研究者業績

日野 慧運

ヒノ エウン  (Hino Eun)

基本情報

所属
武蔵野大学 人間科学部人間科学科 准教授
学位
学士(東京大学)
修士(文学)(2008年3月 東京大学)
博士(文学)(2016年10月 東京大学)

研究者番号
70759654
J-GLOBAL ID
201701007855752340
researchmap会員ID
B000271039

研究キーワード

 3

論文

 9
  • 日野 慧運
    印度學佛教學研究 67(1) 411-406 2018年12月  査読有り
  • 日野 慧運
    印度學佛教學研究 66(2) 848-844 2018年3月  査読有り
  • 日野慧運
    印度學佛教學研究 64(2) 869-864 2016年3月  査読有り
  • 日野慧運
    インド哲学仏教学研究 23(23) 39-56 2015年3月  査読有り
  • 日野慧運
    印度學佛教學研究 63(3) 1271 (177)-1275 (181) 2015年3月  査読有り
    古代インド医学の解明において,アーユルヴェーダと総称される体系が確立される以前の姿を伝えるものとして,仏教典籍における医療の描写が重要であることは,夙に指摘されてきたところである.本研究では,仏教思想史上に中期大乗経典と位置づけられる『金光明経』「除病品」に見られる医学的記述を取り上げ,アーユルヴェーダ文献との比較を試みる.『金光明経』における医学的記述は,季節(rtu)の定義,季節毎の病素(dosa)の異常,それに対するラサ(rasa)や療法を説いており,『チャラカ本集』『スシュルタ本集』などをはじめとするアーユルヴェーダ文献に共有された季節養生法の一節と対応している.しかし委細に比較すると,季節,病素,ラサの観念はアーユルヴェーダのそれと合致せず,むしろ仏教固有の季節観,身体観を反映したものであることが判明する.本研究は上の検討を通して,『金光明経』の医学的記述が,正統派アーユルヴェーダ文献とは別系統の医学伝承に属するものか,あるいはその季節養生法の形式のみを模倣しつつ仏教教義をベースに編纂されたものである可能性を指摘する.
  • 日野慧運
    印度學佛教學研究 62(3) 1194 (130)-1198 (134) 2014年3月  査読有り
    捨身飼虎もしくは婆羅門(又は王子)本生話として知られる,北伝大乗仏典に独特の本生話には,複数の話型が存在する.そのうち摩訶薩埵王子が母虎と七疋の仔虎に捨身するというヴァージョンは,他仏典や図像にも数多く表れる著名なもので,<金光明経>がそのオリジナルとして示されることが多い.本稿では,広く伝播した漢訳『金光明経』『金光明最勝王経』等に見える同話と,梵語原典所収話とに異同があることを紹介し,とくに仔虎の疋数を漢訳では七疋とするのに対して梵本および蔵本では五疋とする点に着目する.その上で先行研究に依りつつ他文献に表れる同話諸ヴァージョンを概観し,仔虎を五疋とする並行話が存在しないことを確認する.これらをもとに,本経のいわゆる原型urtextに収められた同話がいかなるものであったか,そこから伝承の中でいかに変容したかを推察することによって,本経諸伝本の伝承系統に関する若干の考察を試みる.
  • 江田昭道, 日野慧運
    仏教文化研究論集 13・14(13) 3-34 2011年3月  査読有り
  • 日野慧運
    浄土真宗総合研究 6(6) 198-178 2011年3月  
  • 日野慧運
    Journal of Indian and Buddhist Studies 58(3) 1187 (71)-1191 (75) 2010年3月  査読有り
    『金光明経』(Suvarna(pra)bhasottamasutra=Suv)は,懺悔滅罪を教理的核としつつ,『般若経』『法華経』の影響を強く受けた中期大乗経典である.一方で,その呪句・儀軌の詳細・豊富さから,チベットにおいては密教経典として分類されてきた.大乗仏教と密教の要素を併せ持つこのSuvを,増広発展にともなって密教的色彩が漸次濃くなってゆく形成史上の性格も考えあわせて,筆者は大乗仏教から密教へというインド仏教思想史上の過渡期を体現する経典と位置づけるのが適当と考える.このような視座に立ちつつ,本稿ではSuv中の「四天王品」において説かれる説法師供養のための「法の聴聞のための供養儀礼」を検証する.この「供養儀礼」は初期大乗に一般的な供養法の要素を具えると同時に,一尊格を礼拝の対象とし,行法の果報として勧請・成就・除災等の現世的利益を期するという点において,いわゆる雑密経典における儀礼に共通する性格を持つ.「供養儀礼」のこのような性格を明らかにしたうえで,この「供養儀礼」と,Suv中の「弁才天女品」(Sarasvati-parivarta)に表れる「呪薬洗浴法」(snanakarman),および「四天王品」の増広部分(義浄訳『金光明最勝王経』のみ)に表れる「多聞天勧請儀礼」という密教儀礼を比較し,両者が「供養儀礼」に牽引されて導入されている構造を明らかにする.さらにそこから,説法師(dharmabhanaka)がその導入に関わった可能性について考察する.

MISC

 7

書籍等出版物

 8

講演・口頭発表等

 6

担当経験のある科目(授業)

 8

所属学協会

 5