山内 理恵, 中楯 奨, 畑 春実, 西丸 宏, 井上 信宏, 湯本 哲郎
薬学教育 9 e09026 2025年10月 査読有り
近年,18歳人口の減少に伴う大学進学率の増加の影響で,多様な背景や学力をもつ学生が入学するようになった.そのため,薬学部では入学後の専門科目の習熟度向上に資する目的で学修支援の近代化や個別化が図られている.たとえば,IRの推進を背景とした学修ポートフォリオや教務関連情報のIT化による分析力強化,教育IDに基づくより良い学習環境の提供,学生個々の認知スタイルや価値観を考慮した学修カウンセリングなどが実施され,成果が上がりつつある.しかし未だ過渡期であり,低学年からの習熟度の早期把握と支援,その質向上という本質的な学修支援改革がさらに求められている.そこで我々は,第9回日本薬学教育学会大会にて「薬学生の学修支援改革」をテーマとしたシンポジウムを行い,薬系私立4大学の取組事例から得られた知見や課題について共有した.悩みを抱える薬学生の学修支援向上のため,少しでも皆様の教育活動のヒントになれば幸いである.