大貫 学, 吉野 悟, 三宅 淳巳, 富山 昇吾, 羽生 宏人, 小森谷 友絵, 坂本 恵一
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 14 33-40 2015年3月
本研究の目的は,ガス発生剤として1,2,4-トリアゾール-3-オン銅錯体硝酸塩(TOCu)を合成し,熱的特性および初期分解機構の検討からTOCuの反応性に及ぼすCuの影響を検討することである.ガス発生剤としての性能評価は燃焼試験により行った.TOCuは,1,2,4-トリアゾール-3-オン(TO)および硝酸銅(2)・3水和物(Cu(NO3)2・3H2O)を用いて合成した.元素分析の結果からTOCuは,Cu2+-bis[(C2H3N3O)(NO3)(-)]・2H2Oとして合成された. TOCuの熱的特性を検討し,発熱量および発熱ピークの鋭さからTOおよびTO/Cu(NO3)2 3H2Oのそれらより反応性が向上されたことがわかった.生成ガス分析からTOCuは,N2,H2O, HNCO, HCN,CO2,CO,NOx ,NH3のガスが生成されることがわかった.TOCuの燃焼特性の検討し,Vieille's の式に従い圧力指数を算出し,0.6451であることがわかった.