開発と維持管理のコストを低減させるため, われわれはあかりカタログ検索の仕組みを本検索機能に応用し, またPHPとPostgreSQLを用いることによって本機能を実装する.
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宇宙航空研究開発機構研究開発報告: 宇宙科学情報解析論文誌 JAXA-RR-13-010(3) 17-26 2014年3月31日 査読有り責任著者GSTOS (Generic Spacecraft Test and Operations Software; 汎用衛星試験運用ソフトウェア) は,ISAS (Institute of Space and Aeronautical Science) の今後の衛星の試験と運用に使用される汎用のソフトウェアであり,SIB2 (Spacecraft Information Base version 2) に基づき動作する.SIB2/GSTOS-1 プロジェクトは,SPRINT-A, ASTRO-H, Bepi/MMO 向けのSIB2/GSTOSを開発するプロジェクトである.本論文では,SIB2/GSTOS-1 プロジェクトが目指すゴール,従来のISAS における典型的な衛星試験・運用システムに対する改善点を述べるとともに,現在までの開発状況,今後の課題について述べる.
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Trans. JSASS Aerospace Tech. Japan 12(ists29) Tt_19-Tt_24 2014年 筆頭著者In order to reduce steps in developments of spacecraft and onboard instruments, we developed two tools SIB2PlanEditor and SIB2Viewer. SIB2PlanEditor is dedicated editor for test procedure described in the ISAS command plan language. SIB2Viewer is a program to enhance capability of user interface for SIB2 (SIB2UI). Both tools reduce simple work in developments and contribute designer of spacecraft and onboard instruments to concentrate on preparation of content of test procedure and design itself. This paper describes function of these tools and evaluated merits through trial usage. By usage of SIB2PlanEditor, time needed for input of test procedure is reduced by factor 1/3~1/2. These tools are also expected to contribute to reduce time of execution of electrical integration and test of the spacecraft through promotion of SIB2 input in earlier stage of the development.
MISC
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日本天文学会2026年春季年会 2026年3月4日 日本天文学会SOLAR-C 衛星は、極紫外線 (SW: 17–21 nm, LW: 46–122 nm) にある輝線を高空間分解能高感度で分光観測する EUVST を搭載する。望遠鏡は口径 28cm 焦点距離 2.8m の軸外放物面の主鏡でスリットに結像する光学系を採用し、分光器コンポーネントは CFRP パネル鏡筒構造に配置される。海外機関が提供する分光器コンポの設計結果を ICD、熱数学モデル、構造数学モデルで提示してもらい鏡筒構造との IF 設計を確立してきた。開発を要するコンポについてはエンジニアリングモデル (EM) の開発試験を進めている。中でも日本担当の主鏡アセンブリは開発要素が高く、視野スキャンと姿勢揺れ補正を兼ねる傾動機構と焦点調整用の直動機構の上に 30cm 外径の主鏡を搭載し、打上後にロンチロックを開放して可動させるものである。BBM で駆動機構の技術実証した後、現在、主鏡アセンブリ EM の開発を進めている。フライトモデルと同材質同形状で多層膜コーティング (ドイツ担当) 実証も兼ねた主鏡 (ただし、面精度は悪い) を搭載し、駆動性能と主鏡面形状が機械環境試験前後で変化しないことを 2026 年度前半に実証する。各コンポ間の電気 IF を実証する EM 電気 IF 試験を計画しており、先行して日本担当望遠鏡電気箱 (TEB) とスイス担当 SoSpIM(太陽放射照度計) の IF 試験を 2025 年 7 月に完了した。分光器電気箱 (SEB) とカメラ等の分光器コンポ間、また TEB と SEB 間の IF 試験を 2026 年度に計画している。
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2026 Simulation Innovation Workshop 2026年2月10日 Simulation Interoperability Standards OrganizationThis presentation reports on ongoing preliminary studies on a time management method to appropriately handle SpaceWire/RMAP communication transactions within time-slotted scheduling in Software in-the-Loop Simulation (SILS) environments for onboard software of spacecraft. In satellite systems, strict timing constraints based on Time Slot Scheduling exist when onboard software communicates via RMAP. However, existing SILS environments have limitations in accurately reproducing such real-world timing behaviors, leading to inefficiencies in actual operations despite optimal configurations in SILS. This study explores the feasibility of a time management method utilizing HLA for time-slotted communications. As an initial step, a non-HLA-dependent inter-node communication simulation was constructed, designing a custom protocol to emulate SpaceWire/RMAP communication using Socket-based methods. This protocol is based on the PCAP format, incorporating communication data types and nanosecond-precision timestamps to facilitate test data generation and analysis of communication logs. Subsequently, following the structure of satellite systems, a configuration was examined in the SILS environment in which each subsystem operates as an independent process, synchronizing time through an HLA federation. Specifically, a method of subdividing time-slots into multiple Time Advances and advancing logical time based on events such as TimeCode arrival, RMAP response processing, and slot-end prohibition periods is being evaluated preliminarily. Through these efforts, the extent to which HLA Time Management can reproduce the time-dependent behaviors unique to onboard software of spacecraft and maintain consistency with time-slotted communication models is being progressively clarified. Further studies on modeling methods and time management rules will continue towards establishing a final method.
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第69回宇宙科学技術連合講演会 2025年11月28日We have been developing ISC (DH), a data handling part in integrated control system for Martian Moons eXploration (MMX). ISC (DH) consists of the SMU, MDP, and PDCU, and performs functions such as telemetry and telecommand processing, observation equipment control, data collection and processing. In addition, recording and reproduction of HK telemetry and observation data is implemented. For On-board subnetwork, SpaceWire and MIL-STD-1553B are adopted, and time-division communication control and collection of various data in the spacecraft are performed. This paper describes the results of these developments of ISC (DH).
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第69回宇宙科学技術連合講演会 2025年11月27日搭載機器は個別にコンポーネント開発が行われるため、統合テストでインターフェース不具合が発見されることがある。この問題を事前に解決するため、コンポーネント間のインタフェースをシミュレーションするプロトコルを提案する。分散シミュレーションフレームワークであるIEEE 1516をベースに通信データに時刻同期情報を付加したシミュレーションプロトコルを検討し、通信アプリケーションで有用性を示す。
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第69回宇宙科学技術連合講演会 2025年11月26日日本は米国主導の国際有人宇宙探査プログラム(アルテミス計画)に参画しており、こ の計画では月資源利用や月面有人基地建設等の月面開発を通して持続可能な月探査を 目指している。このような有人宇宙探査に係る国際的な動きに伴い、インフラとして必須となる通信や測位システムの整備に向けては国際的に協調して相互運用、共同利用する方向で調整が進められている。本講演では、日本の優位性確保と独自性のある貢献を果たすべく日本として構築すべき月通信測位アーキテクチャを示すとともに、その実現に向けた開発シナリオ、通信・測位技術開発について述べる。
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日本天文学会2025年秋季年会 2025年9月10日 日本天文学会高感度太陽紫外線分光観測衛星 SOLAR-C は、搭載望遠鏡 EUVST により 104 K から 107 K にわたる広い温度範囲の太陽大気を、温度の隙間なく、高い時間空間分解能で分光観測することで、(I) 大気加熱・太陽風加速機構、(II) 太陽フレアのエネルギー蓄積解放過程の解明を目指す。同時に、太陽放射照度計 SoSpIM が太陽全面からの紫外線をモニタし、EUVST の較正とともに地球大気組成への影響に関する宇宙天気研究を行う。これらの科学観測を着実に実行し成果創出の最大化を図るため、既存衛星の資産活用および自動化・省力化を前提に、科学運用・地上系の開発が進められている。SOLAR-C では「ひので」と比べて観測装置が減ることから、主任観測者 (CO) は 1 回あたり 1 名とし、CO が自身の判断でポインティングや衛星ロール角変更を含む観測プランを作成する。定常運用中は 1 日プランを毎日作成することで太陽活動の急変に対する即応性を向上させるとともに、クラウドベースの観測タイムライン作成ツールを導入することでリモート運用を実現し、CO の負担低減を目指す。フレア発生の瞬間の高速多波長観測データを取得するため、大容量データレコーダ・リングバッファ機能・高速データ伝送技術を組み合わせた新方式を検討中である。データは世界中の地上局でダウンリンクされ、相模原の宇宙研に集約されたのち、名大 SOLAR-C サイエンスセンターでの較正を経て即座に公開される予定である。
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日本天文学会2025年秋季年会 2025年9月 日本天文学会SOLAR-C 計画では、太陽の彩層やコロナの高温プラズマや太陽風がどのように形成されるのか、太陽フレアがいつどのように発生するのか、という謎に挑むため、17-122nm の 6 つの波長帯の多数の輝線を観測し、高い空間分解能(0.4 秒角)をもつ高感度撮像分光観測装置 EUVST を国際協力で開発してJAXA の小型衛星に搭載する。分光器コンポーネントの開発を担う海外協力機関や衛星バスとのインターフェース設計を ICD にまとめ、国内で開発となる駆動装置付き主鏡部、鏡筒構造、駆動部制御装置の試験評価モデルの開発と試験準備を進めている。 本講演では、観測装置全体の開発状況と国内分担コンポーネントの機能・性能に関係する要素の設計・開発・試験準備の進捗を報告する。開発モデルとしての主鏡は、形状加工・研磨・反射コーティング塗布や製作過程の光学測定を経て、支持構造や駆動機構への組み込みと光学性能試験、また駆動性能確認の終えた駆動部への組み込み後の環境試験に向けて準備が進められている。また、PFM 開発方式を採用して製造中の鏡筒構造について、汚染管理に向けた設計内容について報告する。
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第25回宇宙科学シンポジウム 2025年8月1日 宇宙科学研究所搭載ソフトウェア (SW) の開発環境と宇宙機シミュレータ (Sim) においてコンポーネント間のデータ通信・時刻制御のプロトコルを標準化すれば、搭載SWの開発において、自ずから高フィデリティの宇宙機Sim部品が得られる事が期待される。これにより、搭載SW開発から宇宙機システムレベル試験まで同一の試験ツール・手順が利用可能となり開発が効率化される。また、試験の再現性やカバレッジを向上が可能になり、宇宙機の信頼性の向上への寄与も期待される。
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Workshop on Simulation for European Space Programmes 2025 2025年3月18日 European Space AgencySince individual component development is carried out for spacecraft onboard equipment and ground equipment, interface issues between components may be discovered during End-to-End testing where components are integrated. To resolve such issues in advance, we propose a protocol for simulating the interfaces between components. Our proposed protocol is based on CCSDS data and wraps the protocol with added timestamp information transmitted from the components, assuming transmission over Ethernet. We will detail the proposed protocol its usefulness by creating communication applications for SpacePacket and SpaceWire protocols as pseudo-onboard software.
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日本天文学会2025年春季年会 2025年3月19日 日本天文学会SOLAR-C は、2028 年度打上げ予定の次期太陽観測衛星ミッション計画である (2024 年春季年会 V227a)。SOLAR-C は近年の太陽物理学の進展を踏まえこれを更に観測的に発展させるために、極紫外線高感度分光望遠鏡 (EUVST) を搭載する。EUVST は、真空紫外線、極端紫外線の幅広い波長帯域を抜け目なく観測し、かつ高空間 (0.4 秒角)・高時間分解能 (1 秒) で観測現象に追随できる能力を持つ (2024 年秋季年会 V255a)。SOLAR-Cプロジェクトの特色は、ISAS/JAXA 全体リードの元、これまでの太陽望遠鏡の実績・知見を持つ国立天文台がEUVST の開発リードを担い、複数の海外機関によって搭載機器が開発されることである。また、日本が開発する望遠鏡構造部へ海外機器を組込む際の光学調整・性能検証は米国およびドイツにて実施される。従って ISAS主体ミッションでは初めて一つの観測装置内に海外機関とのインターフェースが複数存在し、検証計画のマネジメント手法の確立が本プロジェクトの成否を左右すると共に、将来の日本主導国際大型宇宙望遠鏡プロジェクトを見据えた上でも先駆的で重要な要素である。本プロジェクトでは既存宇宙機標準をテーラリングした「検証管理計画書」を作成し検証計画の基本方針と全体像の共通認識を示し、装置機能要求と検証機会の対応、各試験の所掌分担の明確化、基本方針から外れる検証事項の管理などを規定している。本講演では、試験検証計画の概要、特に国際共同開発における EUVST の組立および試験検証フローと計画管理の枠組みについて発表する。
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日本天文学会2025年春季年会 2025年3月18日 日本天文学会高感度太陽紫外線分光観測衛星「SOLAR-C」 は、2028 年度打上げを予定し開発中の次期太陽観測衛星であり、日本天文学会、特に太陽研究者連絡会が総力を挙げて取り組む中核観測計画である。プロジェクト最新状況は、2022 年秋季年会 (M38a), 2023 年春季年会 (V242a), 2024 年春季年会 (V227a) の報告にて説明してきたが、今回の報告では前回の報告以降のプロジェクト動向を報告する。2024 年 3 月に高感度太陽紫外線分光観測衛星(SOLAR-C) プロジェクトチームが JAXA 機構プロジェクトとして発足した。2024 年 6 月に基本設計審査 (PDR)が結審し先行開発を進める極紫外線高感度分光望遠鏡 (EUVST) の望遠鏡部および望遠鏡電気箱に加えて、各海外機関が提供するコンポネントの PDR が進められている。また、衛星バスを中心とした衛星システムの基本設計が進められ、2025 年 1-3 月に衛星システムメーカ主催の PDR が予定されている。EUVST は日本の望遠鏡に対して海外機関コンポーネントを組み合わせることで、科学が要求する観測機能・性能が実現される。イプシロンロケットの搭載上限 (600kg) に合致する衛星総質量の確実な実現、増加する開発コストの抑制、スケジュールの維持、海外機関との技術調整での課題等に対応しながら、プロジェクトを推進している。なお、技術的およびプロジェクト推進上 JAXA 等各部門関係者から支援・協力を受けており、ここに感謝する。
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2024年度宇宙科学情報解析シンポジウム 2025年2月14日近年、宇宙研では、ほぼ全ての宇宙機プロジェクトにおいて、宇宙機シミュレータが開発される。他方で、その開発コストが大きいことが課題となっている。我々は、宇宙機の各種開発工程で使用するプロトコルを標準化・共通化することで、宇宙機シミュレータの開発コストをミニマムにすると共に、宇宙機自体の開発コストの低減を目指している。そこで、各種の開発工程を模擬し、共通のプロトコルが適用可能なことをプロトタイプした。本発表では、その結果を示す。
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第68回宇宙科学技術連合講演会 2024年11月7日This paper shows the system design and development status of the data handling system, ISC(DH), for the Martian Moons eXploration (MMX) mission. ISC(DH) consists of SMU (Spacecraft Management Unit), MDP (Mission Data Processor) and PDCU (Power Distribution Control Unit). Design and development status of the data handling system are described.
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日本天文学会2024年秋季年会 2024年9月13日 日本天文学会SOLAR-C 計画では、高い空間分解能(0.4 秒角)をもつ高感度撮像分光観測装置EUVST を国際協力で開発し、極端紫外線 (EUV) 領域の多数の輝線による撮像分光観測から、太陽上層大気の詳細な物理診断を行って、太陽の高温プラズマがどのように形成されるのか、太陽フレアがいつどのように発生するのか、という謎に挑む JAXA小型衛星計画である。 本講演では、EUVST の主要性能である高解像力と高感度を構成する要素、そしてその性能の検証試験の概要について報告する。解像力は、光学素子の設計や製造精度のほかに、設置精度や変形による変移、光学機構部や衛星姿勢制御の安定性、内部擾乱による微小振動などが関与して決定され、それぞれの要素を開発モデルで設計を確認し、最終的にはフライトモデルで観測装置性能を検証する。感度についても、光学要素の個々の性能を定める項目の試作確認を経て製造後のフライトモデルの効率確認を行い、感度劣化防止のために設計初期から汚染管理設計を進めた上でフライト品の汚染管理を実施する。EUVST は複数国で分担して製作する観測装置であり、国内の分担となる望遠鏡部の結像性能確認は日本で実施し、その後に組み付けられる分光器部とスリット面撮像望遠鏡の結像性能確認は米国で、また全体の装置レベルの感度確認はドイツで実施というように、検証試験を国内外で実施する計画としている。
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日本天文学会2024年春季年会 2024年3月15日 日本天文学会極端紫外線 (EUV) 領域の多数の輝線による撮像分光観測から、太陽上層大気の詳細な物理診断を行って、太陽の高温プラズマがどのように形成されるのか、太陽フレアがいつどのように発生するのか、という謎に挑む JAXA小型衛星計画である。光学観測装置を複数国で分担して製作し、国内で望遠鏡部の組立・調整・試験を終えた後に、分光装置部やスリットジョー撮像装置部の組み込みや装置単体の検証試験を海外で実施する計画としている。 本講演では、2024 年初頭時点での EUVST の設計・開発検討の進捗状況について報告する。解像力の要となる主鏡部においては、排熱効率を高める熱構造設計を進め、長納期品となる主鏡材の調達に着手している。二国間のインターフェースを持つシステムで構成する主鏡部スキャン機能と画像安定化機能についてインターフェース仕様の策定と評価試験の実現性検討を実施したほか、主鏡焦点調節機構部では構造・熱設計検討を経て BBM の製作・性能試験と進めた。CFRP 表皮・アルミハニカムコアの板状パネルで構成する EUVST 主構造に関しては、衛星バスとのインターフェースや、設置される機器の組立・調整・試験手法、飛翔中や軌道上の環境条件を考慮した構造・熱設計を実施してきている。
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日本天文学会2024年春季年会 2024年3月15日 日本天文学会高感度太陽紫外線分光観測衛星 SOLAR-C は、公募型小型 4 号機として 2028 年度打上げを目指し準備を進める衛星ミッション計画である。SOLAR-C は、近年の太陽物理学の進展を踏まえ、エネルギー注入と解放の間でエネルギーや物質がどう太陽大気中で輸送され、またエネルギー解放の現場で起きていることを診断することで、太陽大気・太陽風の形成やフレア・プラズマ噴出における振る舞いの仕組みやその背景にある基礎物理過程の理解を目指す。この達成のために、極紫外線高感度分光望遠鏡 (EUVST) を搭載し、太陽同期極軌道から太陽外層大気を観測する。EUVST は、彩層からコロナ・フレアプラズマまで 3 桁以上にわたる温度領域を隙間なくカバーできる広い波長帯域を観測し、かつ 10-30 倍の感度向上により高空間・高時間分解能で観測現象に追随できる能力を持つ。日本を中心に米国および欧州諸国が開発に参画し EUVST を開発する。2022 年 12 月のシステム要求審査(SRR)、その後予備設計検討を実施し、予稿投稿時点でシステム定義審査 (SDR) を受審中である。また、EUVST望遠鏡は、BBM 品開発が進み、打上げ開発工程を維持するために先行着手確認会 (8 月) を経て主鏡硝材や電子部品などの長納期部品の調達や一部基本設計に着手済みである。ロケット搭載可能な質量への適合など後を続くミッション計画にも参考になりうるレッスンズ・ラーンドが得られており、その一部についても紹介する
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2023年度 宇宙科学情報解析シンポジウム 2024年2月16日宇宙研では、プロトコルの標準化により、宇宙機搭載・地上機器を共通化し、開発コストを低減している。他方で、新規の機器では、嚙み合わせでインタフェース齟齬が発見される事も多い。従来の機器は原因究明の機能が限定的であり、原因解明に時間を要していた。我々は、汎用のプロトコル表示・解析ソフトウェア Wireshark に対して、固有なアドインを作成する事で、各種のユースケースの原因究明能力の向上を図った。
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第67回宇宙科学技術連合講演会 2023年10月19日 日本航空宇宙学会This paper shows the system design and development status of the data handling system, ISC(DH), for the Martian Moons eXploration (MMX) mission. ISC(DH) consists of SMU (Spacecraft Management Unit), MDP (Mission Data Processor) and PDCU (Power Distribution Control Unit). System overviews and configuration are described.
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第67回宇宙科学技術連合講演会 2023年10月17日 日本航空宇宙学会Although the relationship between satellite onboard applications and subnetworks is defined in the CCSDS SOIS, there is no specific service interface specification for the application support layer to specifically connect applications and networks. We examined the service interface for integration with onboard applications using the SpaceWire subnetwork and confirmed the role of the service interface using the onboard software stack. We confirmed the role of the service interface using the onboard software stack.
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日本天文学会2023年秋季年会 2023年9月20日 日本天文学会SOLAR-C 計画は、日本が中心となり米欧の協力を得て推進する高感度太陽紫外線分光観測衛星である。搭載望遠鏡 EUVST は、104 K から 107 K にわたる広い温度範囲の太陽大気を、温度の隙間なく、高い時間空間分解能により観測することで、(I) 彩層・コロナなどの大気加熱過程や太陽風の加速機構、(II) 太陽フレアのエネルギー蓄積・高速磁気リコネクション過程の解明を目指す。これらの科学課題を解決するための観測プランを実施し、成果創出の最大化を図るため、SOLAR-C には、「ひので」衛星を上回る膨大な紫外線撮像分光データの取得とともに、効率的な機上データ処理や地上系システムの構築が求められる。これまでの活動では、「ミッション要求書」・「利用・運用コンセプト」・「地上系システム要求仕様書」などの文書に定義された要求を実現する方策を検討してきた。その中で、SOLAR-C では、「ひので」など既存科学衛星の地上系資産の活用を原則としつつ、新規機能の実装も構想されている。例えば、太陽フレアの高頻度多波長観測は科学課題 (II) を達成する上で最重要となるが、それを実現するため、観測装置から衛星データレコーダへの新たな高速データ書き込み方式などを検討中である。また、JAXA 内外の各部署や海外パートナー機関との調整により、リモート運用を含む効率の良い科学プランニングの実現へ向けた検討を進めている。講演では、これらの科学運用・データ処理の検討状況および「地上系システム開発仕様書」の策定状況について報告する。
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日本天文学会2023年秋季年会 2023年9月20日 日本天文学会SOLAR-C 計画は、高い空間分解能(0.4 秒角)と時間分解能をもつ撮像分光観測装置 EUVST を国際協力の中で開発し、極端紫外線 (EUV) 領域の多数の輝線による撮像分光観測から太陽上層大気の詳細な物理診断を行い、太陽の高温プラズマがどのように形成されるのか、太陽フレアがいつどのように発生するのか、という謎に挑むJAXA 小型衛星計画である。一つの装置の光学系を複数国で分担して製作し、国内で望遠鏡部の調整を終えた後に、分光装置部やスリットジョー撮像装置部の組み込みや装置単体の検証試験を海外で実施する計画としている。 本講演では、2023 年前半の終了時点での設計・開発検討の進捗状況について、いくつかの主要な要素に関して報告する。これまで注力してきた主鏡部においては、支持部に使用する接着剤の評価試験、BBM の機械的応答を通した設計確認、高解像観測のために必須となる焦点調節機構の設計、駆動部制御装置の高速処理の実現性検討などを進めてきた。これらのほかに、CFRP 表皮・アルミハニカムコアのパネルで構成する EUVST 主構造に関して、主構造に設置される光学機器や電子機器の配置や組立・調整・試験手法、飛翔運用時の機械的環境条件や軌道上の熱環境条件、汚染管理、軽量化を考慮した熱構造設計を進めている。
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37th Annual Small Satellite Conference 2023年8月9日 Utah State UniversityAs a SmallSat grows, there is an increasing need for high-speed and high-functioning sub-networks, such as SpaceWire, to connect equipment to the OBC and store large amounts of optical image data. SpaceWire has the ability for time-sensitive delivery, fast communication, and flexible network topology construction. JAXA/ISAS has developed SIB2, a low-code user application that designs telemetry commands based on a database stored on the satellite. SIB2 has a code generation function called SIB2Generator, which outputs code that performs the behavior of telemetry commands during sender/receiver and is used as a template for user applications. On the other hand, the Application Support Layer of CCSDS SOIS is positioned between sub-networks and user applications. And then, service types are defined in the Application Support Layer, but no concrete implementation interface is specified. Therefore, we have implemented an examination of the Command and Data Acquisition Services layer using SIB2 and the SpaceWire communication stack. In the executed study, we adopted the SpaceWire RMAP Library, a class library that makes SpaceWire communication. Using this library, we have designed and developed the Application Support Layer, integrating the SpaceWire application stack based on the SIB2 database design and the user application code generated by SIB2Generator.
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日本天文学会2023年春季年会 2023年3月15日 日本天文学会SOLAR-C 計画は、これまでになく高い空間分解能(0.4 秒角)と時間分解能をもつ撮像分光観測装置 EUVSTを国際協力の中で開発し、極端紫外線 (EUV) 領域の多数の輝線による撮像分光観測から太陽上層大気の詳細な物理診断を行い、太陽の高温プラズマがどのように形成されるのか、太陽フレアがいつどのように発生するのか、という謎に挑む JAXA 小型衛星計画である。高感度要求の実現のため、EUV 域で高反射率をもつコーティングを施した軸外し放物面主鏡と凹面回折格子の二要素のみで光学系を構成する。この装置による観測と他観測との同時観測の際に、互いの位置関係を正確に把握するため、EUVST はスリットジョー撮像装置も内蔵する。また、高解像観測を実現するため、2 軸ジンバル構造に乗った主鏡の傾角を駆動調整して、望遠鏡部の焦点位置にあるスリット面の太陽像の微小揺れを安定化させる。 本講演では、観測装置 EUVST の設計検討の進捗状況を報告する。主鏡製造リスク低減、コーティング応力に対する主鏡面変形の抑制、直接太陽光に晒される主鏡の冷却、また光学調整時の主鏡駆動機構の使用などの観点から主鏡部設計を見直している。CFRP 表皮・アルミハニカムコアのパネルで構成する主構造は、衛星搭載重量の見直しから軽量化設計を進めている。国内・海外分担間のインターフェース設計や国内・海外で実施する観測装置の組立・調整・試験計画の検討進捗についても報告する。
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International SpaceWire and SpaceFibre Conference 2022 (ISC2022) 2022年11月18日
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2021年度 宇宙科学情報解析シンポジウム 2022年2月18日 宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所将来宇宙機への応用が検討されているデバイスのひとつである、単一磁束量子(SFQ)回路について、そのシミュレーションデータをインタラクティブ3D CG として可視化する手法について述べる。SFQ 回路は超伝導デバイスを用いた回路であり、現在普及しているCPU 等で用いられている半導体回路とは動作原理が異なる。そのようなデバイスの仕組みを視覚的に理解する手段を提供することは、係る研究分野や、ひいては将来の宇宙探査の発展にも寄与するものであると考えられる。
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2021年度 宇宙科学情報解析シンポジウム 2022年2月18日 宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所時刻精度が重要な宇宙機のプロジェクトが立ち上がっている。一方で開発コストの低減と高度化を目的として共通システムの積極的な利用が行われている。本発表では、共通システムを用いたコマンド・テレメトリにおける制約について整理を行い、共通システムでカバー可能な範囲とプロジェクト固有で実装する範囲を明確にする。
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第22回宇宙科学シンポジウム 2022年1月6日 宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所次期太陽観測衛星 Solar-C (EUVST) は、日本が中心となり推進する2020年代の実 現を目指したミッションであり、彩層・コロナなどの太陽大気や太陽風の形成メカニ ズムの理解と太陽フレアを駆動する物理過程の解明を科学目標とする。 その科学目標を最大限に達成するには、運用計画立案から衛星へのコマンド送信・ データ受信、さらにデータセンターまでのデータ転送までをカバーする地上支援システムが、ミッション要求を満たせるよう考案・準備し運用することが必要となる。特に太陽観測においては、時事刻々と変化する太陽大気の状況に応じて目標を適切に捉えられるような運用を可能とすることが必要となる。本講演では、Solar-C (EUVST) において地上系支援システムに要求される。
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第22回宇宙科学シンポジウム 2022年1月6日 宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所PhoENiX計画は、磁気再結合に伴う粒子加速の理解を科学目的とした衛星計画で、磁気再結合が引き起こす太陽フレアを観測対象とし、粒子加速場所の特定、加速の時間発展の調査、加速の特徴の把握を目指す。そのために、新機軸の観測の実現、新しいモデルの構築、関連分野との連携という3つの手法を取る。 本研究は衛星計画(JAXA宇宙科学研究所の公募型小型計画の枠組みが第一候補)を軸とし、第26太陽活動周期の前半から極大付近にかけて(2030年代初め〜半ば)の実現を目指している。
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第22回宇宙科学シンポジウム 2022年1月6日 宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所本講演では、PhoENiXのミッション部システムの検討結果を示す。PhoENiX に搭載される観測装置のうち、Soft X-ray Imaging Spectrometer (SXIS) と Hard X-ray Imaging Spectrometer (HXIS) では、高いアライメント精度が要求される。これまでに、CFRP を用いた垂直架台と水平架台を用いることで、各種熱条件で、要求を満たす設計解を得た。他方で、衛星バスへの荷重分散及び剛性に関して課題が見いだされ、剛性の向上・ミラーモジュールの軽量化検討を実施している。
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日本天文学会2021年秋季年会 2021年9月13日 日本天文学会次期太陽観測衛星 Solar-C (EUVST) は、日本が中心となり推進する 2020 年代の実現を目指したミッションである。Solar-C (EUVST) は、広い温度範囲(104 − 107K)を高時間・空間分解能で観測する極端紫外線域の分光撮像装置によって、(1)彩層・コロナなどの太陽大気や太陽風の形成メカニズムの理解と、(2)太陽フレアを駆動する物理過程の解明を科学目標としている。 科学衛星がその科学目標を最大限に達成するには、運用計画立案から衛星へのコマンド送信・データ受信、さらにデータセンターまでの取得データ転送までをカバーする地上支援システムが、ミッション要求を満たせるように考案・準備して運用することが必要となる。Solar-C (EUVST) では、太陽観測衛星「ひので(Solar-B)」や既存科学衛星で利用する地上系資産の活用を原則としながら、新しい機能を要求する。例えば、太陽フレアの捕獲は科学目標達成のため重要な観測であり、観測テレメトリ消費が多い観測も計画される。そのような重点プログラムをタイミングよく走らせることは難しいが、Solar-C (EUVST) ではサーキュラバッファの確保とそれに対応するデータダウンリンクシステムの実装により実現する。また、Solar-C (EUVST) では狭視野・高空間分解能の地上望遠鏡との協調観測も念頭に置かれた科学観測を計画しているが、科学衛星において小さな空間構造を持つ大気活動現象に対して高精度で位置合わせを行うことは難しい。そのため、Solar-C (EUVST) ではリアルタイム運用時に望遠鏡の視野中心を指定できるような、リアルタイム位置調整の機能を検討中である。
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日本天文学会2021年秋季年会 2021年9月13日 日本天文学会磁気再結合は、磁場中に蓄えられて磁気エネルギーを解放し、そのエネルギーを運動エネルギー、熱エネルギーに短時間で変換することが出来るプラズマプロセスである。そしてこの磁気再結合は、効率的な粒子加速のための環境を形成する機構として注目されている。例えば、太陽フレアはこの磁気再結合によって駆動されており、解放された多くの(時に半分以上もの)エネルギーが粒子の加速に使われていることが知られている大変優秀な加速器である。しかし、その加速機構については未だ未解明である。その理由は、太陽フレアのシステムとしての複雑さにある。太陽コロナ中で生じる磁気再結合は、様々なプラズマ構造(電流シート、プラズモイド、衝撃波、乱流、磁気ループ構造など)を形成するが、これらの各構造はエネルギーの変換器(加速器)として作用することができる。つまり、加速器としての太陽フレアを理解するためには、これらの構造を取りまとめシステムとして理解する必要があるのである。しかし、これまでの研究は、観測も理論も各構造を切り出しての研究しか行われておらず、このため太陽フレアにおける粒子加速は謎のままとして残っている。そこで我々は、観測・理論の両面で、太陽フレアをシステムとして研究する取り組みを行っている。本講演では、これらの進捗状況を紹介する。
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日本地球惑星科学連合2019年大会 2019年5月26日 日本地球惑星科学連合
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日本地球惑星科学連合2019年大会 2019年5月26日 日本地球惑星科学連合
共同研究・競争的資金等の研究課題
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 2007年 - 2009年
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 2004年 - 2005年
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 2002年 - 2004年
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 2002年 - 2002年
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 2000年 - 2001年