森 美智子, 金井 悦子, 堀川 直史, 丹羽 淳子
日本赤十字武蔵野短期大学紀要 11(11) 37-50 1998年
本研究は平成8・9年度の文部省科学研究費(基盤研究C)の交付を受けたものである。手術後せん妄発症状況にある患者の感情と複数の発症因子を調査し, 心理状態と入院生活の状況構成因子との関係を分析し, せん妄に関与する因子を明らかにした。そして因子と発症の関係を検討することによって, せん妄発症をコントロールできる可能性を追求するのが目的である。対象は調査開始後に, 術後せん妄を発症した17名である。その結果は, せん妄発症因子として, 複数のチューブ類の挿入・発熱・疼痛などの苦痛, 睡眠覚醒周期障害, 血圧低下, Hb低下, Na・Cl低下, BUN・GOTの異常があげられた。せん妄発症のメカニズムとしては睡眠覚醒周期障害があげられ, それがない限りせん妄は発症しにくいと考えられる。