研究者業績

山田 雄大

ヤマダ ユウダイ  (Yudai YAMADA)

基本情報

所属
武蔵野大学 法学部  法律学科 准教授
学位
博士(法学)(2019年7月 慶應義塾大学)

研究者番号
90877086
J-GLOBAL ID
202101013406998442
researchmap会員ID
R000021928

委員歴

 1

論文

 11
  • 山田雄大
    武蔵野法学 (21) 71-106 2024年9月  
    本論文は、わが国の刑法上の正当防衛における責任阻却の側面に着目し、従来は完全な犯罪とされてきた過剰防衛の一部について不可罰とされるべきことを示した。 わが国の過剰防衛は裁量的な刑の減免しか定めておらず、他国と比較すると無罪の余地が全くない点で、反撃者にとって酷なものとなっている。本論文では、このような問題意識から、過剰防衛の一部を無罪とする規定を有するスイスの議論を参照し、それに基づいて正当防衛の責任減少・阻却的側面について検討した。 その上で、過剰防衛とされる行為の一部について、違法減少と責任減少を組み合わせて不可罰とすることができることを指摘し、また、その判断に際しては、①責任減少の対象となる興奮・驚愕が正当防衛状況から引き起こされたものであること、②興奮・驚愕が重大なものであり、当該反撃者において慎重かつ答責的に反応できなかったことが考慮されることを確認した。このような考え方によれば、一般的に、防衛行為の相当性の逸脱の程度が小さく(違法性減少の程度が大きい)、恐怖・驚愕等の程度が大きい場合(責任減少の程度が大きい)には不可罰とされることになるといえる。
  • 山田雄大
    高岡法学 (41) 39-72 2022年12月28日  査読有り
  • 山田雄大
    高岡法科大学紀要 (33) 135-153 2022年3月  査読有り
  • 山田 雄大
    高岡法学 (40) 139-168 2021年12月  査読有り
  • 山田 雄大
    法学政治学論究 : 法律・政治・社会 (125) 1-33 2020年  査読有り
    一 問題意識二 旧刑法における「脅迫の罪」 (一) 旧刑法起草時の議論 (二) 旧刑法規定に関する議論三 現行刑法起草時の議論 (一) 明治二三年草案までの議論 (二) 明治二八年草案から三五年草案までの議論 (三) 明治三五年草案以降の議論四 本稿のまとめ
  • 山田 雄大
    法学政治学論究 : 法律・政治・社会 (115) 39-71 2017年  査読有り
    一 はじめに二 ドイツにおける議論 (一) 国家的法益・社会的法益 (二) 個人的法益 (三) 攻撃の終了時期に関して三 オーストリアにおける議論 (一) 一九七四年オーストリア刑法典 (二) 事実的状態の変更四 一九世紀のドイツ及びオーストリアにおける議論 (一) ドイツにおける議論 (二) オーストリアにおける議論五 本稿のまとめ
  • 山田 雄大
    法学政治学論究 : 法律・政治・社会 (112) 135-167 2017年  査読有り
    一 はじめに二 義務の衝突論 (一) 「義務の衝突論」の不正の侵害者特定問題への転用可能性 (二) 法益の重要性 (三) 義務の重要性・行為態様 (四) 小括三 ドイツの議論から推察される帰結 (一) ドイツの正当防衛論における前提 (二) ドイツの議論の帰結四 試論 (一) 被侵害者の特定 (二) 不正の侵害者の特定 (三) 新たなる問題 : 不正の侵害と防衛効果 (四) 冒頭の事例に対する一つの解答五 おわりに
  • 山田 雄大
    法学政治学論究 : 法律・政治・社会 (109) 267-298 2016年  査読有り
    一 問題の所在二 ドイツにおける正当防衛の開始時期に関する判例と学説 (一) 戦前の判例・学説 (二) 戦後の判例・学説の動向 (三) 小括三 正当防衛の開始時期の根拠をめぐる議論 (一) 正当化根拠論からの説明 (二) 正当化根拠論以外の基礎付け四 検討 (一) 行為による補完 (二) 正当防衛の開始時期に関する形式と実質
  • 山田 雄大
    法学政治学論究 : 法律・政治・社会 (107) 137-167 2015年  査読有り
    一 はじめに二 ローマ法の継受と攻撃と反撃の同時性 (一) 前史 (二) ローマ法の継受 : カロリーナ刑事法典 (三) 普通法時代の学説 : 同時性概念の確立三 各ラントにおける立法 : 同時性から先行性へ (一) ヴュルテンベルク (二) バーデン (三) バイエルン (四) プロイセン (五) 小括四 本稿のまとめ
  • 山田 雄大
    法学政治学論究 : 法律・政治・社会 (103) 199-231 2014年  査読有り
    一 はじめに二 公的保護不可能性、平穏阻害状況と侵害の始期 (一) 公的保護不可能性 (二) 平穏阻害状況 (三) 試 論三 侵害の始期と侵害の確実性 (一) 侵害の始期に関する判例の動向 (二) 侵害の確実性四 正当防衛濫用の危険 (一) 正当防衛濫用の危険と急迫性 (二) 侵害の継続性 (三) 侵害の始期と正当防衛濫用の危険五 おわりに

MISC

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  • シュワルツェネッガー クリスティアン, 薮中 悠, 横濱 和弥, 荒木 泰貴, 山田 雄大, 橋本 広大, 橋本 広大
    慶應法学 = Keio law journal (36) 181-294 2016年12月  
    第1部 刑事制裁 : 機能と基礎づけ〔荒木泰貴訳〕 1. はじめに 2. スイス刑法の基礎としての刑罰理論 2.1 絶対的刑罰理論 a) 同害報復(タリオ)の原理 b) イマヌエル・カントの応報理論 c) ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲルにおける「否定の否定」としての刑罰 d) キリスト教・ユダヤ教の伝統における罪悪の埋め合わせのための刑罰 e) フリードリヒ・ニーチェにおける刑罰理論と時代精神 f) 絶対的刑罰理論についての小括 2.2 相対的刑罰理論 a) ジェレミー・ベンサムとアンゼルム・フォン・フォイエルバッハの例にみる威嚇ないし消極的一般予防 b) 犯罪人類学派および社会学派の例にみる特別予防 c) エミール・デュルケームの例にみる積極的一般予防 d) 修復的刑事司法 2.3 統合説 3. 経験的な効果研究 4. 現行スイス刑法における制裁の機能 5. 人権と刑罰 : 歯止めと〔最低〕準則第2部 刑罰と処分〔山田雄大訳〕 1. 概念 2. 刑罰と保安処分 2.1 カール・シュトースによる処分の導入 2.2 一元主義的, 又は二元主義的な制裁制度 2.3 制裁決定およびその執行における一元主義と二元主義 2.4 刑罰と保安処分の関係性 3. 刑法の「第3の道」としての刑事調停, 裁判外における犯罪清算および損害回復? 4. 刑法典の新たな制裁制度の展望 4.1 刑罰 a) 刑種 b) 刑法典と特別刑法における刑罰の定め 4.2 処分第3部 刑種概観〔横濱和弥訳〕 1. はじめに 2. 個々の刑種 2.1 罰金(Geldstrafe) 2.2 公益的労働(Gemeinnützige Arbeit) 2.3 自由刑 2.4 科料(Busse) 2.5 企業科料(Unternehmensbusse)第4部 刑の種類および量の決定〔橋本広大訳〕 1. はじめに 2. 刑法各則における法定刑の意味 3. 刑の免除(Strafbefreiung) 3.1 刑の免除の法的性質 3.2 刑の免除事由 3.2.1 要罰性の欠如(刑法52条) 3.2.2 損害回復(Wiedergutmachung)(刑法53条) 3.2.3 犯人が犯行により被った不利益(刑法54条) 3.3 配偶者又は生活パートナー(Lebenspartner)が被害者である場合の手続打切り(刑法55条a) 3.4 刑の免除の手続 3.5 刑の免除の効果第5部 量刑概観〔薮中悠訳〕 1.総説 2.量刑の各段階 2.1 通常の法定刑の決定 2.2 1個又は2個以上の刑の減軽事由が存在する場合の拡張された法定刑の決定 2.3 犯罪競合の場合の拡張された法定刑の決定(刑法49条1項) 2.4 刑の減軽事由と加重事由の併存 2.5 通常の法定刑又は拡張された法定刑の枠内での量刑(刑法47条) a) 犯罪行為の不法を徴表する責任(Verschulden)メルクマール b) 不法〔の実現〕に関する犯人の非難可能性を徴表する責任メルクマール c) 責任と関連しない量刑の諸要素 d) 責任の評価および刑量の決定の順序第6部 罰金と科料の量定〔小池信太郎訳〕 1. 罰金の量定 2. 科料の量定 3. 刑法102条による企業に対する科料の量定第7部 刑の執行猶予と一部執行猶予〔小池信太郎訳〕 1. 総説 2. 刑の執行猶予(bedingte Strafe)および一部執行猶予(teilbedingte Strafe)の要件 2.1 客観的〔=刑に関する〕要件 a) 自由刑 b) 罰金 c) 科料 2.2 主観的〔=犯人に関する〕要件 : 不良な予測(ungünstige Prognose)の欠如 a) 不良な予測の諸基準 b) (重要な)前科がない者の再犯予測 c) 前科者の再犯予測 2.3 被害の回復 3. 罰金実刑又は科料の併科(刑法42条4項)および刑の一部執行猶予(刑法43条) 3.1 前提状況 3.2 併科刑(刑法42条4項) 3.3 刑の一部執行猶予(刑法43条) 4. 付随的命令 4.1 執行猶予期間(Probezeit) 4.2 保護観察(Bewährungshilfe)又は指示(Weisungen) 5. 執行猶予の成功(Bewährung)と猶予期間中の非行(Nichtbewährung) 5.1 執行猶予の成功 5.2 執行猶予中の非行 a) 取消事由 b) 取消事由が存する場合の帰趨 c) 取消しと代替措置の時間的制限 d) 管轄翻訳
  • シュトレング フランツ, 薮中 悠, 濱田 新, 荒木 泰貴, 山田 雄大, 橋本 広大, 橋本 広大
    慶應法学 = Keio law journal (34) 77-155 2016年3月  
    I. はじめにII. 責任, 起訴裁量(Opportunität)そして刑罰III. 一般刑法の主刑 1) 罰金刑(Geldstrafe) a) 概要 b) 不払いの効果 c) 罰金刑の特殊形態 2) 自由刑(Freiheitsstrafe) a) 自由刑の諸形態と意義 b) 無期自由刑(Lebenslange Freiheitsstrafe〔終身自由刑〕) c) 自由刑の量的適用状況 d) 刑の執行猶予(Strafaussetzung zur Bewährung) aa) 概観 bb) 執行猶予に伴う諸判断 (1) 猶予期間(Bewährungszeit) (2) 負担(Auflagen) (3) 指示(Weisungen) (4) 保護観察(Bewährungshilfe) (a) 保護観察の命令 (b) 保護観察官(Bewährungshelfer) (c) 執行猶予の取消し(Widerruf)又は刑の免除(Straferlass) (d) 執行猶予の「成功」について e) 行刑(Strafvollzug) f) 仮釈放(Aussetzung des Strafrests zur Bewährung〔残刑の執行猶予〕) aa) 有期自由刑における仮釈放 bb) 無期自由刑における仮釈放 3) 罰金刑及び自由刑後の再犯(Rückfall)〔以上, 小池訳〕IV. 付加刑(Nebenstrafen)と付加的効果(Nebenfolgen) 1) 運転禁止(Fahrverbot) 2) 資産刑(Vermögensstrafe) 3) 官職就任資格(Amtsfähigkeit)と選挙権(Stimmrecht)の喪失〔以上, 橋本訳〕V. 刑法の「第2の軌道」 1) 二元主義(Zweispurigkeit) : 概要 2) 改善保安処分(Maßregeln der Besserung und Sicherung) a) 精神病院収容(Unterbringung in einem psychiatrischen Krankenhaus) b) 禁絶施設収容(Unterbringung in einer Entziehungsanstalt)〔以上, 濱田訳〕 c) 保安監置(Sicherungsverwahrung) d) 行状監督(Führungsaufsicht) e) 運転免許の取消し(Entziehung der Fahrerlaubnis)〔以上, 荒木訳〕 f) 職業禁止(Berufsverbot) 3) 利益収奪及び没収 a) 利益収奪(Verfall) b) 拡大収奪(erweiterter Verfall) c) 没収(Einziehung)〔以上, 山田訳〕VI. 量刑(Strafzumessung) 1) 一般的基礎 2) 法律上の準則 a) 中心的な量刑規定 : 刑法46条 b) 法定刑の減軽 c) 一般的な二重評価禁止(Doppelverwertungsverbot) d) 短期自由刑の例外的性格 e) 刑の代替(Strafersatz)の考慮 3) 量刑理論(Strafzumessungstheorien) 4) 数罪の量刑VII. 少年刑法の制裁 1) 概要 2) 補充性の原則(Subsidiaritätsprinzip) 3) 少年刑法の特別な制裁 a) 総説 b) 教育処分(Erziehungsmaßregeln) c) 懲戒処分(Zuchtmittel) aa) 戒告(Verwarnung) bb) 負担(Auflagen) cc) 少年拘禁(Jugendarrest) d) 少年刑(Jugendstrafe) aa) 概要 bb) 執行猶予と行刑 cc) いわゆる有罪宣告手続(Schuldspruchverfahren) 4) 少年刑法の制裁後の再犯〔以上, 薮中訳VIII. 精神諸科学(Psychowissenschaften)との協働 1) 総説 2) 責任能力(Schuldfähigkeit)の判断〔以上, 山田訳〕翻訳

書籍等出版物

 1

講演・口頭発表等

 1

担当経験のある科目(授業)

 9

所属学協会

 1

共同研究・競争的資金等の研究課題

 2

社会貢献活動

 1