上林 美保子, 岸 恵美子, 佐藤 眞理, 阿部 亜希子, 黒田 裕子, 佐藤 睦子, 中板 育美, 福島 富士子, 横山 美江, 平野 かよ子
岩手県立大学看護学部紀要, 16 19-28, Mar, 2014 Peer-reviewed
東日本大震災の発生時から9月に至るまでの被災地で行われた保健師等による母子保健活動の実践とその課題を明らかにした。岩手県沿岸部の4ヶ所の保健所と12市町村において2011年3月以前から2012年3月の間に母子保健事業に従事し、母子保健関連情報を持つ実務経験3年以上の保健師を対象とした。調査はインタビューガイドに沿った半構成的グループインタビューであった。対象者は3ヶ所の保健所保健師3名、非常勤保健師1名、沿岸部12市町村の母子保健を担当する保健師及び母子保健担当の係長18名、計22名であった。インタビュー内容はICレコーダーに録音し、得られたデータについて逐語録を作成し、データとした。分析の結果「情報」「物資」「人的支援」に関連する課題が抽出された。さらに、その課題に解決には平時からの「母子との密接な関係性」「母子情報の安全な保管・管理体制の構築」と非常事態の際の「保健師の役割の明確化」が必要なことが示された。