鈴木 公啓, 上杉 英生, 野澤 桂子, 矢澤 美香子, 藤間 勝子, 飯野 京子, 嶋津 多恵子, 佐川 美枝子, 綿貫 成明, 市川 智里, 栗原 美穂, 坂本 はと恵, 栗原 陽子
東京未来大学研究紀要 10 87-95 2017年
<p> 本研究の目的は、がん化学療法を受け、脱毛および爪の変化が予測される患者に対して実施している情報提供の内容と方法の実態を明らかにすることであった。全国がん診療連携拠点病院397施設を対象に、質問紙調査を実施し、162名(回収率40.1%)の看護師より回答を得た。情報提供の内容と方法について自由記述を求め、その記載内容を質的に分析した。看護師の外見ケアに関する情報源は、専門書籍、業者などであることが示された。また、患者への情報提供の内容は10のカテゴリーが生成され、外見の変化を体験する患者が十分に理解でき適切な方法を選択できるためには、多様な情報が必要であることが明らかとなった。また、患者への情報提供の方法は5つのカテゴリーが生成され、情報を効果的に提供するための方法として、治療スケジュールを考慮したケアをおこなったり、情緒的なケアを平行しておこなったりしていることが明らかになった。</p>