井垣 宏, 齊藤 俊, 井上 亮文, 中村 亮太, 楠本 真二
情報処理学会論文誌 54(1) 330-339 2013年1月15日
我々は受講生のプログラミング演習時におけるコーディング過程を記録し,可視化して講師に提示するシステムC3PVを提案する.本システムは,ウェブ上で動作するオンラインエディタとコーディング過程ビューから構成されている.オンラインエディタは受講生のコーディングプロセスにおける,文字入力,コンパイル,実行,提出といったすべての行動を記録する.コーディング過程ビューは課題の進み具合いや受講者の相対的な進捗遅れを可視化して講師に提示する.講師はあるエラーに関して長時間悩んでいる受講生や全体の進捗と比較して遅れている受講生をC3PVによって確認し,個別指導といった支援につなげることができる.本研究では実際にC3PVを学部1年生が受講するJavaプログラミング演習に適用し,C3PVによって可視化されたコーディング過程を利用した受講生対応を行った.その結果,コーディング過程ビューに基づいて対応した45件中38件(約84%)において,実際に受講生がサポートを必要としていたことが確認できた.In this paper, we propose a coding process visualizer for programming practice. Our system named "C3PV" consists of an online editor and a coding process viewer. The online editor can collect all coding process performed by each student. The coding process viewer can visualize whether the students are doing well about their programming exercises. This viewer enables a lecturer and teaching assistants to identify the students who are falling behind the rest of the class. We confirmed that the system could determine whether the student needed our help with 84 percent accuracy by some practical experiments.