研究者業績

松家 敬介

マツヤ ケイスケ  (Keisuke Matsuya)

基本情報

所属
武蔵野大学 工学部 数理工学科 准教授
学位
博士(数理科学)(東京大学)
修士(数理科学)(東京大学)
学士(教養)(東京大学)

J-GLOBAL ID
201701011931843748
researchmap会員ID
B000270189

研究キーワード

 3

論文

 19
  • 松家 敬介
    武蔵野大学数理工学センター紀要 (8) 54-58 2023年3月  査読有り
    著者は, これまでの研究で, 常微分方程式系の離散化で得られた差分方程式それぞれの平衡解とその安定性について比較し, 差分刻みを十分小さくすることで離散化で得られた差分方程式系の平衡解の安定性に関する条件が元の常微分方程式系のそれに近づくことが分かっている. この結果から差分刻みの大きさによって, それぞれの平衡解の安定性にずれが生じることもわかっている. 本稿ではこれまでの研究で提案していた離散化を修正し, 差分刻みによって平衡解の安定性が元の微分方程式のそれと変化しないものを提案する.
  • 松家 敬介
    武蔵野大学数理工学センター紀要 (7) 10-20 2022年3月  査読有り
    本稿では,これまでの研究で与えていた離散化の手法を用いた競争拡散系の離散化を与え,そこで得られた偏差分方程式系の特定の領域における平衡解の安定性について議論したその結果,平衡解の安定性はもとの競争拡散系の平衡解の安定性ときれいに一致するということがわかった離散化を行うと,一般的には解の構造の一部が崩れてしまうが,平衡解の安定性に関して定性的には変化しておらず,今回扱った偏差分方程式系は離散化としてはよいものであると言える.
  • 松家 敬介
    武蔵野大学数理工学センター紀要 (6) 61-68 2021年3月  査読有り
    反応拡散方程式には, 初期条件の大小関係が解の大小関係と一致するという比較原理が知られている. 本稿では, これまでの研究で反応拡散方程式の離散化が提案されており, その離散化で得られた偏差分方程式に対して, 比較原理がどういった形であらわれるか議論した. その結果, 差分刻みに対する条件を与えることで比較原理が成り立つことが分かった. ただし, この条件は十分条件となっている.
  • 松家 敬介
    武蔵野大学数理工学センター紀要 (5) 66-71 2020年3月  査読有り
    Duhamelの原理は斉次線形偏微分方程式の解から対応する非斉次線形偏微分方程式の解を得る手法として知られている. 本稿では, 非斉次線形熱方程式から差分法で得られる差分方程式に対するDuhamelの原理の離散類似を述べ, さらに, 非斉次線形波動方程式から差分法で得られる差分方程式に対するDuhamelの原理の離散類似も与える.
  • 松家 敬介
    武蔵野大学数理工学センター紀要 (4) 50-58 2019年3月  査読有り
    本稿では反応項が有理式である反応拡散系に対応する常微分方程式系の離散化を用いることで反応拡散系の減算のない離散化を与えた. 今回の離散化で得られた偏差分方程式系は元の反応拡散系と同じ平衡解をもち, それぞれの平衡解の安定性について考察し, Turing不安定性が生じる条件について比較した. その結果, 差分刻みを十分小さくすることで離散化で得られた偏差分方程式系のTuring不安定性が生じる条件が元の反応拡散系のそれに近づくことが分かった.
  • 松家 敬介
    武蔵野大学数理工学センター紀要 (3) 53-64 2018年3月  査読有り
    Gray-Scottモデルは自己触媒反応の数理モデル化として知られている反応拡散系である.<br /> これまでの研究で, Gray-Scottモデルの超離散化可能な離散化とその差分方程式系のパラメータを変えることで様々な時空パターンを与える解が得られている.<br /> 本稿では, これまでの研究で得られている離散化に対してTuring不安定性を議論し, その差分方程式系の解が示す一部の時空パターンがTuring不安定性によって切り替わることを見出した.
  • 松家 敬介
    武蔵野大学数理工学センター紀要 (2) 64-70 2017年3月  査読有り
    ロジスティック方程式に時間遅れを入れたHutchinson-Wright方程式は生物種の数が時間遅れの効果を伴って生物種の増減に影響を及ぼす数理モデルとして知られている. 本稿ではHutchinson-Wright方程式の離散化を$2$種類提案する. それぞれの離散化には微分方程式と同じく二つの平衡解があり, それぞれの平衡解の安定性について考察する.
  • 松家 敬介
    九州大学応用力学研究所研究集会報告 28AO-S6(1) 99-104 2017年3月  査読有り
    Hutchinson-Wright (以下, HW) 方程式はロジスティック方程式に時間遅れを入れた方程式であり, 生物種の数が時間遅れの効果を伴って生物種の増減に影響を及ぼす数理モデルである. HW 方程式の平衡解の安定性は時間遅れのパラメータによって変化することが知られている.本稿では, HW 方程式の離散化の平衡解の大域的安定性と時間遅れのパラメータの関連性について議論する.
  • K. Matsuya, F. Yura, J. Mada, H. Kurihara, T. Tokihiro
    SIAM JOURNAL ON APPLIED MATHEMATICS 76(6) 2243-2259 2016年11月  査読有り
    Angiogenesis is the morphogenetic phenomenon in which new blood vessels emerge from an existing vascular network and configure a new network. In consideration of recent experiments with time-lapse fluorescent imaging in which vascular endothelial cells exhibit cell-mixing behavior even at a tip of newly generated vascular networks, we propose a discrete mathematical model for the dynamics of vascular endothelial cells in angiogenic morphogenesis. The model incorporates two-body interaction between endothelial cells which induces cell-mixing behavior and length of the generating blood vessel shows temporal power-law scaling behavior. Numerical simulation of the model successfully reproduces elongation and bifurcation of blood vessels in the early stage of angiogenesis.
  • 間田 潤, 松家 敬介, 由良 孝文, 栗原 裕基, 時弘 哲治
    日本応用数理学会論文誌 26(1) 105-123 2016年3月  査読有り
    血管新生を記述する単純な数理モデルを考察する.最近の血管新生における内皮細胞運動のタイムラプス撮影の実験を参考に, 内皮細胞の新生血管先端での密度のみにより, 新生血管の伸長と分岐が定まることを仮定すると, 非線形連立常微分方程式によって記述されるモデルが導かれる.細胞分裂およびVEGEFなどの内皮細胞の運動を活性化する因子の影響も取り入れ, 厳密解および数値シミュレーションの結果を示す.
  • 松家 敬介
    武蔵野大学数理工学センター紀要 (1) 92-100 2016年3月  査読有り
    爆発解とは, 急激な増加現象を示す微分方程式の解の一種である.<br /> 非線形項がべき乗の形をした半線形熱方程式(SLH)は爆発解をもつことが知られており, さらにSLHのCauchy問題に爆発解が存在する条件に関する先行研究もある.<br /> これまでの研究でSLHの離散化であって, 爆発解の離散類似をもつものが得られており, さらにSLHのCauchy問題と同様の議論も出来ている.<br /> 本稿では, これまでの研究で得られているSLHの離散化について解説した後にSLHのDirichlet問題に対応する差分方程式の初期値境界値問題について議論し, 初期条件が十分に小さいときに差分方程式の解が爆発しないことを示した.
  • 松家敬介, 栗原裕基, 時弘哲治
    マス・フォア・インダストリ研究 3 1-16 2015年3月  査読有り
    血管新生とは, 生体内で既存の血管から新しい血管が分岐し, 新しい血管網が構築される現象のことである。<br /> 血管内皮細胞の挙動に関する近年の実験結果に基づき,本稿では, 血管新生における血管内皮細胞の挙動のセルオートマトンモデルを提案する。<br /> このセルオートマトンモデルは, 細胞間の追い越し現象及び血管の伸長と分岐の効果を取り入れたものとなっている。<br /> さらに, セルオートマトンモデルに対応する, 求積可能な微分方程式モデルも提案する.
  • 松家 敬介, 金井 政宏
    九州大学応用力学研究所研究集会報告 26AO-S2(1) 80-86 2015年3月  査読有り
    本稿では, Newellが提案した時間遅れ微分方程式で記述される交通流モデルの離散化及び超離散化を紹介する. 離散化及び超離散化で得られた差分方程式は時間遅れをもつことがわかった. また, それらの進行波解についても議論する.
  • Keisuke Matsuya, Mikio Murata
    DISCRETE AND CONTINUOUS DYNAMICAL SYSTEMS-SERIES B 20(1) 173-187 2015年1月  査読有り
    Ultradiscretization is a limiting procedure transforming a given difference equation into a cellular automaton. In addition the cellular automaton constructed by this procedure preserves the essential properties of the original equation, such as the structure of exact solutions for integrable equations. In this article, we propose a discretization and an ultradiscretization of Gray-Scott model which is not an integrable system and which gives various spatial patterns with appropriate initial data and parameters. The resulting systems give a traveling pulse and a self-replication pattern with appropriate initial data and parameters. The ultradiscrete system is directly related to the elementary cellular automaton Rule 90 which gives a Sierpinski gasket pattern. A (2 + 1)D ultradiscrete Gray-Scott model that gives a ring pattern and a self-replication pattern are also constructed.
  • 松家 敬介
    RIMS 講究録別冊 B47 33-40 2014年6月  査読有り
    In this paper, we propose a discretization and an ultradiscretization of Gray-Scott model which is not an integrable system and which gives various spatial patterns with appropriate initial data and parameters.<br /> The resulting systems give a traveling pulse and a self-replication pattern with appropriate initial data and parameters.<br /> This work is a joint work with Mikio Murata in Tokyo University of Agriculture and Technology.
  • 松家 敬介
    九州大学応用力学研究所研究集会報告 25AO-S2(1) 41-46 2014年3月  査読有り
    Gray-Scottモデルは,解に様々な時空パターンを与える2変数反応拡散系として知られている.<br /> 村田実貴生氏との共同研究により,時空パターンを保存した離散化及び超離散化が得られた.<br /> 本稿では,連続系と離散系の解の対応を見るために,離散Gray-Scottモデルの解の収束について議論する.
  • Keisuke Matsuya
    JOURNAL OF DIFFERENCE EQUATIONS AND APPLICATIONS 19(3) 457-465 2013年3月  査読有り
    In this paper, a discretization of a semilinear wave equation whose nonlinear term is a power function is investigated. It is shown that, when a condition on the initial value problem, similar to that governing the existence of blow-up solutions for the original continuous equation is met, the newly introduced difference equation has blow-up solutions with characteristics corresponding to those of the blow-up solutions for the original equation.
  • 松家 敬介
    九州大学応用力学研究所研究集会報告 23AO-S7(1) 48-53 2012年3月  査読有り
    非線形項が累乗関数の形をした非線形波動方程式の離散化を報告する。この離散方程式は元の偏微分方程式の解の爆発に対応した性質をもつ解が存在する。元の偏微分方程式が爆発解をもつ条件として空間次元に依存したものが知られており、その離散アナログが得られたこともあわせて報告する。
  • Keisuke Matsuya, Tetsuji Tokihiro
    DISCRETE AND CONTINUOUS DYNAMICAL SYSTEMS 31(1) 209-220 2011年9月  査読有り
    Existence of global solutions to initial value problems for a discrete analogue of a d-dimensional semilinear heat equation is investigated. We prove that a parameter a in the partial difference equation plays exactly the same role as the parameter of nonlinearity does in the semilinear heat equation. That is, we prove non-existence of a non-trivial global solution for 0 &lt; alpha &lt;= 2/d, and, for alpha &gt; 2/d, existence of non-trivial global solutions for sufficiently small initial data.

MISC

 3
  • 松家 敬介
    MI lecture note series 67 48-53 2016年2月  
  • 間田潤, 松家敬介, 由良文孝, 時弘哲治, 時弘哲治, 時弘哲治, 栗原裕基, 栗原裕基, 栗原裕基
    日本応用数理学会年会講演予稿集(CD-ROM) 2015 ROMBUNNO.9GATSU10NICHI,09:30,C,1 2015年9月2日  
  • 松家敬介, 時弘哲治
    数理科学 48(11) 13-18 2010年11月  
    非線形項がべき乗関数の形をした半線形熱方程式には爆発解及び時間大域解が存在することが知られている.藤田宏氏らによってこれらの解の存在を特徴づける指数に関する定理が得られている.本稿では半線形熱方程式の離散化であり、藤田氏らの定理の離散類似を満たすものが得られたことを報告した.

講演・口頭発表等

 14
  • 松家 敬介
    日本応用数理学会2019年度年会 2019年9月 日本応用数理学会
    Gray-Scottモデルは自己触媒反応の数理モデルであり, 解として様々な時空パターンを与える反応拡散系として知られている. これまでの研究で, Gray-Scottモデルの超離散化可能な離散化とその差分方程式系のパラメータを変えることで様々な時空パターンを与える解が得られている. 本講演はに基づくもので, これまでの研究で得られている離散化に対してTuring不安定性を議論し, その差分方程式系の解が示す一部の時空パターンがTuring不安定性によって切り替わることが分かった.
  • Keisuke Matsuya, Mikio Murata
    ICIAM 2019 2019年7月 ICIAM
    Ultradiscretization is a limiting procedure transforming a given difference equation into a cellular automaton. In this talk, we propose a discretization and an ultradiscretization of Gray-Scott model which is a reaction-diffusion system and whose solutions give various spatial patterns. The ultradiscrete system is directly related to the elementary cellular automaton Rule 90 which gives a Sierpinski gasket pattern. We also discuss relation between spatial patterns of the discrete system and Turing instability.
  • Keisuke Matsuya, Mikio Murata
    Mathematics for Materials Science and Processing 2016年2月 Institute of Mathematics for Industry
    Ultradiscretization is a limiting procedure transforming a given difference equation into a cellular automaton. In addition the cellular automaton constructed by this procedure preserves the essential properties of the original equation, such as the structure of exact solutions for integrable equations. In this article, we propose a discretization and an ultradiscretization of Gray-Scott model which is not an integrable system and which gives various spatial patterns with appropriate initial data and parameters. The resulting systems give a traveling pulse and a self-replication pattern with appropriate initial data and parameters. The ultradiscrete system is directly related to the elementary cellular automaton Rule 90 which gives a Sierpinski gasket pattern. A (2+1) dimension ultradiscrete Gray-Scott model that gives a ring pattern and a self-replication pattern are also constructed.
  • 松家敬介, 金井政宏
    日本応用数理学会 2015年 研究部会 連合発表会 2015年3月 日本応用数理学会
    本講演では, Newellが提案した時間遅れ微分方程式で記述される交通流モデル の離散化及び超離散化を紹介する. また, 離散化及び超離散化で得られた差分方程式は時間遅れをもち, それらの進 行波解についても議論する.
  • 松家敬介, 時弘哲治, 栗原裕基
    生命ダイナミックスの数理とその応用: 異分野とのさらなるの融合 2014年12月 統計数理研究所
    血管新生とは、生体内で既存の血管から新しい血管が分岐し血管網が構築される現象のことである。新しい血管は、血管内皮細胞の増殖と遊走によって形成される。本講演では、血管新生における血管内皮細胞の挙動に関する実験及び、実験データを元にして構成した内皮細胞の挙動のセルオートマトンモデルを紹介する。さらに、このセルオートマトンモデルに基づいた微分方程式モデルについても解説する。 また、本講演に関する研究を通じた講演者の所感と共に、数理科学と生命科学の融合研究に対する、講演者の考える課題についても述べたい。