藤平 昌寿
日本デジタル教科書学会第4回年次大会 2015年8月12日 日本デジタル教科書学会
音楽教育において、音感・色聴などと呼ばれる聴音能力に関する研究は、教育的側面だけでなく、音響学・心理学等からのアプローチも含めてかなり行われている。一方で、譜面を読む、いわゆる読譜については、教科書の変遷や分析・実践研究などは行われているが、譜面から音程やリズムを推定する読譜行為そのものに触れている研究はまだ数少ない。また、複雑な読譜は、幼少期から特別な音楽教育に触れてきた者特有の能力と位置付けられる風潮もあり、集団的な教育現場では口伝的に伝えるのが精一杯との認識も根強い。簡易な読譜ができないということは、「1+2=」という数式を見て3個の具体的物体を思い浮かべられない、或いは、「apple」という英単語を見てリンゴを思い浮かべられない、ということとあまり相違ないと考えられる。本研究ではその端緒として、音だけを聞いて音程を推測する行為と、音と連動して動く視覚的な譜面を見せながら音程を推測する行為とを比較し、デジタル教材による読譜行為への影響を考えたい。