嶋崎さや香
2008年3月
明治元年から15年までに全国に設立された新聞縦覧所、書籍館を〈課金の有無がありながらも、誰にでも公開するという前提を持つ施設〉として一括することで、こうした読書施設が全国各地に誕生した歴史的な意義について検討を試みた。資料には、各地方行政刊行の地域史(県史、市史)から、176施設分の読書施設一覧表を作成し、その関連資料と共に利用した。<br />
第1章ではこれら施設の設立主体と目的について、第2章では新聞受容と情報収集、発信の場としての読書施設の機能を三重県の射和文庫を事例に分析した。また第3章では、明治初期に登場した学校と、そこに設けられた読書施設の誕生と変容について検討を進めた。