研究者業績
基本情報
論文
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宇宙航空研究開発機構研究開発報告: 宇宙科学情報解析論文誌 JAXA-RR-22-009(12) 31-40 2023年2月28日 査読有り超伝導の原理に基づく論理回路の一種である,単一磁束量子回路の動作を説明するためのインタラクティブ可視化手法について述べる.宇宙探査に関わる将来構想のひとつとして,単一磁束量子回路を用いたデバイスを宇宙機に搭載することが検討されている.単一磁束量子回路はデバイスの動作に係る電力消費が極めて小さく,また演算速度の高速化も期待されている.一方で単一磁束量子回路はCPU やメモリ等,半導体デバイスの論理回路と動作原理が大きく異なるため,その理解の助けとなるような可視化ツールが有用であると期待される.本稿においては,単一磁束量子回路の動作について,WebGL ベースのAPI 等のJavaScript を用いたインタラクティブ可視化アプリケーションを構築し,その課題や将来展望等について検討した.
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宇宙航空研究開発機構研究開発報告: 宇宙科学情報解析論文誌 JAXA-RR-14-009(4) 105-125 2015年3月31日 査読有りDARTS (http://darts.jaxa.jp/)は, JAXAの様々な科学衛星のデータを研究用に公開するデータアーカイブシステムであり, 宇宙科学研究所科学衛星運用・データ利用センター(C-SODA)が運用している. 我々は, 赤外線天文衛星「あかり」の全天サーベイ観測によって得られた2次元画像(全天マップ)を公開するための検索機能付きウェブインターフェースを開発している. 全天マップは, 多数の画像ファイルがタイル状に並んで全天球面をカバーするように構成されており, それぞれの画像は数度平方程度の天域を占めている. 本検索機能において, ユーザーに指定された領域を一部でも含む画像ファイルは全て検索結果として返されるものとする. そのような検索を実現するため, 各画像内を多数の小さな矩形領域に分割して各領域の中心点を直交座標系で表し, その座標値をデータベースに登録するという方法が採用される. この方法は, HEALPixのような外部の天球分割ライブラリが不要で, 天の両極が特異点にならず, かつ任意の座標系を用いた高速検索が可能という利点を持つ.開発と維持管理のコストを低減させるため, われわれはあかりカタログ検索の仕組みを本検索機能に応用し, またPHPとPostgreSQLを用いることによって本機能を実装する.
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宇宙航空研究開発機構研究開発報告: 宇宙科学情報解析論文誌 JAXA-RR-13-010(3) 17-26 2014年3月31日 査読有り責任著者GSTOS (Generic Spacecraft Test and Operations Software; 汎用衛星試験運用ソフトウェア) は,ISAS (Institute of Space and Aeronautical Science) の今後の衛星の試験と運用に使用される汎用のソフトウェアであり,SIB2 (Spacecraft Information Base version 2) に基づき動作する.SIB2/GSTOS-1 プロジェクトは,SPRINT-A, ASTRO-H, Bepi/MMO 向けのSIB2/GSTOSを開発するプロジェクトである.本論文では,SIB2/GSTOS-1 プロジェクトが目指すゴール,従来のISAS における典型的な衛星試験・運用システムに対する改善点を述べるとともに,現在までの開発状況,今後の課題について述べる.
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SOLAR PHYSICS AND SPACE WEATHER INSTRUMENTATION V 8862 2013年 査読有り
MISC
27講演・口頭発表等
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2023年度 宇宙科学情報解析シンポジウム 2024年2月16日宇宙研では、プロトコルの標準化により、宇宙機搭載・地上機器を共通化し、開発コストを低減している。他方で、新規の機器では、嚙み合わせでインタフェース齟齬が発見される事も多い。従来の機器は原因究明の機能が限定的であり、原因解明に時間を要していた。我々は、汎用のプロトコル表示・解析ソフトウェア Wireshark に対して、固有なアドインを作成する事で、各種のユースケースの原因究明能力の向上を図った。
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第67回宇宙科学技術連合講演会 2023年10月19日 日本航空宇宙学会This paper shows the system design and development status of the data handling system, ISC(DH), for the Martian Moons eXploration (MMX) mission. ISC(DH) consists of SMU (Spacecraft Management Unit), MDP (Mission Data Processor) and PDCU (Power Distribution Control Unit). System overviews and configuration are described.
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第67回宇宙科学技術連合講演会 2023年10月17日 日本航空宇宙学会Although the relationship between satellite onboard applications and subnetworks is defined in the CCSDS SOIS, there is no specific service interface specification for the application support layer to specifically connect applications and networks. We examined the service interface for integration with onboard applications using the SpaceWire subnetwork and confirmed the role of the service interface using the onboard software stack. We confirmed the role of the service interface using the onboard software stack.
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日本天文学会2023年秋季年会 2023年9月20日 日本天文学会SOLAR-C 計画は、日本が中心となり米欧の協力を得て推進する高感度太陽紫外線分光観測衛星である。搭載望遠鏡 EUVST は、104 K から 107 K にわたる広い温度範囲の太陽大気を、温度の隙間なく、高い時間空間分解能により観測することで、(I) 彩層・コロナなどの大気加熱過程や太陽風の加速機構、(II) 太陽フレアのエネルギー蓄積・高速磁気リコネクション過程の解明を目指す。これらの科学課題を解決するための観測プランを実施し、成果創出の最大化を図るため、SOLAR-C には、「ひので」衛星を上回る膨大な紫外線撮像分光データの取得とともに、効率的な機上データ処理や地上系システムの構築が求められる。これまでの活動では、「ミッション要求書」・「利用・運用コンセプト」・「地上系システム要求仕様書」などの文書に定義された要求を実現する方策を検討してきた。その中で、SOLAR-C では、「ひので」など既存科学衛星の地上系資産の活用を原則としつつ、新規機能の実装も構想されている。例えば、太陽フレアの高頻度多波長観測は科学課題 (II) を達成する上で最重要となるが、それを実現するため、観測装置から衛星データレコーダへの新たな高速データ書き込み方式などを検討中である。また、JAXA 内外の各部署や海外パートナー機関との調整により、リモート運用を含む効率の良い科学プランニングの実現へ向けた検討を進めている。講演では、これらの科学運用・データ処理の検討状況および「地上系システム開発仕様書」の策定状況について報告する。
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日本天文学会2023年秋季年会 2023年9月20日 日本天文学会SOLAR-C 計画は、高い空間分解能(0.4 秒角)と時間分解能をもつ撮像分光観測装置 EUVST を国際協力の中で開発し、極端紫外線 (EUV) 領域の多数の輝線による撮像分光観測から太陽上層大気の詳細な物理診断を行い、太陽の高温プラズマがどのように形成されるのか、太陽フレアがいつどのように発生するのか、という謎に挑むJAXA 小型衛星計画である。一つの装置の光学系を複数国で分担して製作し、国内で望遠鏡部の調整を終えた後に、分光装置部やスリットジョー撮像装置部の組み込みや装置単体の検証試験を海外で実施する計画としている。 本講演では、2023 年前半の終了時点での設計・開発検討の進捗状況について、いくつかの主要な要素に関して報告する。これまで注力してきた主鏡部においては、支持部に使用する接着剤の評価試験、BBM の機械的応答を通した設計確認、高解像観測のために必須となる焦点調節機構の設計、駆動部制御装置の高速処理の実現性検討などを進めてきた。これらのほかに、CFRP 表皮・アルミハニカムコアのパネルで構成する EUVST 主構造に関して、主構造に設置される光学機器や電子機器の配置や組立・調整・試験手法、飛翔運用時の機械的環境条件や軌道上の熱環境条件、汚染管理、軽量化を考慮した熱構造設計を進めている。
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37th Annual Small Satellite Conference 2023年8月9日 Utah State UniversityAs a SmallSat grows, there is an increasing need for high-speed and high-functioning sub-networks, such as SpaceWire, to connect equipment to the OBC and store large amounts of optical image data. SpaceWire has the ability for time-sensitive delivery, fast communication, and flexible network topology construction. JAXA/ISAS has developed SIB2, a low-code user application that designs telemetry commands based on a database stored on the satellite. SIB2 has a code generation function called SIB2Generator, which outputs code that performs the behavior of telemetry commands during sender/receiver and is used as a template for user applications. On the other hand, the Application Support Layer of CCSDS SOIS is positioned between sub-networks and user applications. And then, service types are defined in the Application Support Layer, but no concrete implementation interface is specified. Therefore, we have implemented an examination of the Command and Data Acquisition Services layer using SIB2 and the SpaceWire communication stack. In the executed study, we adopted the SpaceWire RMAP Library, a class library that makes SpaceWire communication. Using this library, we have designed and developed the Application Support Layer, integrating the SpaceWire application stack based on the SIB2 database design and the user application code generated by SIB2Generator.
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日本天文学会2023年春季年会 2023年3月15日 日本天文学会SOLAR-C 計画は、これまでになく高い空間分解能(0.4 秒角)と時間分解能をもつ撮像分光観測装置 EUVSTを国際協力の中で開発し、極端紫外線 (EUV) 領域の多数の輝線による撮像分光観測から太陽上層大気の詳細な物理診断を行い、太陽の高温プラズマがどのように形成されるのか、太陽フレアがいつどのように発生するのか、という謎に挑む JAXA 小型衛星計画である。高感度要求の実現のため、EUV 域で高反射率をもつコーティングを施した軸外し放物面主鏡と凹面回折格子の二要素のみで光学系を構成する。この装置による観測と他観測との同時観測の際に、互いの位置関係を正確に把握するため、EUVST はスリットジョー撮像装置も内蔵する。また、高解像観測を実現するため、2 軸ジンバル構造に乗った主鏡の傾角を駆動調整して、望遠鏡部の焦点位置にあるスリット面の太陽像の微小揺れを安定化させる。 本講演では、観測装置 EUVST の設計検討の進捗状況を報告する。主鏡製造リスク低減、コーティング応力に対する主鏡面変形の抑制、直接太陽光に晒される主鏡の冷却、また光学調整時の主鏡駆動機構の使用などの観点から主鏡部設計を見直している。CFRP 表皮・アルミハニカムコアのパネルで構成する主構造は、衛星搭載重量の見直しから軽量化設計を進めている。国内・海外分担間のインターフェース設計や国内・海外で実施する観測装置の組立・調整・試験計画の検討進捗についても報告する。
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International SpaceWire and SpaceFibre Conference 2022 (ISC2022) 2022年11月18日
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2021年度 宇宙科学情報解析シンポジウム 2022年2月18日 宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所将来宇宙機への応用が検討されているデバイスのひとつである、単一磁束量子(SFQ)回路について、そのシミュレーションデータをインタラクティブ3D CG として可視化する手法について述べる。SFQ 回路は超伝導デバイスを用いた回路であり、現在普及しているCPU 等で用いられている半導体回路とは動作原理が異なる。そのようなデバイスの仕組みを視覚的に理解する手段を提供することは、係る研究分野や、ひいては将来の宇宙探査の発展にも寄与するものであると考えられる。
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2021年度 宇宙科学情報解析シンポジウム 2022年2月18日 宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所時刻精度が重要な宇宙機のプロジェクトが立ち上がっている。一方で開発コストの低減と高度化を目的として共通システムの積極的な利用が行われている。本発表では、共通システムを用いたコマンド・テレメトリにおける制約について整理を行い、共通システムでカバー可能な範囲とプロジェクト固有で実装する範囲を明確にする。
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第22回宇宙科学シンポジウム 2022年1月6日 宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所次期太陽観測衛星 Solar-C (EUVST) は、日本が中心となり推進する2020年代の実 現を目指したミッションであり、彩層・コロナなどの太陽大気や太陽風の形成メカニ ズムの理解と太陽フレアを駆動する物理過程の解明を科学目標とする。 その科学目標を最大限に達成するには、運用計画立案から衛星へのコマンド送信・ データ受信、さらにデータセンターまでのデータ転送までをカバーする地上支援システムが、ミッション要求を満たせるよう考案・準備し運用することが必要となる。特に太陽観測においては、時事刻々と変化する太陽大気の状況に応じて目標を適切に捉えられるような運用を可能とすることが必要となる。本講演では、Solar-C (EUVST) において地上系支援システムに要求される。
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第22回宇宙科学シンポジウム 2022年1月6日 宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所PhoENiX計画は、磁気再結合に伴う粒子加速の理解を科学目的とした衛星計画で、磁気再結合が引き起こす太陽フレアを観測対象とし、粒子加速場所の特定、加速の時間発展の調査、加速の特徴の把握を目指す。そのために、新機軸の観測の実現、新しいモデルの構築、関連分野との連携という3つの手法を取る。 本研究は衛星計画(JAXA宇宙科学研究所の公募型小型計画の枠組みが第一候補)を軸とし、第26太陽活動周期の前半から極大付近にかけて(2030年代初め〜半ば)の実現を目指している。
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第22回宇宙科学シンポジウム 2022年1月6日 宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所本講演では、PhoENiXのミッション部システムの検討結果を示す。PhoENiX に搭載される観測装置のうち、Soft X-ray Imaging Spectrometer (SXIS) と Hard X-ray Imaging Spectrometer (HXIS) では、高いアライメント精度が要求される。これまでに、CFRP を用いた垂直架台と水平架台を用いることで、各種熱条件で、要求を満たす設計解を得た。他方で、衛星バスへの荷重分散及び剛性に関して課題が見いだされ、剛性の向上・ミラーモジュールの軽量化検討を実施している。
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日本天文学会2021年秋季年会 2021年9月13日 日本天文学会次期太陽観測衛星 Solar-C (EUVST) は、日本が中心となり推進する 2020 年代の実現を目指したミッションである。Solar-C (EUVST) は、広い温度範囲(104 − 107K)を高時間・空間分解能で観測する極端紫外線域の分光撮像装置によって、(1)彩層・コロナなどの太陽大気や太陽風の形成メカニズムの理解と、(2)太陽フレアを駆動する物理過程の解明を科学目標としている。 科学衛星がその科学目標を最大限に達成するには、運用計画立案から衛星へのコマンド送信・データ受信、さらにデータセンターまでの取得データ転送までをカバーする地上支援システムが、ミッション要求を満たせるように考案・準備して運用することが必要となる。Solar-C (EUVST) では、太陽観測衛星「ひので(Solar-B)」や既存科学衛星で利用する地上系資産の活用を原則としながら、新しい機能を要求する。例えば、太陽フレアの捕獲は科学目標達成のため重要な観測であり、観測テレメトリ消費が多い観測も計画される。そのような重点プログラムをタイミングよく走らせることは難しいが、Solar-C (EUVST) ではサーキュラバッファの確保とそれに対応するデータダウンリンクシステムの実装により実現する。また、Solar-C (EUVST) では狭視野・高空間分解能の地上望遠鏡との協調観測も念頭に置かれた科学観測を計画しているが、科学衛星において小さな空間構造を持つ大気活動現象に対して高精度で位置合わせを行うことは難しい。そのため、Solar-C (EUVST) ではリアルタイム運用時に望遠鏡の視野中心を指定できるような、リアルタイム位置調整の機能を検討中である。
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日本天文学会2021年秋季年会 2021年9月13日 日本天文学会磁気再結合は、磁場中に蓄えられて磁気エネルギーを解放し、そのエネルギーを運動エネルギー、熱エネルギーに短時間で変換することが出来るプラズマプロセスである。そしてこの磁気再結合は、効率的な粒子加速のための環境を形成する機構として注目されている。例えば、太陽フレアはこの磁気再結合によって駆動されており、解放された多くの(時に半分以上もの)エネルギーが粒子の加速に使われていることが知られている大変優秀な加速器である。しかし、その加速機構については未だ未解明である。その理由は、太陽フレアのシステムとしての複雑さにある。太陽コロナ中で生じる磁気再結合は、様々なプラズマ構造(電流シート、プラズモイド、衝撃波、乱流、磁気ループ構造など)を形成するが、これらの各構造はエネルギーの変換器(加速器)として作用することができる。つまり、加速器としての太陽フレアを理解するためには、これらの構造を取りまとめシステムとして理解する必要があるのである。しかし、これまでの研究は、観測も理論も各構造を切り出しての研究しか行われておらず、このため太陽フレアにおける粒子加速は謎のままとして残っている。そこで我々は、観測・理論の両面で、太陽フレアをシステムとして研究する取り組みを行っている。本講演では、これらの進捗状況を紹介する。
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日本地球惑星科学連合2019年大会 2019年5月26日 日本地球惑星科学連合
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日本地球惑星科学連合2019年大会 2019年5月26日 日本地球惑星科学連合
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Flight Software Workshop 2018 2017年12月6日
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平成 28 年度宇宙科学情報解析シンポジウム 2017年2月10日
共同研究・競争的資金等の研究課題
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 2007年 - 2009年
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 2004年 - 2005年
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 2002年 - 2004年
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 2002年 - 2002年
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 2000年 - 2001年