研究者業績

中村 太戯留

ナカムラ タギル  (Tagiru NAKAMURA)

基本情報

所属
武蔵野大学 データサイエンス学部 (教養教育) 教授
学位
博士(学術)(慶應義塾大学)
修士(政策・メディア)(慶應義塾大学)
学士(環境情報学)(慶應義塾大学)

J-GLOBAL ID
200901029865078729
researchmap会員ID
5000048922

慶應義塾大学環境情報学部卒業、同大学院政策・メディア研究科にて論文博士を取得、同環境情報学部講師(非常勤)。東京工科大学メディア学部助手、同片柳研究所助教を経て、同メディア学部演習講師(非常勤)。武蔵野大学データサイエンス学部(教養教育)教授。博士(学術)。
専門は社会神経科学、実験心理学、言語学(語用論)。ポジティブ情動(ユーモア)に関する言語論的モデル化、心理学的実験、そして脳科学的実験を推進している。


論文

 61
  • 中村太戯留
    Musashino University Smart Intelligence Center 紀要 7 95-102 2026年3月  査読有り筆頭著者
    受講生がグループワークで作成した心理測定尺度に,オンラインの回答フォームで相互回答する際,受講生ごとに異なる確認コードを用いることで,受講生間では回答者の匿名性を担保しつつ,教員は各受講生の活動を評価可能な方法を考案し,授業の効率化と受講生の学修意欲の向上を図った.これまでは,まず教員のみが回答を閲覧できる状態で記名式の回答をしてもらい,次に教員が手作業で匿名化して受講生にその回答を共有する方式をとっていた.しかし,授業中に教員がそれを実施すると受講生を待たせて学修意欲が低下したり,遅れて送付された回答を何度も転記して非効率だったりという難点があった.そこで,生成AIで受講生ごとに異なる確認コードを生成して予め個別配信し,その確認コードを相互回答の際に記載してもらい,そして各回答は即時的に共有する方法を考案した.これを用いた相互回答を異なる週に3回実施したところ回答率はいずれも97%以上であり,また受講生にアンケートで安心して回答できたかどうかを5件法で尋ねたところ5段階目が最頻値であった.そのため,確認コードを記載して回答を即時共有する方法により,授業の効率化と受講生の学修意欲が促進され,高い回答率に貢献した可能性が示唆された.
  • 中村太戯留, 糸田孝太
    Musashino University Smart Intelligence Center 紀要 7 47-54 2026年3月  査読有り筆頭著者
    本稿では,「プログラミング基礎」というAI副専攻科目における多様な学生の学修意欲の向上を図りつつ,前年までの問題点を解消する取り組みについて報告する.前年までは,こころざし半ばにして履修放棄する受講生が後を絶たないことが問題であった.受講生は,1回分の講義に相当する分量の授業資料の精読を,授業前にオンデマンド型のオンライン授業として予習したうえで,同時双方向型のオンライン授業に臨む必要があり,予習に対する心理的ハードルが高い可能性が考えられた.対策として,スキマ時間に,講師とは異なる立場から受講生に寄り添った音声解説をして,心理的ハードルを下げるように試みた.具体的には,ラジオ番組のナビゲーターに見立てた生成AIの2人の声を用いて,トークショーのように会話しながら予習資料のポイントを音声解説し,通学途中の電車の中などのスキマ時間に視聴できるように毎週配布した.音声解説が理解を深めるのに役立ったかを5件法で受講生に尋ねたところどの週も5段階目が最頻値であり,心理的ハードルの低減に役立ったかについても5段階目が最頻値であった.この対策を実施したクラスのAI副専攻生の履修完遂率は98%であり,ラジオ番組風の音声解説により,予習に対する心理的ハードルが低減し,そのことが履修放棄の低減に貢献した一因である可能性が示唆された.
  • 中村太戯留
    The Basis : 武蔵野大学教養教育リサーチセンター紀要 16 95-108 2026年3月  査読有り筆頭著者
    ユーモア理解の世代差について、保護フレームと関連性が面白さに影響を与えるとモデル化する「見いだし」理論の説明可能性を検討した。その結果、全世代で関連性が面白さに与える影響は保護フレームよりもはるかに大きく、「見いだし」理論の説明可能性が示唆された。また、身近な生活圏を舞台としたネタは全世代で面白さが高かった。なお、40代は社会的な広がりを舞台としたネタに冷淡で、彼らの生きた時代の影響と解釈された。
  • 中村太戯留
    第42回日本認知科学会大会予稿集 772-775 2025年9月  査読有り筆頭著者
    ユーモア理解の地域差について,ユーモア理解の「見いだし」理論による説明の可能性を検討した.具体的には,保護フレームないし関連性がユーモアの面白さに与える影響について,ひねり,ユーモア態度,居住地域による変調の可能性を実証的に検討した.その結果,居住地域により関連性を感知するひねりやユーモア態度に違いがあり,保護フレームの作用と合わせて,ユーモアの面白さに影響する可能性が示唆された.
  • 中村太戯留, 岡田龍太郎
    Musashino University Smart Intelligence Center 紀要 6 71-78 2025年3月  査読有り筆頭著者
    本稿では,「データサイエンス活用 1」および「データサイエンス活用 2」という連続した科目の連携を強化しつつ,前年までの問題点を解消する取り組みについて報告する.この科目は予測力や選択力の育成を念頭に,各授業回の前半で講義し,後半でグループワークも含めてその内容を演習するという内容の授業となっている.ただ,設定可能な授業時間枠の都合から,各授業回は 1 コマのみとなっていた.そのため,受講生が最終課題に取り組む期間が短いことと,そのグループワークのために要する授業時間外の活動時間の確保が困難ということが問題であった.対策として,開講時間が近接した別科目と連携し,2 コマ続きの授業時間枠をタイムシェアリングする方法を導入した.2 つの授業回の間に別科目の授業回をはさむことで課題に取り組む期間を長くすることができ,2 コマ続きの授業にすることで授業時間内の受講生のグループワーク時間を増やすことが可能となった.その結果として,受講生の毎週の授業時間外の活動時間は,前年の 5.2 時間から 3.6 時間に減少し,適正化が確認された.このことから,設置可能な授業時間枠が限られた科目群における授業時間枠のタイムシェアリングの有効性が示唆された.

MISC

 28
  • 中村 太戯留
    日本心理学会第89回大会発表論文集 1316 2025年9月  筆頭著者
    ユーモア理解の見いだし理論では,保護フレームが機能した状態において関連性を感知するとユーモアが生じると提案している。一方,優越理論では攻撃性がユーモアの本質,またエネルギー理論では抑圧された性的ないし暴力的な心的エネルギーの放出がユーモアの本質と提案しており,統一的な見解には至っていない。そこで,これらの理論が本質と提案する攻撃性や性的要因や暴力的要因を含むネタ,そして対照条件としての夫婦ネタというユーモアのネタの種類ごとの面白さと保護フレームや関連性感知の関係について,質問紙調査により実証的に検討した。その結果として,面白さは,保護フレームと関連性感知の影響を受けつつ,特に後者から強い影響を受けることが確認された。優越理論やエネルギー理論が本質とする攻撃性や性的ないし暴力的な要因による面白さは,男性の関連性感知から強めの影響を受ける可能性が示唆された。一方,夫婦ネタの強めの面白さは,男女双方の保護フレームと関連性感知から影響を受けることによる可能性が示唆された。すなわち,見いだし理論の保護フレームと関連性感知という機制により,ネタの種類別のユーモア理解を整理できる可能性が示唆された。
  • 中村 太戯留
    日本心理学会第88回大会発表論文集 737 2024年9月  筆頭著者
    自分は守られているという認識のときに危ない知らせを得るとユーモアが生じる,というのがユーモア理解の「見いだし」理論の骨子である。先行研究では,攻撃的ユーモア,遊戯的ユーモア,そして支援的ユーモアに分類可能であることが報告されているが,「見いだし」理論との対応づけは不明となっている。そこで,本稿では,向社会的行動尺度およびハピネス尺度との関係からユーモア理解の特性を探った。攻撃的ユーモアは,向社会性と負相関の関係になっていることから,反社会的な傾向,すなわち社会的に危ない知らせを強調する傾向を有すると考えられた。一方,支援的ユーモアは,向社会性と正相関の関係になっていることから,向社会的な傾向,すなわち社会的に守られているという認識を強調する傾向を有すると考えられた。なお,遊戯的ユーモアは,社会的に守られているという認識と,社会的に危ない知らせのバランスが取れた状態と推測された。そして,支援的ユーモアは,ハピネスと正相関になっていることから,心理的にも重要な役割を果たす可能性が示唆された。
  • 中村太戯留, 松井智子, 内海彰
    生理学研究所年報 44 230-231 2023年12月  招待有り筆頭著者
    本研究で、は語用論的解釈における認知要素と情動要素の協働機制を、皮肉理解や比喩理解の神経基盤に着目しつつ探求している。比喩の面白さ(ユーモア)の理解においても扁桃体が賦活しており、扁桃体は情動要素(関連性の感知など)として重要な役割を果たしていると考えられた。一方、ユーモアを生じる前提として保護フレームは認知要素としての文脈情報の一種と考えられる。その神経基盤の候補としては、側頭葉前部、尾状核、前帯状回が挙げられた。すなわち、語用論的解釈においては、情動要素に加えて、認知要素が共同して機能していると解釈された。
  • 中村太戯留
    日本心理学会第87回大会発表論文集 670 2023年9月  筆頭著者
    ユーモア理解の“見いだし”理論(中村, 2022a)は,ヒトの生存と関連性のある事柄を見いだした際に,“保護されている”という認識の枠組み(保護フレーム)が機能することでユーモアが生じる可能性を示唆している。中村(2022b)は,中村(2009)のデータに対して主成分分析を実施し,保護フレームの機能が強まるほど面白さも強まる可能性を報告している。しかし,関連性のある事柄との関係については必ずしも明確にはなっていない。本稿では,中村(2009)の刺激で使用されている感情語と保護フレームの関係について検討した。結果,感情語を含む謎かけ形式の表現として13個を特定した。それを保護フレームと面白さの関係の図(中村, 2022b)に重ねると,保護フレームが機能し,強めの面白さが生じているあたりにネガティブ感情の語が認められた。すなわち,ヒトの生存と関連性のある事柄が,保護フレームの機能するなかではユーモアを生じるとする見いだし理論の見解と整合する結果であった。
  • 中村太戯留, 松井智子, 内海彰
    生理学研究所年報 43 212-213 2022年12月  招待有り筆頭著者
    本研究では、語用論的解釈における認知要素と情動要素の協働機制を神経基盤の観点から探求した。皮肉理解において、認知要素としての文脈情報と発話内容の不調和を感知する際に、内側前頭前野の前方、側頭極、小脳の活性が認められた。これらは「心の理論」の処理に関与している可能性が示唆された。一方、情動要素としての発話韻律と発話内容の不調和の感知では扁桃体が賦活した。そして、両要素の統合機構として、帯状回を含む内側前頭前野の後方、島皮質、前頭前野が活性化した。すなわち、両要素は顕著性ネットワークを介して前頭前野で統合されると解釈された。

書籍等出版物

 3
  • 中村太戯留 (担当:分担執筆, 範囲:第7章 保護フレームと関連感知によるユーモア理解の動的語用論 (pp.132-151))
    開拓社 2025年1月 (ISBN: 9784758913782)
    「自分は守られている」という認識(保護フレーム)のときに「危ない知らせ」を得る(関連感知)とユーモアが生じる。ユーモア理解の「見いだし」理論(中村 2021)では、平たく言うとこのように私たちがユーモアを理解するプロセスを捉えている。私たちが動的に他者の言葉を理解する過程においては、一見すると複雑に見える現象の背後に、比較的シンプルな原理が働いていると考える。この論文では、保護フレーム(Apter 2007)と関連感知(Sander et al. 2003)という二つの概念装置を用いることで、先行研究で紹介されている動的に意味が変化するユーモアの例文も整理可能であることを示した。また、それらの概念装置の神経基盤についても考察した。
  • 中村太戯留 (担当:分担執筆, 範囲:第4章 MESHを駆使しよう、第5章 MESHでデザインしよう)
    オーム社 2019年5月
  • 中村太戯留 (担当:分担執筆, 範囲:第19章「比喩の面白さを感じるメカニズムの検討」)
    ひつじ書房 2007年10月 (ISBN: 9784894763173)
    不調和解消理論によれば、ユーモア理解には不調和の感知段階と解消段階とが関与するため、不調和を解消するというプロセスを経る場合は、経ない場合よりも反応時間がやや長くなることを実証的に示した。

講演・口頭発表等

 80
  • 中村太戯留
    情報教育シンポジウム2026論文集, 236-239 2026年8月
    受講生の関心順位データを生成AIに与えてグループを編成する手法を提案し,大学の必修科目を事例にその教育的効果を検証した.学修ログを用いてグループを自動編成する方法は提案されているが,新入生の1学期の授業への適用には限界がある.そこで,受講生が関心を有する複数のテーマに付した順位データを基に,生成AIを用いて共通の関心を持つメンバー同士をマッチングし,授業途中でグループを再編成した.効果検証のため,再編成直後と授業終了時に質問紙調査を実施し,計72名から回答を得てパス解析およびクロス集計により分析した.その結果, 「グループ編成方式への納得感」が「グループワークの進めやすさ」を介して最終的な満足度を高めるという影響経路が示され,加えて,第1希望のテーマが一致したグループでは高い満足度がみられた.以上より,関心順位データを活用した生成AIによるグループ編成は,協調学修を質的に向上させる有力な手段となる可能性が示唆された.
  • 清田優平, 山本浩之, 中村太戯留
    情報教育シンポジウム2026論文集, 360-363 2026年8月
    本研究では,大学生の知的好奇心を喚起し,主体的な情報検索行動を促すことを目的として,情報ギャップ理論に基づくクイズ型学修アプリを提案した.本アプリは,利用者に「知っていること」と「知らないこと」の境界を意識させるクイズを提示し,ヒント機能や検索ボタンを通じて,自ら調べながら学ぶ行動を支援するよう設計されている.有用性の検証として,まず大学生12名にプロトタイプを試用してもらい,自由記述による予備調査を実施したところ,教育的意義,検索行動を促す仕組み,操作性に関して概ね肯定的な評価が得られた一方で,画面遷移や正誤フィードバック,問題ジャンルの拡充などの改善点も明らかとなった.次に,知的好奇心尺度を参考に作成した事前・ 事後アンケートと検索ボタンの使用回数の記録を用いて,大学生5名を対象に,短期的な効果を検証した.その結果,検索ボタンの使用回数と知的好奇心尺度の変化との間に一貫した対応は見られず,短期的な利用による知的好奇心の顕著な向上は確認されなかった.一方,一部の認知的な問題を解消しようとする動機づけには向上傾向が見られたことから,知的好奇心の育成には,長期的・習慣的な利用が必要である可能性が示唆された.
  • 北垣俊幸, 山本浩之, 中村太戯留
    情報教育シンポジウム2026論文集, 234-235 2026年8月
    大学生のメンタルヘルス支援には,日常生活の中で無理なく利用できるセルフケアの仕組みが求められている.本研究では,食行動と心理状態の関連性に着目し,コンビニで購入可能な食品を提案する対話型AIシステムを開発した.本システムは,利用者の状態を選択式で把握し,ムードフードの概念に基づく商品提案と理由提示,さらにその日の良かったことを振り返らせる構成とした.大学生13名による試用では,行動に移しやすい具体性や発想の新規性,対話形式の親しみやすさが評価された.一方,店舗別表示やジャンル選択,商品情報の拡充などの改善要望が得られた.以上より,本システムは日常的なセルフケア支援として一定の有用性を有する可能性が示唆された.
  • 遠坂直人, 山本浩之, 中村太戯留
    情報教育シンポジウム2026論文集, 353-354 2026年8月
    就職活動中の大学生における睡眠不足や活動負荷に起因する認知機能低下を可視化し,自律的なセルフケアを支援するツールを提案することが本研究の目的である.提案ツールは,資源保存理論を理論的基盤とし,睡眠スコアと活動実績からストレス値および脳疲労を算出する.算出結果はキャラクター表示や原因別の行動提案として可視化し,行動変容を促すフィードバックとして設計した.大学生12名を対象としたプロトタイプ評価の結果,理論や補足説明の分かりやすさ,可視化の見やすさ,操作性の高さに関する肯定的意見が得られた.以上より,提案ツールは就活生の状態把握とセルフケア支援に有用である可能性が示唆された.
  • 伊藤貴慶, 山本浩之, 中村太戯留
    情報教育シンポジウム2026論文集, 364-367 2026年8月
    本研究では,金融教育や人材育成において重要となる「不確実性下での判断力」を客観的に可視化・評価し,自己理解を支援する学習支援ツールを提案する.従来の教育評価は知識や論理的思考力に偏る傾向があり,ストレス下での意思決定特性を十分に反映できていない.そこで,認知心理学のプロスペクト理論や二重過程モデルを基盤とし,ストレス条件下でのリスク選択タスクを通じた行動データを収集・分析するWebアプリケーションを開発した.本ツールは,ユーザーの反応時間,判断安定性,リスク傾向変化量を可視化し,BRS-J(日本語版Brief Resilience Scale)スコアを含む形で個人の特性をフィードバックする機能を持つ.これにより,学習者は自身の意思決定特性の変動を自覚し,状況変化に対する判断傾向を振り返ることが可能となる.プロトタイプを大学生12名に試用してもらった予備調査では,分析内容の詳細さや結果の可視化の分かりやすさ,理論に基づく設計に対して肯定的な評価が得られた.これらの結果から,本システムは意思決定特性の可視化を通じて自己理解を促す有用性を有する可能性が示唆された.

担当経験のある科目(授業)

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共同研究・競争的資金等の研究課題

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